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インボイス制度が経費精算に及ぼす影響|経費にできない領収書や注意点を解説

公開日2023/11/11 更新日2023/12/11


インボイス制度は、経費精算に大きな影響を及ぼします。


しかし「そもそもインボイス制度がどのようなものか理解できていない」「経費精算業務をどのように改善したらよいのかわからない」と、悩んでいる人も多いのではないでしょうか?


本記事では、インボイス制度が経費精算にどのような影響を及ぼすのか解説します。


この記事でインボイス制度が経費精算に及ぼす影響がわかり、業務改善や経費精算システム導入の判断材料になりますので、ぜひ参考にしてみてください。


インボイス制度とは?

インボイス制度とは、正式名称を「適格請求書等保存方式」といい、売り手と買い手が適格請求書を保存することで消費税の仕入税額控除が適用される制度です。


仕入税額控除とは自社で販売した消費税が課税される商品(売上税額)から、仕入れのときに納税した消費税を差し引ける制度です。


仕入税額控除が使えることにより、1つの商品で消費税を二重に納税しなくて済み、課税額を抑えられます。


ただし、インボイス制度を利用するには、適格請求書(インボイス)を保存しなければいけません。


適格請求書が発行できるのは、適格請求書発行事業者として登録した企業です。


適格請求書発行事業者として登録するには、消費税の課税事業者になる必要があります。


インボイス制度を利用するのであれば、適格請求書発行事業者と取り引きをして、適格請求書を取得しなければなりません。


インボイス制度が経費精算に及ぼす影響

インボイス制度は、領収書やレシートを発行する人にも、受け取る人へも影響します。


仕事をしている人は全員、インボイス制度が及ぼす影響を理解しておきましょう。


インボイス制度が領収書やレシートを発行する人や受け取る人に及ぼす影響について解説します。

領収書やレシート発行する人への影響

インボイス制度は、領収書やレシートを発行する人に対し、次のような影響を与えます。


●領収書やレシートを適格請求書に対応するものにしなければいけない
●領収書やレシートの記載内容が増える
●インボイス制度に対応するための準備をしなければいけない


インボイス制度が開始されたときには、制度に対応する書式やシステムに変更しなければいけません。


領収書やレシートを発行する人は、どのような変更点が必要なのか理解しておきましょう。


領収書やレシートを適格請求書に対応するものにしなければいけない
適格請求書が認められるには、領収書やレシートに必要事項が記載されているだけではなく、適格請求書発行事業者の登録をしなければいけません。


適格請求書発行事業者に登録するための条件は、消費税の課税事業者に該当していることです。


免税事業者が課税事業者になるには、課税事業者選択届出書を税務署に提出し、課税事業者に変更しなければいけません。


なお、課税事業者が適格請求書発行事業者に登録する方法は、次のとおりです。


①適格請求書発行事業者の登録申請書を作成する
②登録申請書を税務署に提出する
③税務署またはインボイス登録センターで登録の審査が行われる
④適格請求書発行事業者として登録簿に記載される


適格請求書発行事業者に登録されたら、領収書やレシートを適格請求書として認められる書式に変更します。


参考:[手続名]適格請求書発行事業者の登録申請手続(国内事業者用)|国税庁


なお、領収書の扱い方について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。


領収書やレシートの記載内容が増える


適格請求書として発行する場合、領収書やレシートの記載内容が増えます。


適格請求書に記載する事項は、次のとおりです。


①適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
②課税資産の譲渡等を行った年月日
③課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
④課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
⑤税率ごとに区分した消費税額等
⑥書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称


今まで利用していた領収書やレシートに1~6までの記載が1つでもない場合、適格請求書として認められません。


認められるには、すべての項目を網羅し、適格請求書として利用できる書式に変更する必要があります。


引用:適格請求書等保存方式の概要|国税庁


インボイス制度に対応するための準備をしなければいけない

適格請求書を発行するには、インボイス制度に対応する準備をしなければいけません。


インボイス制度に対応するための具体的な準備は、次のとおりです。


●自社が免税事業者であるなら課税事業者になるのか検討が必要する
●取引相手が課税事業者か免税事業者のどちらか確認する
●適格請求書発行事業者の登録手続きをおこなう
●適格請求書の発行フローを整備する
●適格請求書の受取や保存のフローを整備する
●インボイス制度の経過措置を確認する


インボイス制度は適格請求書を発行する側だけの問題ではありません。


相手側がインボイス制度に対応するかどうかを確認したうえで、自社の業務フローを改善する必要があります。


また、インボイス制度には6年の経過措置が取られています。


インボイス制度の経過措置とは、適格請求書を受け取らなくても仕入税額控除が一定の割合で適用される措置です。


具体的には、次のような措置が取られます。


●2023年10月1日~2026年9月30日:仕入税額相当額の80%
●2026年10月1日~2029年9月30日:仕入税額相当額の50%


経過措置中は、適格請求書がなくても上記の割合で仕入税額控除が利用できます。


経過措置に対応できるよう、期間や控除の割合についてしっかりと確認することが大切です。

領収書やレシートを受け取る人への影響

インボイス制度は領収書やレシートを受け取る人に対しても、次のような影響を及ぼします。


●インボイス制度に非対応の領収書では仕入税額控除できない
●電子帳簿保存法により適格請求書を電子保存できる
●3万円未満の取引でも領収証やレシートを取っておかなければいけない


インボイス制度は適格請求書を発行する準備が必要なだけでなく、受け取り側が書類を適切に保存することが必要です。


適格請求書を売り手と買い手が保存することで、仕入税額控除を受けられるためです。領収書やレシートを受け取る側もインボイス制度に対応しなければいけません。


適切に受け取りや保存をするためにも、以下を読んで必要な情報を把握しておきましょう。


インボイス制度に非対応の領収書では仕入税額控除できない

インボイス制度に対応していない領収書やレシートでは、仕入税額控除を利用できません。


仕入税額控除を利用するには、適格請求書としての内容を満たしている領収書やレシートを受け取る必要があります。


しかし、適格請求書として認められる領収書やレシートかどうかは、受け取る人がインボイス制度を理解していないと判断できません。


適格請求書として認められる領収書やレシートには、次の項目の記載が必要です。


①適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
②課税資産の譲渡等を行った年月日
③課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
④課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
⑤税率ごとに区分した消費税額等
⑥書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称


引用:適格請求書の記載事項|国税庁


仕入税額控除を受けるには、領収書やレシートを受け取る人への周知を徹底する必要があります。


なお、経費精算について詳しく知りたい人は、下記の記事もあわせてお読みください。


電子帳簿保存法により適格請求書を電子保存できる


適格請求書は、電子帳簿保存法により電子保存することが認められています。


しかし、電子保存するときには、電子帳簿保存法の内容を理解しなければいけません。電子帳簿保存法に沿って電子保存する場合には、次のような内容を理解しておく必要があります。


【保存する書類の真実性の確保】
●タイムスタンプが押印された適格請求書データを受領する
●受け取り側もすぐに受取日のタイムスタンプを押印する
●データの訂正や削除を行ったときは、訂正・削除されたことが記録に残るシステムを導入するか、訂正・削除ができないシステムを利用する
●訂正・削除の防止に関する事務処理規程を社内で策定し運用する


【保存する書類の可視性の確保】
●電子計算機処理システムの概要を説明する書類を社内に備え付ける
●画面上で確認できたり書面で出力できたりするための設備を整備する
●検索できる機能を整備する


インボイス制度に対応するには、電子帳簿保存法についてしっかりと把握しておきましょう。


参考:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】|国税庁


3万円未満の取引でも領収証やレシートを取っておかなければいけない


インボイス制度が開始されると、3万円未満の取り引きでも領収書やレシートを保存しておく必要があります。


インボイス制度の開始前である2023年9月30日までは、3万円未満の領収書やレシートがなくても帳簿に記載するだけで仕入税額控除が受けられます。


備品や飲食代など少額の取り引きでは、領収書やレシートが不要でした。


しかし、インボイス制度が開始されると、たとえ数十円の商品を購入したとしても、領収書やレシートを保存しておかないと仕入税額控除が利用できなくなります。


インボイス制度における領収書の注意点

インボイス制度における領収書の注意点は、次のとおりです。


●領収証やレシートがインボイス制度に対応しているか確認する
●インボイスが免除される特例もある
●経費処理の手間が増える


インボイス制度は、今までの経費精算処理に大きな影響を及ぼします。


領収書やレシートについても注意すべき点も多くあります。


インボイス制度が開始されたとき、どのような点に注意しなければいけないのか理解しておきましょう。

領収証やレシートがインボイス制度に対応しているか確認する

領収書やレシートを受け取ったときには、インボイス制度に対応しているかどうか確認しなければいけません。


インボイス制度に対応している領収書やレシートの内容は、適格請求書を理解するだけでなく、簡易適格請求書の内容も把握しておく必要があります。


簡易適格請求書とは、次の業種のみが発行できる書類です。


●⼩売業
●飲⾷店業
●写真業
●旅⾏業
●タクシー業
●駐⾞場業(不特定かつ多数の者に対するものに限る)
●その他これらの事業に準ずる事業で不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業


簡易適格請求書に記載する項目は、次のとおりです。


①適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
②課税資産の譲渡等を行った年月日
③課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
④課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額または適用税率


引用:適格請求書の記載事項|国税庁


適格請求書と簡易適格請求書の項目の違いは、次のとおりです。


●適格請求書を受け取る企業の氏名・名称がない
●消費税を区分せず適用税率のみの記載ができる


領収書やレシートを受け取るときには、簡易適格請求書が発行できる業種と内容まで理解しておきましょう。


インボイスが免除される特例もある

インボイス制度には、適格請求書が不要で帳簿のみの記載で仕入税額控除を認めているケースがあります。


適格請求書が免除される特例の条件は、次のとおりです。


●1回の利用料が3万円未満の公共交通機関による旅客の運送
●卸売市場における出荷者の生鮮食料品の販売
●農業協同組合や漁業協同組合、森林組合に委託による生産者の農林水産物の販売
●3万円未満の自動販売機・自動サービス機での商品の販売
●郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス


上記の取り引きでは、領収書やレシートを受け取らなくても仕入税額控除の処理をおこなえます。


参考:消費税の軽減税率制度・適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)|国税庁


経費処理の手間が増える

インボイス制度が開始されると、次のような項目により経費処理の手間が増えます。


●適格請求書の内容が正しいか受領時に確認しなければならない
●適格請求書とそれ以外の領収書やレシートを分ければならない
●適格請求書を紙ベース・電子ベースで分けて保存しなければならない


インボイス制度が始まると、さまざまな手間がかかります。


インボイス制度について正確な知識がないと、処理のミスが起きて手間がよりいっそう増加してしまう可能性もあります。


インボイス制度に対応するには、経費精算システムの導入がおすすめです。


インボイス制度に対応した経費精算システムであれば、次のような手間をカットできます。


●支払先の登録番号を自動で確認できる
●経過措置を考慮した仕訳が自動でできる
●電子帳簿保存法にも対応している


経費精算システムによってできる作業は異なりますが、上記のような作業ができます。


経費精算システムを導入するときには、インボイス制度により発生する手間を抑えられるかを確認して選択しましょう。


インボイス制度開始後の経費に関してよくある質問

インボイス制度開始後の経費に関してよくある質問は、次のとおりです。


●インボイス制度で領収書がない場合どうなりますか?
●自社は免税事業者なのですが経費精算に変更はありますか?
●従業員名が記載された領収書はインボイスに対応していますか?


インボイス制度開始後の経費に関してよくある質問に回答していきます。


インボイス制度で領収書がない場合どうなりますか?

インボイス制度で領収書がない場合は、消費税の仕入税額控除を利用できません。


受け取る領収書やレシートは、適格請求書発行事業者が発行したもので適格請求書の内容を満たしていなければいけません。


仕入税額控除を利用する場合には「適格請求書発行事業者かどうか」「適格請求書の内容は適正かどうか」を確認しておく必要があります。


なお、適格請求書がなくても、帳簿を付けるだけで仕入税額控除が認められる例外規定もあることには注意しましょう。


自社は免税事業者なのですが経費精算に変更はありますか?

自社が免税事業者の場合、インボイスによる経費精算に変更はありません。


免税事業者は消費税の納税が免除されており、仕入税額控除ができないからです。


消費税が免税されているのであれば、取引先が適格請求書発行事業者であるかどうか、適格請求書の内容が正しいかどうかなど確認する必要はありません。


ただし、自社が免税事業者のままでいると、取引先が仕入税額控除を利用できなくなることは留意しておきましょう。


従業員名が記載された領収書はインボイスに対応していますか?

従業員名だけが記載された領収書は、インボイス制度に対応していません。


インボイス制度に対応している適格請求書に記載すべき事項として「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」があります。


領収書を受け取る側の企業名が記載されていない領収書は、適格請求書ではありません。


従業員名だけしか記載されていない場合は、企業名が書かれた立替精算書の作成が必要です。


取引先から企業名が書かれた立替精算書を受領し、従業員名だけの領収書とあわせて保管することで仕入税額控除が認められます。


なお、企業名と従業員名が併記してある領収書であれば、インボイス制度に対応しています。


簡易適格請求書には事業者名を記載しなくてよいため、適格請求書のみに該当する内容です。


インボイス制度が経費に与える影響を理解しておこう

経費精算はインボイス制度に影響をうけるため、基礎知識の理解が不可欠です。


基礎知識を理解することで経費精算業務がスムーズに進みます。


インボイス制度の基礎知識として必要な項目は、次のとおりです。


●インボイス制度の内容と経過措置を理解する
●インボイス制度が経費精算に与える影響を把握する
●適格請求書の記載事項を確認する
●適格請求書の注意点に留意する


このようにインボイス制度が開始されたときには、多くの項目を理解し事務処理をする必要があり、負担が大きくなります。


しかし、インボイス制度に対応した経費精算システムを導入すれば、事務処理の手間を減らすことが可能です。


Manegyでは、経費精算システムに関連する資料をまとめて請求できるサービスを提供しています。


経費精算システムを利用し、インボイス制度が開始された後の負担を減らしたいと考えている方はぜひご利用ください。


資料請求をして、自社に合ったインボイス制度対応の経費精算システムを探してみてはいかがでしょうか。


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