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経理・財務担当者が深く理解しておきたいシステムと言えば、金融庁が管理しているEDINETがあります。法定開示業務で活用するほか、「同業他社の状況を把握する」「取引先の財務状況を確認する」など、さまざまなシーンで利用可能です。
今回は、EDINETの概要や簡単な歴史、具体的な活用方法について解説します。
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目次【本記事の内容】
EDINETは、「Electronic Disclosure for Investors' NETwork」の略で、日本の金融庁が管理する電子開示システムを指します。具体的には、日本の上場企業が証券取引法に基づいて提出しなければならない「有価証券報告書」「四半期報告書」「内部統制報告書」などの情報を電子化して公開する仕組みです。
EDINETは2001年より稼働を開始し、企業の開示情報がリアルタイムでインターネット上に公開されるようになりました。EDINETを通じて、一般の人々が企業の情報を無料で閲覧できるようになり、企業の透明性の向上に寄与しています。
EDINETは企業側にとってメリットが大きく、たとえば一連の手続きが電子化されていることによって、紙での提出に比べて事務負担を減らせます。さらにシステムを通じて必要な情報をスムーズに開示することで、企業の信頼性を向上させられるのも大きな利点です。
その一方で、投資家やアナリストも、EDINETを利用して企業の業績・財務状況を評価し、投資判断を行うことが可能になります。
EDINETでは、2008年4月1日以降開始する事業年度の財務諸表本表について、コンピュータ言語の「XBRL形式」での提出が求められるようになりました。XBRL(eXtensible Business Reporting Language)とは、企業の財務情報を一定の形式で表現・共有するための言語であり、標準的な表現形式として国際的に使用されています。
XBRLの導入により、企業は財務データを一度作成すれば、そのデータをさまざまな形で利用できるようになっています。一方、投資家やアナリストも、企業間での財務データの比較が容易になりました。さらにXBRLによるデータ表現は機械で読み取れることから、データ分析の自動化が可能で、効率性が大幅に向上しています。
そして2013年9月には、開示書類の利用性向上と検索機能の強化を目的としたEDINETの次世代システムの開発が完了し、XBRLの対象範囲が拡大されました。2023年1月には、大規模なシステム更改が行われています。
EDINETの利用は基本的に無料で、とくにログインやユーザー登録を行う必要はありません。ただしXBRL形式の情報を閲覧するためには、専用のビューアのインストールが必要です。基本的な使い方としては、まずEDINETのWebサイトにアクセスします。
サイトには検索機能があり、企業名や証券コードを入力して、該当する企業の開示情報を検索可能です。また、「書類種別(有価証券報告書/半期報告書/四半期報告書など)」や「提出期間(過去1年など)」の項目でも検索ができます。
検索結果から該当する企業を選択すると、その企業が提出した有価証券報告書、四半期報告書、内部統制報告書などの開示情報を確認できます。情報はPDF形式やXBRL形式で提供されており、PDF形式の情報はそのまま閲覧可能です。一方、XBRL形式の情報を閲覧する場合は、先述のように専用のビューアが必要となります。
なお、EDINETでは、企業の財務諸表や重要な経営情報だけでなく、大量保有報告書や役員の報酬に関する情報なども開示されています。これらの情報も同様に検索・閲覧可能です。
経理・財務担当者による、EDINETの主な活用シーンは、「業界や競合企業の分析」です。EDINETを通じて競合他社の財務情報を調査し、自社の財務状況や業績を他社と比較して評価したり、業界のトレンド・競合企業の動向を把握したりすることができます。
EDINETは、「開示情報の作成の参考」にも役立ちます。たとえば自社の開示情報を作成する際に、他の企業がどのような情報を開示しているかをEDINETで確認し、参考にすることが可能です。
「法令遵守と透明性向上」にも、EDINETは大きく役立ちます。経理担当者はEDINETを通じて、適切な開示情報の作成と、公開のための法令要件を理解できます。さらに自社の情報開示が、投資家や一般の人々にとってどのように公開されているかを確認するなど、第三者的な視点で見つめなおせるのも重要なポイントです。
EDINETは、企業のさまざまな開示情報を閲覧できる便利なシステムです。ただし企業から公開される情報は、専門的な内容を含んでいる場合があり、財務諸表や四半期報告書の理解には会計や財務分析の知識が求められます。
さらに公表される情報は四半期ごとや年次で更新されるものが多く、必ずしも最新の情報とは限りません。それらの注意点を意識しつつ、正しくEDINETを使いこなしましょう。
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■参考サイト
金融庁|EDINETトップページ
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