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個人情報保護委員会「個人データの取扱いに関する責任者・責任部署の設置に関する事例集」の概要を解説

公開日2024/02/21 更新日2024/02/20


個人情報保護委員会は、「個人データの取扱いに関する責任者・責任部署の設置に関する事例集」(事業者向け)を公開しています。 上記の文書では、データガバナンス体制を強化するため、事業者が内部に個人データの取扱いに関する責任者を設置することの重要性を述べつつ、いくつかの具体的な事例を紹介しており、担当者にとって参考になる内容です。

今回は、「個人データの取扱いに関する責任者・責任部署の設置に関する事例集」の概要とポイントを解説します。

データガバナンスとは

データガバナンスとは、組織内で生成・保管・利用されるデータを、安全かつ効率的に利用するための概念です。


データを安全かつ効率的に活用できるとどのようなメリットがあるかというと、まず迅速かつ正確な意思決定が実現するという点があげられます。たとえば、顧客データの保管や利用について明確にルールが定められていれば、マーケティング施策やコスト配分などの最適化に役立ちます。


もう1つのメリットが、セキュリティポリシーの策定によって、コンプライアンス違反を防げることです。コンプライアンスとは本来「法令遵守」を意味する単語ですが、ただ法律を守るだけでなく、企業倫理に沿って公正・公平に業務を行うといったニュアンスも含まれています。


昨今では、ソーシャルメディアなどを通じて、企業が炎上するケースも少なくありません。データガバナンスを徹底する、つまりセキュリティポリシーの軸に沿って業務を行うことで、さまざまなトラブルの回避につながると考えられます。

「個人データの取扱いに関する責任者・責任部署の設置に関する事例集」とは

「個人データの取扱いに関する責任者・責任部署の設置に関する事例集」において、責任者は以下のような役割をもつとされています。


①事業部門からの相談への対応や助言
②データ保護・プライバシー保護の観点からの事業評価(PIAなど)
③データ保護・プライバシーに関わる施策・基準・規定等の策定・導入
④データの取扱状況の棚卸しとリスク評価
⑤外部の専門家や経営層との相談・意見交換
⑥社内教育


上記の通り、責任者の役割は、リスクマネジメントやコンプライアンス、プライバシー保護など、さまざまな分野に対応しています。このような広範な業務を責任者だけでこなすのは難しいため、責任者を支える部署(責任部署)を設置するパターンが多いようです。

責任者・責任部署を設置するメリット

個人データの取扱いに関する責任者・責任部署の設置は、組織におけるデータ管理とプライバシー保護の質を大幅に向上させられます。たとえば、責任者や部署が設置されることで、データ保護とプライバシー保護に関する取り組みが、組織的かつ計画的に行われるようになるでしょう。これにより、データの安全性が担保され、業務上のリスクが軽減されます。


社内の相談窓口が明確になるのも、責任者や責任部署を設置するメリットです。たとえば、個人データの取扱いに関する疑問や問題が生じた際、社員が相談できる明確な窓口が存在していることで、スムーズかつ適切な対応ができます。


責任者や責任部署による社内教育を通して、社内全体のデータ保護・プライバシー保護に関する意識の向上や、個人情報の取扱いのルールなどの見直しができるのも重要なポイントです。とくに昨今では、一従業員のデータの取扱いがきっかけで社会問題になるケースも散見される、社内全体でプライバシーに関する意識を高める重要性はかなり高いといえるでしょう。


責任者や責任部署の設置は、経営層との関わりにおいてもメリットがあります。責任者・責任部署は、事業部門とは異なる視点からデータ保護の問題を評価し、経営層に対して戦略的な助言・報告が可能です。組織の意思決定がデータ保護の観点からも強化されるため、データドリブン経営が実現します。

「個人データの取扱いに関する責任者・責任部署の設置に関する事例集」のポイント

「個人データの取扱いに関する責任者・責任部署の設置に関する事例集」を理解する上で意識したいポイントは、企業によって責任者・責任部署の設置構造が異なる点です。たとえば事例として挙げられている企業は、以下の3つが基本要素になっています。


・責任者
・責任部署
・事業部門


責任者が責任部署に対して監督や助言を行い、さらに実際の業務を事業部門が担当するという構造です。責任部署については、新設する企業もあれば、法務部などの既存の部署が対応する場合もあります。自社の事情に合わせて調整するとよいでしょう。


また、挙げられている事例には、弁護士などの外部有識者に助言や実行支援を依頼している企業もあります。データガバナンス体制を強化するため、こうした専門家の力を借りるのも検討するとよいかもしれません。

まとめ

昨今ではAIが発展し、企業がビッグデータを活用できる余地も広がってきました。人・モノ・カネに加えて、「情報」(データ)の重要性は、これからもますます大きくなってくるでしょう。


健全なデータガバナンス体制を構築するためにも、他社の事例を参考にできる「個人データの取扱いに関する責任者・責任部署の設置に関する事例集」は、極めて有用な情報といえるでしょう。必要に応じて、活用を検討してみてください。

参考:個人データの取扱いに関する責任者・責任部署の設置に関する事例集


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