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請求書の発行は、個人事業主やフリーランスの方、企業の経理を担当している方にとっては身近な業務です。
会計処理の上でも重要な役割の書類なため、ルールを守って発行する必要があります。
しかし、以下のような悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
「どのタイミングで発行すればよいのか」
「記載ルールがわからない」
「作成にかける手間やコストをかけたくない」
この記事では、請求書の発行タイミングや記載方法、トラブルが起こった際の対処法を詳しく解説します。
請求書作成に関する基本的なルールを理解することで、効率的に正確な請求書が発行できるようになりますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次【本記事の内容】
請求書に発行義務はありません。
しかし、請求書の発行はビジネスにおいて重要な役割を持っており、義務がなくても発行する必要があります。
主な理由は以下の2点です。
●トラブルを回避するため
●消費税の仕入税額控除を受けるため
請求書を発行することで、取引先との認識違いによって起こるトラブルを回避できます。
請求書には以下の項目をを記載します。
●サービス内容
●商品の詳細
●数量
●単価
●合計金額
商品やサービスの金額を書面で残せるため、双方の認識の違いを防ぎ、取引の証拠として利用できます。
また、請求書は消費税の仕入税額控除を受けるためにも必要な書類です。
仕入税額控除とは、消費税を計算する際に課税仕入れにかかる消費税を差し引く仕組みです。生産や流通の取引で消費税が二重にかからないために必要とされています。
消費税法で仕入税額控除には請求書が必要であると定められています。
たとえば、自社から税抜き100万円分の仕入れをしている取引先が、その商品を税抜き120万円で販売している場合、売上時にかかる消費税は本来12万円となります(税率10%の場合)。
しかし、仕入税額控除が適用されている場合、自社の仕入れにすでにかかっている10万円を差し引きできるため、2万円で済むのです。
請求書が発行されないと、控除が使えず、取引先は二重に消費税が発生するため、利益が落ちてしまいます。
取引先に迷惑をかけないためにも、請求書を発行するようにしましょう。
なお、請求書に関わる法律については、以下の記事で紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。
請求書は、商品やサービスの対価を請求する書類であるため、原則、商品の納品後やサービスの提供後に発行します。
具体的な発行のタイミングについて厳密なルールが定められているわけではありませんが、「都度方式」か「掛売方式」のどちらかが主流です。
それぞれの違いは以下のとおりです。
●都度方式:商品の納品やサービスの提供が完了するタイミングで発行する方式
●掛売方式:締め日にまとめて1ヶ月分の請求書を発行する方式
それぞれの方式について解説していきますので、自社に合った方式を取り入れられるよう、ぜひ参考にしてみてください。
都度方式は、商品の納品やサービスの提供が完了するたびに請求書を発行する方式です。
取引が完了し次第、請求書を発行するため、請求漏れを防げるメリットがあります。
取引をはじめたばかりの場合や、単発的な取引の場合に使用されることが多いです。
しかし、取引の旅に請求書を発行しなくてはならないため、請求書発行業務の負担がかかってしまいます。
継続的な取引が見込めるようになった段階で、掛売方式への移行を検討することをおすすめします。
掛売り方式は、期間内の取引をまとめて請求する方式です。
多くの場合、20日や25日、月末などに締日を設け、締め日を過ぎたタイミングで1ヶ月分の請求書をまとめて送付します。
都度方式と違い、請求書の発行業務が1ヶ月に一度で済むため、業務負担を減らせる点がメリットです。
しかし、支払い遅れや貸し倒れが生じるというデメリットも存在します。
取引先の業績不振やトラブルがきっかけで、期日通りに請求金額が払われない危険性も考えられます。
信頼関係が構築されるまでは都度方式で請求する方が安心です。
請求書の「発行日」や「支払日」の設定の仕方について解説していきます。
まず、発行日の場合は「実際に取引が行われた日」を記載します。
請求書は、代金やサービスの対価を請求する文書です。
取引が行われる前に日付を設定してしまうと、不正な文書を疑われてしまうかもしれません。
ただし、実際に取引が行われた日については、取引先と定めている請求方式によっても発行日は変わるため注意が必要です。
具体的には以下のとおりです。
自社が各取引先とどちらの方式で取引をしているかの確認が必要です。
支払日は「給付を受領した日から60日以内で、かつできるだけ短い期間内」に支払うことが義務付けられています。
掛売方式の場合は、各取引先の支払いサイトによっても支払日が異なるため、作成時に確認しましょう。
請求書発行については、以下の2つのポイントに注意しましょう。
●インボイス制度に対応できるようにする
●請求書の控えは必ず保存しておく
上記のポイントは現時点で問題がなくても、後々トラブルになる可能性があります。
以下を読むことでトラブルの防止につなげられますので、ぜひお読みください。
インボイス制度(適格請求書保存方式)に伴い、請求書に必要な記載項目が増えます。
現在使用している請求書のフォーマットでは、インボイス制度に対応できない可能性があるのです。
具体的には以下の3つの項目を追加する必要があります。
●登録番号
●適用税率
●消費税額
上記の項目の記載がない場合、取引先は、仕入税額控除を受けられなくなります。
取引先からの値下げや取引の中止という事態も考えられます。
請求書の控えは「取引証憑書類」として保存義務が発生します。
起算日は確定申告書の提出期限の翌日です。
2023年度に発行した請求書の控えは、提出期限である2024年3月15日の翌日2024年3月16日から数えましょう。
保存期間は、法人と個人事業主・フリーランスの場合で異なります。
法人の場合は7年、個人事業主やフリーランスの場合は5年の保存期間が必要です。
また、それぞれ保存期間が延長となる条件があります。
欠損金繰越控除を受けている法人は10年、消費税の課税事業者となっている個人事業主・フリーランスは7年まで保存期間が延長となります。
それぞれ条件によって保存年数が異なる点に注意しましょう。
取引先の事情により、請求書が届かない場合でも、先方の支払い義務が無くなるわけではありません。
しかし、請求書が届かないと、仕入税額控除を利用できなくなってしまいます。
請求書が届かない場合は、以下の対処法を取りましょう。
●取引先に発行を依頼する
●代わりとなる書類で内容を証明する
請求書が発行されなくて困っている方は、ぜひ以下を読んで取り組んでみてください。
取引先からの請求書が届かない場合、まずはメールや電話などで連絡を取りましょう。
先方の担当者が忘れているケースや、請求書の発行システムにトラブルが起こっているケースが考えられるためです。
他にも、郵送や通信のトラブルなど、取引先に非がない可能性もあります。
連絡を取る際は、圧力をかけたり問いただすのではなく「請求書の発行をお願いする」というスタンスを取りましょう。
連絡を取り、発送する旨を確認できたら、いつ到着する予定かも忘れずに確認することをおすすめします。
到着予定を確認しておかないと、自社の業務に遅れが生じる可能性があるためです。
社内の都合上、急ぎで請求書が必要な場合は、PDFのような電子データを送付してもらうのもひとつの手です。
取引先と連絡がつかない場合は、請求書以外の書類で取引内容を証明できます。
代表的なのは領収書です。
領収書は請求書と同様に、取引の証拠として法的効力を持ちます。
事前に請求書が発行されない場合は、領収書をもらうようにしましょう。
また、銀行振込も有効な手段となります。
銀行振込で支払いをした場合は、振込明細書や通帳のデータが取引を証明する書類となります。
上記の方法で取引の証明はできますが、以降も連絡が取れない場合は、取引中止の検討も必要です。
請求書発行に関するよくある質問にお答えしていきます。
●請求書の発行日が未来の日付でもいい?
●請求書の発行日は「記載なし」でもいい?
●請求書を再発行する際の日付はどうしたらいい?
それぞれ詳しくお答えしますので、上記の疑問をもっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
請求書の発行日は「発行した日付」にするのが基本です。
基本的には作成日ではなく発行日を記載するようにしましょう。
しかし、出張の予定が入り、締め日を過ぎてもしばらく請求書を作成できないこともあります。
発行業務が遅れてしまいそうな場合は、事前に請求書を作成し、日付を発行日当日に合わせておきましょう。
発送については同僚に依頼したり、日付指定で郵送したりすれば安心です。
ただし、未納品の商品がある場合や未完了のサービスがあるにもかかわらず、見込みで請求書を発行するのは、トラブルのもとになります。
翌月に納品予定だった商品が前倒しで届いたり、今月に納品予定だった商品が来月へ後ろ倒しになったりして、請求金額に変更が生じる場合があるためです。
急な予定変更に対応するためにも、できるだけ締め日を過ぎてから発行しましょう。
請求書の発行日は必ず記載する必要があります。
請求書に日付の記載がない場合は、架空請求の疑いがかけられる可能性も考えられます。
税務調査が入った際に、取引先にあらぬ疑いをかけてしまうことにつながりかねません。
ただし、何かしらの事情で日付の無い請求書を作成しなければならない場合は、別途書面で詳細を定めておきましょう。
書面で詳細を定めておくことで、記載のない理由を説明できるため、税務署とのトラブル防止につながります。
請求書を再発行する場合には、発行した請求書に「再発行」と記載する必要があります。
再発行の記載がないと、同じ内容の請求書が2枚存在することとなり、税務調査の際に架空請求を疑われてしまうためです。
また、はじめて請求書を作成した日付と再発行した日付が変わっていても、請求書の日付の変更は必要ありません。
請求書の発行日は「実際に取引が行われた日付」の記載が基本となるためです。
再発行と記載するだけでいいと言っても、余計な手間がかかってしまいます。
取引内容について事前に確認し、できるだけ再発行が生じないように努めましょう。
請求書発行のタイミングは、原則「商品の納品後やサービスの提供後」です。
提供前の発行になってしまうと、急な変更に対応できずにトラブルが生じてしまいます。
発行日や支払日についても、法律を理解して適切な記載を心がけましょう。
また、請求書に発行義務はありませんが、トラブルを防いだり仕入税額控除を活用するためにも、発行する必要があります。
請求書の発行で注意しておきたいポイントや、請求書が発行されない場合の対処法を知っておくことで、トラブルが起こった際にも対応しやすくなります。
ただし、いくら気を付けて発行しても、人間が作っている以上請求書発行に関するミスは出てきてしまいます。
ヒューマンエラーを最小限に抑えるために、請求書発行システムの導入を検討しましょう。
請求書の発行の手間やコストを浮かせられ、他の業務にリソースを避けるようになります。
マネジーでは請求書発行システムの資料を無料で提供しています。以下から請求できますので、導入を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。
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