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ある鳥取県のエネルギー会社で、役員の不正を指摘した社員が解雇される事件がありました。このような不正に企業はどう対処すべきなのか、不正会計と内部通報の関係について考察します。
この鳥取県のエネルギー会社では、元幹部社員3人が、社内の機密情報を持ち出したとして、2023年5月に解雇されました。実際には、この3人は別の役員が経費を私的に流用しているという情報提供を受け、調査を実施。外部の税理士に相談していました。
その後、具体的な調査結果を記載した改善要望書を社長に提出しましたが、無期限の自宅謹慎を命じられ、最終的には社外に機密情報を持ち出したことを理由に全員解雇されたのです。この処分に対して元幹部社員3人は、未払い賃金の支払いなどを求める訴訟を起こしました。
こうした場合、社内資料を税理士に見せたことが守秘義務違反に当たるのかが争点になります。
このような不正を処理する場合、「内部通報」という方法で問題を解決できます。内部通報とは、問題をまず社内の担当部署に相談して、社内で不正経理問題の解決を目指す方法です。 内部通報制度が適切に働いていれば、マスコミやSNSなどで不正が明るみに出ることを避けられる可能性があります。また、不正を未然に防ぐこともできるでしょう。
2022年6月に改正された公益通報者保護法により、現在常勤従業員が300人を超える企業では、内部通報制度の整備が義務づけられており、300人以下の企業では努力義務の扱いになっています。不正を大きなトラブルに発展させないよう、自浄作用を高めるためにも、適切な内部通報制度の整備は企業にとって必須といえるでしょう。
今回紹介した内部通報と社員解雇の事例では、最終的に会社側が賃金の支払いなどに応じて和解が成立しました。しかし、その後も会社側は不正な経費流用の事実については認めていません。
企業は内部通報者が不利な扱いを受けないよう保護することが大切です。内部通報者がいなくなれば、早期に問題を把握することができなくなり、被害が大きくなる前に対処することが不可能になります。
消費者庁の公益通報ハンドブック(改正法準拠版)に、公益通報者保護法の内容がわかりやすくまとまっていますので、参考にしてみてください。
内部通報制度を整備する上では、弁護士などに相談して、社内から独立した窓口にすることも重要です。内部通報者に対する不当な扱いが生じないようにすることで、はじめて内部通報制度が正常に機能するでしょう。
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