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金融庁が千葉銀に業務改善命令、「仕組み債」を不適切に販売

公開日2023/09/06 更新日2023/09/07

金融庁が千葉銀に業務改善命令、「仕組み債」を不適切に販売

2023年6月、金融庁は千葉銀行、ちばぎん証券、武蔵野銀行の3社に対して、業務改善命令を発出しました。理由は、「仕組み債」の勧誘・販売において、顧客の投資経験などについて十分な確認を怠っていたためです。
今回は、千葉銀などが行政処分を受けたその内容を深掘りし、「仕組み債」とは何かについて詳しく解説します。

金融庁が千葉銀行、ちばぎん証券、武蔵野銀行の3社に業務改善命令

証券取引等監視委員会は、千葉銀行とその傘下のちばぎん証券について、複雑な債権であり、顧客の投資経験を確認する必要がある「仕組み債」を不適切に販売していたとして金融庁に行政処分を勧告していました。これを受けて同庁は、「業務改善命令」を千葉銀行、ちばぎん証券、武蔵野銀行の3社に対して発出しました。


この行政処分を受け、千葉銀行、ちばぎん証券、武蔵野銀行は7月24日に業務改善報告書を関東財務局に提出。報告書の内容は公表されていて確認でき、「広範囲にわたって調査を行っている」といった文言と、顧客・社会に対する謝罪文が中心となっています。

問題の発端となった「仕組み債」とは

千葉銀行、ちばぎん証券、武蔵野銀行が行政処分を受けた理由は、「仕組み債の勧誘販売における仲介業務において、投資家保護の観点から問題がある」というものでした。


問題の発端となった仕組み債とは、その名前の通り、通常の債権にはない「特殊な仕組みをもつ債権」のことです。仕組みとは、デリバティブ(金融派生商品)を組み込み、投資家・発行者のニーズに即したキャッシュフローを生み出す構造を意味する言葉です。


デリバティブとは、具体的にはスワップ(金利[固定金利と変動金利]や通貨[円と外貨]を交換する取り引き)、オプション(あらかじめ取り決めた価格で、一定期間後に売ったり買ったりする権利のこと)などを指します。つまり仕組み債とは、「債権+デリバティブ」という性質をもつもの、といえるわけです。


この仕組み債は、高い利回りを可能とする一方で、株価や為替などの変動に連鎖して償還条件が変わってくるなど、複雑な商品性をもちます。通常の債権とは違ったリスクを含む上に手数料の決定基準もわかりにくく、仕組み債は個人投資家に販売するのに適さない商品と以前から指摘されていました。


実際、金融庁は仕組み債の販売には問題があるということを、2022年6月に発表した報告書(リスク性金融商品の販売会社における顧客本位の業務運営のモニタリング結果)で示しています。とくに投資経験の少ない人にはまったく不向きな商品であり、もし販売するなら、少なくとも販売者側はその仕組みをしっかりと説明し、投資家となる顧客に納得してもらう必要があるのです。

大きな問題は「仕組み債」の不適切な販売方法

ところが千葉銀行・ちばぎん証券・武蔵野銀行らは、投資経験の乏しい個人投資家に対して説明不十分なまま仕組み債を販売していたのです。これにより個人投資家の中に、商品の内容のよくわからないまま、多大な損失をこうむったケースが生じています。


たとえば千葉県内に住む60代の男性は、老後資金の約200万円を損失しました。男性によると、購入する際に千葉銀行側から「年約7%の利回り」「リーマンショックの時も下がらなかった」「早く買わないとなくなる」などと言われたとのこと。千葉銀行員とは契約を交わしたときに1回会っただけで、仕組み債の仕組みもよくわからないまま購入したそうです。


ちばぎん証券でも無理な販売が横行し、70代以上の投資のことをよくわからない顧客・投資家に対して、仕組み債の販売を行っていたといいます。こうした実情を踏まえ、今回の千葉銀行・ちばぎん証券・武蔵野銀行への行政処分に至ったのです。


仕組み債のような複雑な金融商品はリスクが高く、顧客に巨額の損失をこうむる恐れもあります。 近年、一種の投資ブームが生じており、個人レベルでもスマホで手軽に投資ができる時代となりました。しかし仕組み債のような複雑な構造をもつ金融商品は、「老後資金を増やしたい」「資産を増やしたい」といった投資経験に乏しい個人投資家には理解が難しいのです。


今回の金融庁による千葉銀行・ちばぎん証券・武蔵野銀行への行政処分は、仕組み債のことを個人投資家に適切に説明せずに販売し、大きな損失を与えたことが問題視されてのことでした。


そもそも、仕組み債のような複雑な構造をもつ金融商品は、経験の浅い投資家だと丁寧に説明されても十分な理解は困難とも考えられます。普段は一般社員として勤務している人で、貯金を投資に充てたいと考えている場合、少なくとも「自分がしっかりと理解できる金融商品」を選択することが、損失回避の重要条件ともいえます。

まとめ

一般的なサラリーマンにとって、金融商品に対しては販売者側、顧客側の2種類の関わり方が想定できます。販売者側、つまり金融商品取引業の企業に勤務している人、あるいは勤務先の企業がこれから金融商品取引業への参入を検討している場合、今回の行政処分から得られる教訓は、やはり金融商品の顧客への説明は細心の注意が必要ということに尽きます。


購入者として金融商品に接する場合は、やはり仕組み・構造をしっかりと理解し、どのようなときに利益・損失が発生するのかを把握できるかどうかを重視する必要があるでしょう。相手が進めるままに購入すると、思わぬ形で損失をこうむるかもしれません。


■参考サイト
金融庁|リスク性金融商品の販売会社における顧客本位の業務運営のモニタリング結果


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