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女性活躍推進法(2022年4月施行)の改正で、従業員数101人以上300人以下の中小企業も、一般事業主⾏動計画の策定や情報公表の義務対象となった。エヌエヌ生命保険株式会社の調査*によると、女性が活躍するには程遠い現実が判明した。
*調査概要
調査対象:日本全国の従業員数101~300名の中小企業経営者
※従業員数101~300名規模の会社経営者(社長、会長、取締役)または従業員のいる自営業者
サンプル:全国315名
調査方法:インターネット調査
調査会社:株式会社マクロミル
実施時期:2023年2月10日~2月14日
※回答結果はパーセント表示を行っており、小数点以下第2位を四捨五入して算出しているため、各回答の合計が100%にならない場合があります。
女性従業員の割合を見ていくと、「11~20%」がもっとも高い21.0%で21%以上の回答はなく、女性管理職の割合は「1~10%」が最多の44.1%、女性役員の割合では「0%」が最多で53.0%と過半数を超えている。これが日本の中小企業の実態である。
この調査は、従業員数101人以上300人以下の中小企業経営者に行ったもので、女性に活躍してほしいと思う経営者は89.2%と、実に9割に迫る高い割合である。
その理由は「優秀な人材の確保」(75.8%)、「業務効率・生産性の向上」(51.2%)、「社内の多様性の広がり」(48.0%)で、女性に活躍してほしいという思いは強いようだ。しかし、女性従業員や管理職、役員の数を見ると、その思いとは裏腹の結果となっている。
女性従業員を増やすための課題を聞いたところ、最多が「仕事内容」の39.7%で、次いで「労働時間」の33.3%、「仕事ポジション」が27.9%で続いている。
また、女性活躍を推進するために、テレワークや時短勤務、独自の育児休暇など、多様な働き方に対応する制度導入にも積極的に取り組んでいる企業が多いのも事実だ。
しかし、中小企業だけが、女性の活躍に消極的なわけではない。「ジェンダーギャップ指数2022」(世界経済フォーラム発表)で146か国中116位、「女性の働きやすさランキング2022年版」(英国のエコノミスト誌)でOECD加盟国29か国中7年連続28位で、男女間格差は、日本企業全体の課題である。
それでも、実態が伴わないとはいえ、女性が活躍することに中小企業経営者が期待していることもわかった。期待しているのは「将来の管理職」(64.4%)、売上達成など部署の「目標への貢献」(60.0%)、「部下・後輩の育成」(57.5%)、「将来の会社経営層」(33.0%)である。
女性の社会参加の必要性が叫ばれ、「男女共同参画基本計画」が策定されたのは2000年である。間もなく策定から四半世紀となるが、その割に女性活躍の環境整備が進んでいないことは、甚だ残念なことではないだろうか。
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■参考サイト
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