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労働者と企業との関わり方が変化する中で、業務に関わるトラブルが拡大し、不当労働行為として救済制度の申し立てに発展するケースが増えています。今回の記事では企業側の観点から、不当労働行為について考察します。
アマゾンジャパンの3次下請けとして働いていた個人事業主らが、一方的に契約を打ち切られたとして、労働組合を通じて1次下請業者に団体交渉を申し込んでいたことが明らかになりました。しかし業者側はこれを拒否し、アマゾンジャパンも対応をしていないということです。
また最近では、ヤマト運輸と個人事業主とのトラブルで、約25,000人が不当な契約終了を告げられたとして、メディアを騒がせたことも記憶に新しいでしょう。こうしたケースでは不当労働行為を訴える個人事業主側が、救済申し立てを行うことができます。労働委員会が申し立てを受理すると、企業側は適切な対応をしなければなりません。
日本国内では労働三権により労働者の権利が保護されており、使用者(企業・個人事業主など)がその権利を侵害することは、不当労働行為として禁止されています。不当労働行為に該当するのは、主に以下の5つのケースです。
●組合活動を理由に不利益な取り扱いをする行為(解雇・異動・賃金問題など)
●組合に加入しないことを雇用条件にする行為(黄犬契約)
●組合との団体交渉を正当な理由なしに拒否する行為
●組合の組織・運営に干渉する行為
●救済申し立てなどを理由に不利益な取り扱いをする行為
これらの行為が認められた場合、労働組合は管轄の労働委員会に救済申し立てを行うことができます。労働委員会は調査や審問を経たのち、不当労働行為と判断すると「救済命令」を出し、該当しないと判断すると「棄却命令」を出します。使用者は救済命令に従わなければならず、場合によっては損害賠償・過料・刑事罰が科される可能性もあります。
前述したトラブル事例では、企業側が労働契約にあたらないとして団体交渉を拒否していますが、働き方の変化とともに法的見解も変わりつつあります。3次下請けの個人事業主であっても、労働契約が認められる可能性もあるのです。結果的に救済命令にまで発展すると、企業のイメージダウンは避けられないでしょう。
それを防ぐためにも企業の法務・人事担当者は、日頃から従業員の雇用状況や下請け業者との関係を把握しておく必要があります。さらに労働組合との関係を良好に保ち、問題が生じた場合は真摯に向き合う姿勢が求められます。不当労働行為に関する知識を深めておくことも重要です。
従業員にやさしい企業という評価も、企業ブランドの強化にとっては重視すべき要素です。反対に不当な雇用条件や下請けいじめなどが明るみに出ると、企業のブランドは大きなダメージを被ります。不当労働行為についても、法務部門を中心に適切な対応策を講じる必要があるでしょう。
■参考サイト
企業間取引での契約トラブルにはどのように対処すべきか
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