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新型コロナウイルス問題が落ち着く中で、テレワークを見直す動きが進んでいます。しかし働き手の立場からすると、再び働き方を変えることに対して不満があるのも事実です。今後テレワークの縮小を検討する場合、企業はどのような点に注意すべきなのでしょうか。
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共同通信によれば、パナソニック傘下でIT事業を運営するグループ企業が、テレワークを縮小することを明らかにしました。子会社を含めた国内従業員13,400人が対象となり、原則週3日以上の出社勤務に戻すということです。
今回の決断はコミュニケーションの向上と、生産性を高めることが目的であり、現状3割程度の出社率を今後は6~7割にまで増やす見通しです。
海外ではアメリカの巨大企業が続々とテレワークの縮小に踏み切り、国内大手企業の間でも、テレワークを見直して原則出社勤務に戻す動きが広がっています。
東京都が2023年1月に行った調査でも、都内の従業員30人以上の企業におけるテレワーク実施率は51.7%となり、ピーク時の65.0%から大幅に減少しています。しかも減少傾向は1年ほど前から継続中です。
このような動きの背景には、以前から指摘されていたテレワークのデメリットが関わっています。それは社員どうしのコミュニケーションが取りにくいことや、生産性が低下することなどです。テレワークが、新型コロナウイルス対策の暫定措置だったことも、縮小の理由の1つに挙げられるでしょう。
ニュースなどを見ると、働き手の側からは、二転三転する企業の対応にとまどう声も上がっています。テレワークに合わせた生活スタイルを確立したところで、再び働き方を変えてしまうと、生活リズムが崩れる危険性もあります。
中にはテレワークにより、ようやく仕事と育児を両立していた人もいて、再び出社勤務に戻ることが困難なケースもあります。勤務先に相談しても解決できない場合には、転職を検討する可能性もあるということです。
企業にとっては、テレワークを縮小することが、離職率を高めるリスクにつながる可能性があるのです。事前に適切な対策をとらずに働き方を変えることは、経営基盤を揺るがす事態になりかねません。
あるインターネット調査では、これまでにテレワークを経験した人のうち、89.5%が継続を望んでいるという結果が出ています。テレワークを縮小するにしても、こうした意見にも耳を傾ける必要があるでしょう。
現在の状況は、今後の働き方改革に影響を与える可能性があります。企業は独断でテレワークを縮小するのではなく、まずは従業員の意見を聞いた上で、可能ならテレワークと出社勤務との共存を図るべきかもしれません。
人材流出を防ぎ、安定的に人材を確保するためには、本格的なハイブリッドワークの導入も1つの選択肢になるでしょう。
社会は今、新型コロナウイルス問題以後の在り方を模索しています。感染予防措置であったテレワークから、以前の出社勤務に回帰する動きも、当然予測されていたことです。
しかしテレワークが定着した現在、それを続けたいという声も無視できません。ここで働き方を変えるなら、企業は十分な準備期間を設けて、労使双方が納得できる仕組みづくりを行うべきでしょう。
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