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近年、退職代行サービスが注目を集めています。多忙な現代社会で、退職をスムーズに進めるためのサービスとして広まりましたが、その実態や利用方法についてはあまり知られていません。今回は、退職代行サービスの提供者である東京労働経済組合の長谷川様にインタビューを行い、その実態や背景、さらにはサービスの利用者について詳しく伺いました。
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▼お話を伺った人
東京労働経済組合 執行委員長 長谷川義人様
自分が退職する際に“退職代行サービス”を利用する立場、逆に対応する立場になる可能性がある読者も一定数いるため、双方向から学びに繋がる内容になればと思います。 本日はどうぞよろしくお願いいたします。
ーー:貴組合が運営する「退職代行ガーディアン」というサービスというのは月にどのくらいの人が利用されているのでしょうか?
長谷川さん:月に約1,000人〜1,500人ほどのご相談を受けており、そのうち約半分が実際に退職代行を利用されています。相談件数は月ごとに波がありますが、全体として安定したニーズがあります。
2023年の夏頃から退職代行サービスがテレビなど数多くのメディアに取り上げられたことで、「退職代行」というサービス自体の認知度は確実に上がったかと思います。ただ、我々としては、それによって急激に利用者が増えたという実感はあまりありません。むしろ、一定のニーズが続いているという感じです。
ーー:民間へ相談に行く方と貴組合のような労働組合に相談に来る方でちょっと特色違うなどございましたら教えてください。「民間」「労働組合」「弁護士」と大きく3つの退職代行サービスがあるかと思いますが「交渉」に重きを置いて探されている方は、どのようなニーズを求めてらっしゃいますか?
※民間退職代行サービスは比較的安価ですが、退職日など代理交渉する法的権限がありません。労働組合による退職代行は、労働者の権利を守りつつ会社と交渉する力がありますが、実態の無い"自称"労働組合が多いので注意が必要です。弁護士による退職代行は法的な問題に対処でき、会社が退職を拒否する場合でも対応可能ですが、費用が高額で依頼手続きに時間が掛かる場合が多いです。
長谷川さん:4年前に我々がサービスを始めた頃よりも退職代行サービスの理解度は進んだと思いますが、“労働組合”という存在を知らない方が多い印象があります。民間・労働組合・弁護士と退職代行にも様々な種類があるということを知らないまま、値段とか知名度、HPの見やすさなどで依頼先を選んでしまう方もいらっしゃいます。
まず前提として、民間の退職代行サービスは企業との「交渉」ができません。 しかし、利用者の中には有給消化や給与の未払いに対する交渉だけでなく、退職日を決めるやり取りも交渉に該当することを知らない方もいます。
そのため、これを知らずに民間の退職代行サービスに依頼してしまうと、結果として属していた企業と直接「退職日はいつにするのか?」という話し合いになることもあります。 特に知識のある企業では、退職交渉がうまく進まず、退職が阻止されるトラブルが発生することもあります。このような場合、弊社にご相談いただくケースもあります。
ーー:企業側が退職代行サービスを撃退するケースもあるんですね
長谷川さん:ここ3〜4年の間で、知識を付けた企業様が増えたというのもあり、ちゃんと分かっている場合であれば、そういう退職代行業者を撃退したりすることもあります。
ーー:どのような方が退職代行を利用されるのでしょうか?
長谷川さん:利用者の性別比は60%が男性、40%が女性です。年代としては、20代後半から30代が多いですね。特に入社後すぐに退職を希望する方も多いですが、2〜30年働かれている方など幅広いです。
退職代行を利用する理由も様々で、仕事環境に問題がある場合もあれば、個人的な事情で退職せざるを得ない場合もあります。
ーー:職種による違いはありますか?
長谷川さん:介護、看護、保育といった重労働ながら賃金が低く、長時間労働が一般的な職種では、退職代行の利用が特に多いです。また、歯科医院などの個人経営のクリニックでも多く利用されています。共通していることでは、特定の個人が強い権力を持っていることが多く、労働環境が厳しい場合が多いです。さらに、運送業や建設業など、過酷な労働条件の中で働く方からも利用する傾向にあります。
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