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コロナ禍で迎える3度目の春になりますが、ニュースタンダードの就職活動を乗り越えた新入社員との出会いはもう目の前です。ここ数年、リモートワークの普及により社内の人間関係の距離感にも大きな変化が生じています。
キャリアや就職・転職に特化した匿名希望相談サービス「JobQ」の調査部門「Job総研」による、「2023年上司と部下の意識調査」*を読み解き、円滑なコミュニケーションのヒントを探っていきましょう。
目次【本記事の内容】
コロナ禍後初めての新卒世代も今では20代半ばを迎え、リモートワークを基本とした業務形態を当たり前と思っている若手社員も多いでしょう。調査によると、いわゆるZ世代(1996-2012年生まれを指す)の社員達の実に75.2%が、上司から熱量高く叱られた経験がないと回答していることがわかりました。
コロナの影響で、直接顔を合わせる機会が少ないことも大きな理由の一つではありますが、今回の意識調査では大変興味深い結果が浮き彫りとなりました。
前述の通り、Z世代を主とした20代社員の7割以上が熱量高く叱られた経験がないことが明らかになりましたが、これは同時に、上司側の部下を育てる意識に変化が生じていることも意味しています。
なぜ多くの上司が部下を叱らないのでしょうか。その理由の上位を占めていたのは、「経験していた時代と価値観が違うから」、「ハラスメントを気にしてしまう」といった、時代の価値観を考慮した意見でした。
SNSを駆使し、広範な世界とリンクすることに長けた現代の若者といかにして向き合うべきか、戸惑う上司世代の姿が目に浮かぶようです。
バブル期に入社した現在の50代社員の多くは、部下をもつ上司として業務に就いているでしょう。部下に熱量高く叱った経験があると答えた34.7%の回答のうち、最も割合が高かったのが50代の上司達でした。
また、この世代は叱られた経験も49.2%と最も高くなっており、部下時代の上司の振る舞いを少なからず継承している世代であることも数字から考察できます。
叱らない上司の割合は64.3%にも上ります。「叱った経験がないので、叱り方がわからない」、「相手の捉え方次第でハラスメントになりかねないので優しい上司というキャラ設定をしている」など、どこか消極的で及び腰な姿勢が感じられます。
対するZ世代を主とした若い部下世代の本音はどのようなものなのでしょうか。 当然のように、全世代の部下の43.5%が「叱られたくない」と答えていますが、「叱られたい・どちらかといえば叱られたい」と答えた19.0%の年代別内訳を見ると、叱られた経験がほとんどない20代が最も「叱られたい」と回答しています。
叱られたい理由の多くは、「自分の成長につながるから」、「自分を見てもらえている気になるから」、「客観的な評価が欲しいから」、と仕事の精度やモチベーションを高めるための前向きなものでした。
一方で、叱られることによって、「萎縮してしまう」、「内容がしっくりこない」と感じている部下が多いのは、見逃せない回答結果です。人格否定や要領を得ない指摘は、言われた側の負担になりかねません。
今回の調査で浮き彫りになったのは、コロナ禍の影響を色濃く受けた上司と部下の精神的な距離感です。一歩踏み込んだ指導ができない、必要な場面でも大きな問題に発展することを恐れて叱れない、という消極的な姿勢の上司世代の本音が明らかになりました。
叱られた経験のない部下世代が、時を経て上司世代になる頃まで、この傾向は続いていくかもしれません。少数派とはいえ、必要な場面ではきちんと叱ってでも自分の仕事ぶりを見ていて欲しいと感じている若い世代が存在していることも念頭に置きつつ、相手の求めている上司像と必要な指導法に大きな乖離が生じないようにしなければなりません。
相手の人間性を第一に考えた接し方を心がけることこそ、部下育ての基本であり真理であるといえるのではないでしょうか。
【調査概要】
調査対象者:全国 / 男女 / 20~50代
調査条件:1年以内~10年以上勤務している社会人
20人~1000人以上規模の会社に所属
調査期間:2022年12月28日~2023年1月4日
有効回答数:682人
調査方法:インターネット
■参考サイト
PR TIMES|Job総研による『2023年 上司と部下の意識調査』を実施 部下に叱れない上司が6割 世代価値観のギャップが弊害に
内閣府|「バブル/デフレ期の日本経済と経済政策」について
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