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現在、さまざまな分野でAIを活用する動きが加速しています。高性能な翻訳サービスをグローバル展開しているドイツのDeepLは、今年7月に日本法人を立ち上げ、日本での事業を本格的に展開していくことを発表しました。
DeepLは、AIを活用することで言葉の壁を取り払い、ビジネスのグローバル展開を翻訳サービスという面からサポートしています。最大の特徴は翻訳精度の高さです。
その高い翻訳精度を武器に、現在、有料版への登録者が50万人、登録法人は2万社にまで拡大し、同社が掲げる「世界をリードするAIコミュニケーション企業」というミッションの認知度も広がりつつあります。
DeepLの日本語翻訳サービスがスタートしたのは2020年ですが、日本語との相性が良いことから、わずか数年で日本が世界第2位の市場にまで拡大しています。
世界第2位の市場である日本は、翻訳サービスでグローバル展開をするDeepLにとっては、極めて有力なマーケットということになります。
有料プランとなるDeepL Proに追加された機能、敬体(~です、~ます)と常体(~だ、~である)、もしくは自動の切り替えの選択により、日本語との相性の良さがより発揮されるようになりました。ドロップダウンメニューを選択するだけで訳文の語調が瞬時に切り替わるため、希望にあった翻訳文をすばやく作成することができます。
DeepLが誇る高い翻訳精度は、言語のニュアンスや文脈の理解に長けた高度なニューラルネットワーク技術によって支えられています。
では、今話題の生成AIの機能も持ち合わせているといえるではないでしょうか。その期待通り、AIを活用した文章作成支援ツールDeepL Writeの提供も開始しました。現段階ではWebブラウザにおいて無料で使用することができます。
もっとも、現段階ではドイツ語と英語のみに対応可能です。国際的なチームでのメール作成や顧客向けのプレゼン資料の準備、あるいは論文執筆など、さまざまなシーンで利用することができそうです。
いずれは、日本語にも対応した文章作成支援ツールが提供されることにも、大いに期待したいところです。
一方、生成AIを巡っては、個人情報の漏えいや誤った情報が紛れ込むリスクも危惧され、規制やルールづくりが急務です。
DeepL創業者のヤロスワフ・クテロフスキーCEOも、AIが人間の作業や意思決定を支援するなど急成長している一方、リスクも無視できない、ことは認めています。その上で、今こそ「社会全体で議論をする最適のタイミング」と言及しています。イノベーションを阻害するAI規制ではなく、世界を良くする後押しになるのが理想と述べています。
既に生成AIを利用した詐欺犯罪も発生しているため、一部で規制を求める声が上がることも考えられます。しかし翻訳サービスや文章作成支援ツールなどの技術革新がどこまで進むのか、期待も大きいのではないでしょうか。
グローバル社会を生き抜くスキルの一つとして挙げられるのが語学力です。今後、翻訳サービスの精度が高くなることで、自身の語学力に頼らなくても、世界中で活躍できる世の中が訪れるかもしれません。
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