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本記事では、世界のビジネスニュースを英語で紹介しております。
ニュースを読んでいただくとともに、英語のキャッチアップにお役立ていただけますと幸いです。
Google、Apple、Netflixなど世界をけん引する巨大IT企業やUber、Airbnbなどの革新的なスタートアップ企業がひしめくシリコンバレーで、そうした企業の重要な資金の供給元として中心的な役目を果たしてきたシリコンバレー銀行(SVB)が2023年3月10日に経営破綻を発表しました。"シリコンバレー・ショック"ともささやかれ、米国銀行業界への影響を懸念する声が上がっています。
We begin with continued coverage of the economy. Yesterday, we brought you all of the news on Silicon Valley Bank. When the bank was shut down by regulators this week, it became the second-biggest bank failure in history in the United States.
継続してお伝えしている経済ニュースから始めます。昨日、皆さんにシリコンバレー銀行(SVB)に関して一連のニュースをお届けしました。今週、同行が規制当局によって閉鎖され、米国で史上2番目に大きな銀行破綻となりました。
Now, here's how it all happened. Last week, SVB announced that it suffered a $1.8 billion loss and that it urgently needed to raise more capital. Well, the news didn't go over well, and SVB ended up losing more than $160 billion.
さて、その経緯の全貌がこちらです。先週、SVBは18億ドルの損失を計上し、さらなる資金を早急に調達しなければならないことを発表しました。そのニュースは好意的に受け取られず、SVBは1600億ドル以上を失う羽目になったのです。
And as stock plummeted, the panicked customers created what's called a bank run, rushing to withdraw their assets. And, well, with so many people tryin' to take all their money out at once, the bank couldn't keep up with demand, and regulators were forced to shut it down.
株価が急落する中、うろたえた顧客は、自分の資産を引き出そうと殺到し、いわゆる取り付け騒ぎを引き起こしました。そして、そう、非常に多くの人が同時に全預金を引き出そうとしたため、銀行は要求に追いつくことができず、規制当局は銀行を閉鎖せざるを得なくなりました。
Silicon Valley Bank's customers withdrew $42 billion from their accounts in a 10-hour span on Thursday. Now, think about this. That would be, like, $4.2 billion per hour, or more than $1 million per second. No wonder the bank couldn't keep up.
木曜日、シリコンバレー銀行の顧客たちは10時間のうちに、口座から420億ドルを引き出しました。さて、考えてみてください。これは、1時間当たり42億ドル、つまり1秒当たり100万ドル以上というペースです。銀行が持ちこたえられなかったのも無理はありません。
We'll hear more, now, on what happened from CNN Business Correspondent Christine Romans.
何が起こったのかについてさらに詳しく、CNNのビジネス担当特派員クリスティーン・ローマンズに伝えてもらいましょう。
* * *
During the Great Depression, thousands of banks failed―9,000, to be exact―taking $7 billion worth of customers' assets with them. That's why the New Deal included laws to insure deposits and boost confidence in financial institutions.
世界大恐慌(1929年~)のときには、何千もの銀行が破綻し――正確には9000行ほどですが――70億ドル相当の顧客の資産がそれとともに消えてしまいました。そのため、ニューディール政策には、預金を保証し、金融機関の信用を高めるための法律が含まれました。
The Federal Deposit Insurance Corporation, the FDIC, was created in 1933, and today covers up to $250,000 per depositor at FDIC-insured banks. Actual bank failures still happen―there were a lot during the Great Financial Crisis in 2008―but in recent years, just a handful every year, and none in 2021 and 2022.
連邦預金保険公社(FDIC)が1933年に設立され、現在FDICの加盟銀行においては預金者一人当たり最大25万ドルまで保証しています。実際の銀行の倒産はそれでもなお起きています――2008年の世界金融危機(リーマンショック)の際には多く見られました――しかし近年は、毎年ほんの一握りで、2021年と2022年には全くありませんでした。
That streak broke in March of 2023. Silicon Valley Bank, a prominent lender to tech start-ups, collapsed after questions about its liquidity started piling up. That caused customers to start withdrawing their money, essentially sparking a run on the bank.
その連続記録は、2023年の3月に破られました。テック系スタートアップ企業への主要な貸出銀行だったシリコンバレー銀行が破綻したのです。それは同行の流動性を巡る疑問が積み重なり始めた後のことでした。 これにより、顧客たちは資産を引き出し始め、実質的に銀行の取り付け騒ぎを引き起こしたのです。
When SVB couldn't raise enough capital to cover customer demand, regulators stepped in and took control of the bank.
SVBが預金者の要求を満たすのに十分な資金を調達できなかったことから、規制当局が介入し、銀行を管理下に置いたのです。
The danger with a bank run is that panic can spread to other banks. It's called contagion. So what starts as a problem at a single bank can quickly turn into a crisis for the entire system.
銀行の取り付け騒ぎに伴う危険性は、そのパニックが他の銀行にも広がりうることです。それは伝染現象と呼ばれています。ですから、一行での問題として始まったことが、すぐさまシステム全体にとっての危機に変わる可能性があるのです。
That's what happened during the Great Financial Crisis in 2008, and it's why the collapse of Silicon Valley Bank, the second-largest US bank failure of all time, has Wall Street on edge.
それが2008年の世界金融危機の際に起こったことであり、だからこそ、米国の銀行破綻として史上2番目に大きなものとなったシリコンバレー銀行の破綻は、ウォール街に緊張をもたらしているのです。
(March 15, 2023)
(訳 足羽万輝子)
(出典: CNN English Express 2023年6月号)
#金融危機 #スタートアップ #シリコンバレー銀行
記事提供元
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