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日本の大手製薬会社である大塚製薬が、2024年1月1日から従業員対象の新制度として「セルフケア休暇」を導入し話題を呼んでいます。
企業がこうした休暇制度の導入を検討する上で、「D&I」(ダイバーシティ&インクルージョン)の理解がカギになります。今回の記事では、大塚製薬のセルフケア休暇制度導入のポイントや、人事担当者が知っておきたいダイバーシティ&インクルージョンの概念について詳しく解説します。
今回、大塚製薬で導入されたセルフケア休暇とは、性別を問わず不妊治療や更年期治療、性別適合手術やホルモン治療などを受診する場合に、年5日まで利用できる休暇制度です。
大塚製薬には積立有給休暇制度があり、以前から不妊治療や更年期障害の治療時に利用できました。今回の新制度導入ではすべての社員が利用しやすくなるように、理由を明確にしなくても「生理休暇」や「セルフケア休暇」を取得したいときに積立有給休暇を利用することが可能になりました。
セルフケア休暇の導入する上で理解しておきたいのが、大塚製薬の経営戦略の1つである「D&I」(ダイバーシティ&インクルージョン)です。
ダイバーシティ(多様性):ダイバーシティとは、国籍、性別、性的指向、年齢、宗教、障がい、などのさまざまな違いを持つ人々がひとつの組織に所属している状態のことです。
インクルージョン(包摂性):インクルージョンは、個々人の属性や特性にかかわらず、互いに受け入れられ、一体感を持って組織に貢献できる状態のことを指しています。
ダイバーシティは「多様性を認識すること」、インクルージョンは「そうした人々を認識し、受け入れること」に焦点を当てた概念です。大塚製薬は、このD&Iを重要な経営戦略の1つとして位置付けています。
2019年に経済産業省は、多様性により人材の能力を最大限に引き出す「ダイバーシティ2.0」という取り組みを策定しましたが、大塚製薬はそれより10年以上前にあたる2007年には、「ダイバーシティ推進プロジェクト(現:ダイバーシティ&インクルージョン推進プロジェクト)」を発表していました。
このように大塚製薬は女性の活躍推進や男性の育児参加促進、グローバル人材の活用など多様な人材が活躍できるような施策を積極的で、子育てをしながら安心して働ける環境作りの一環として設けられた「ビーンスターク保育園」や、無意識の偏見への気づきに焦点を当てた「アンコンシャスバイアス研修」など、D&Iを体現するための様々な取り組みを行っています。
では、なぜD&Iは企業にとって重要なのでしょうか。人事担当者が知っておきたい主な3つの理由について説明します。
企業がD&Iを推進するべき第一の理由は、組織の多様性がイノベーション創出の源泉となるからです。様々なバックグラウンドや視点をもった人々が集まり、組織の多様性が高まるほど、これまでにないアイデアが生まれる可能性があります。国際競争が厳しさを増す中、国内企業には新しいアイデアやソリューションの創出を通じて、競争優位性を確保していくことが求められており、組織に多様性を確保していくことは一層重要になっています。
D&I推進には、従業員の満足度とエンゲージメント向上というメリットもあります。D&Iを意識した職場環境を整えることで従業員が「自分の能力を活かせている」「居心地がいい」と感じることができると、満足度やエンゲージメントが向上し、組織の生産性は高くなります。
また離職率の低下・人材定着という観点でも、D&Iは重要です。職場での差別やハラスメントを許さない職場環境づくりは、離職率低下の一因になるでしょう。ハラスメントは悪意によって行われることもありますが、「無意識の偏見」によってもたらされるケースも少なくありません。こうした問題については、研修を通じて授業員のコンプライアンスに関する意識を高めることで改善できることもあります。
グローバル化の進展により、企業にとって多様な人材を確保する重要性が増しています。そんな中、大塚製薬の「セルフケア休暇」は、D&Iを考える上で参考になる事例といえるでしょう。
本記事で紹介したD&Iの概念を振り返りつつ、社員一人ひとりが受け入れられている安心感を感じられるよう、多様性を重視した人事制度について考え直してみてはいかがでしょうか。
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