公開日 /-create_datetime-/
人事労務の業務効率化するホワイトペーパーを無料プレゼント
チェックしておきたい法令関連の情報やノウハウやヒントなど業務に役立つ情報をわかりやすくまとめた資料をご紹介します。全て無料でダウンロード可能ですので、是非ご活用ください。
この記事の筆者
上見 知也
イデアル社会保険労務士事務所
社会保険労務士
IT業界に10年間身を置き、Webサイトの制作者としてチームリーダー等を経験。社労士試験合格後、社会保険労務士法人、一般企業の人事・労務部門での勤務を経て、2023年に独立開業。
主に中小企業の人事労務面のサポートを行っている。
「中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法」を前身とする「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)」が昭和61年に制定されました。その後、改正が重ねられ、直近では令和3年4月1日から高年齢者雇用安定法の改正により、70歳までの就業確保措置が事業主の努力義務として設けられました。
高年齢者雇用安定法は、わが国の高齢化の進展、定年制度の変容、年金制度の改正などの影響を受け、下記の改正が進められてきました。
昭和61年 高年齢者雇用安定法が制定され、60歳定年が努力義務(昭和61年10月1日施行)
平成2年 65歳までの再雇用が努力義務(平成2年10月1日施行)
平成6年 60歳定年の義務化(平成10年4月1日施行)
平成16年 65歳までの高年齢者雇用確保措置の義務化(継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みとし、義務化年齢を平成25年度までに段階的に引き上げ)
平成24年 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの段階的廃止(経過措置により平成25年4月から令和7年3月まで)
令和2年 70歳までの高年齢者就業確保措置の努力義務化(令和3年4月1日施行)
出典:大阪労働局職業安定部職業対策課「高年齢者雇用安定法 改正の概要」動画内資料
平成25年4月から継続雇用制度の対象者を労使協定で限定できる仕組みが廃止されたことにより、事業主が高年齢者雇用確保措置として継続雇用制度を導入する場合、原則、希望者全員が対象となりました。
ただし、改正高年齢者雇用安定法が施行される平成25年3月31日まで労使協定により継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めていた事業主は、経過措置として、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢以上の年齢の者について継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めることが認められています。
なお、心身の故障のため業務に堪えられないと認められること、勤務状況が著しく不良で引き続き従業員としての職責を果たし得ないこと等就業規則に定める解雇事由又は退職事由(年齢に係るものを除く。)に該当する場合には、継続雇用しないことができます。ただし、継続雇用しないことについては、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であることが求められる点にご留意ください。
継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止の経過措置について、この仕組みの対象者となる下限の年齢を厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢の引き上げスケジュールにあわせ、令和7年4月までに段階的に引き上げることとされています。年金の支給開始年齢の引き上げスケジュールは男女で異なり女性は5年遅れとなっていますが、経過措置の対象年齢については男女で異なるものではなく同一となっています。
出典:厚生労働省 高年齢者雇用確保措置の経過措置の終了(2025年3月31日)
上述した経過措置が令和7年3月31日をもって終了するため、令和7年4月1日からの雇用確保措置における65歳までの継続雇用制度は希望者全員が対象となります。
定年年齢については、高年齢雇用安定法8条で定められている「定年は、60歳を下回ることができない」まま変更はありません。令和7年4月1日以降は、高年齢者雇用確保措置として、以下のいずれかの措置を講じる必要があります。
・定年制の廃止
・65歳までの定年の引き上げ
・希望者全員の65歳までの継続雇用制度の導入(経過措置は終了)
令和5年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果(令和5年6月1日時点)によると、高年齢者雇用確保措置の措置内容別の内訳では、継続雇用制度を導入している企業において、従業員数301人以上の企業ではおよそ80%、従業員数21人~300人の企業ではおよそ70%となっています。
継続雇用制度の内訳として、経過措置に基づく基準対象者とする継続雇用制度を導入している企業は、従業員数301人以上の企業では31.9%、従業員数21人~300人の企業では13.9%となっています。
出典:厚生労働省 令和5年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します
上述の通り、令和7年4月1日以降に影響を受けるのは、労使協定により選定基準を定め、経過措置が令和7年3月31日に終了する企業となります。
経過措置終了後には希望者全員について65歳まで継続雇用する措置を講じることとなるため、経過措置終了に伴い、就業規則の変更が必要になる場合があります。また、定年延長、定年再雇用後の継続雇用延長を検討しているなら、自社の経営にどれほどの影響があるか長期的な視点で検討し、制度設計をしていく必要があります。
少子高齢化が急速に進展し人口が減少する中で、経済社会の活力を維持するため、働く意欲がある高年齢者がその能力を十分に発揮できるよう、高年齢者が活躍できる環境の整備を目的として、高年齢者雇用安定法が改正され、令和3年4月1日から施行されています。 65歳までの雇用確保措置に加え、70歳までの就業機会の確保が努力義務となり、以下のいずれかの措置を講ずるよう努めることとされています。
①70歳までの定年の引き上げ
②定年制の廃止
③70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
(特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものを含む)
④70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
⑤70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業
令和3年4月から施行された改正高年齢者雇用安定法は、個々の労働者の多様な特性やニーズを踏まえ、70歳までの就業機会の確保について、多様な選択肢を法制度上整え、事業主としていずれかの措置を制度化する努力義務を設けるものであり、70歳までの定年年齢の引き上げを義務付けるものではありません。
その他、高年齢者が離職する際に事業主が講ずべき措置等についても改正されており、各事業主において、70歳までの高年齢者の離職について留意が必要となります。
出典:厚生労働省 パンフレット(詳細版)高年齢者雇用安定法の改正の概要
活用できる助成金等を紹介します。
①65歳超雇用推進助成金
65歳以上への定年引き上げ等や高年齢者の雇用管理制度の整備等、高年齢の有期契約労働者を無期雇用に転換する措置を講じる場合に助成されます。
65歳超雇用推進助成金の詳細はこちら
②エイジフレンドリー補助金
⾼齢者を含む労働者が安⼼して安全に働くことができるよう、中小企業事業者による高年齢労働者の労働災害防止対策、労働者の転倒や腰痛を予防するための専門家による運動指導等、コラボヘルス等の労働者の健康保持増進のための取組に対して補助が行われます。
エイジフレンドリー補助金の詳細はこちら
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構にて、定年引き上げ、継続雇用延長や、高年齢者の雇用を進めていくため、取り組み事例や啓発誌等の各種情報が提供されていますのでご活用ください。
・70歳雇用推進マニュアル
・先進企業の取り組み事例
・産業別の取り組み事例
・啓発誌「エルダー」
「高年齢者雇用安定法 経過措置の終了により65歳までの雇用確保が義務化(令和7年4月)」に関して解説しました。
高年齢者雇用安定法はわが国の高齢化の進展、定年制度の変容、年金制度の改正などの影響を受け、改正が進められてきました。人生100年時代を迎える中、働く意欲がある高年齢者が十分に能力を発揮し、活躍できる環境整備を行っていくことが重要となるため、今後も法改正がされていくと考えられます。
【筆者のご案内】
イデアル社会保険労務士事務所
社会保険労務士 上見知也
【参考】
厚生労働省 高年齢者雇用・就業対策
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/index.html
厚生労働省 高年齢者雇用安定法Q&A(高年齢者雇用確保措置関係)
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/kourei2/qa/dl/qa.pdf
厚生労働省 令和5年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します
https://www.mhlw.go.jp/content/11703000/001191169.pdf
大阪労働局 高年齢者雇用安定法 改正の概要
https://www.youtube.com/watch?v=vyAGdfI-wFc
サーベイツールを徹底比較!
食の福利厚生【OFFICE DE YASAI 】
オフィスステーション導入事例集
Docusign CLM 導入事例(ウーブン・バイ・トヨタ株式会社)
中堅大企業のための人事給与アウトソーシング導入チェックポイント
思い返すと……職場のあの一言、あれはセクハラだった? 男女の認識に大きなズレ 民間調査
【カスハラ】被害経験者はおよそ3割、“一人で対応”せざるを得ないケースも…。企業に望む対策のトップは「基本方針の公表」に
育児介護休業法の改正について(柔軟な働き方の拡大)
キャリアプランの答え方【面接対策】転職のプロが教える例文付
【PR TIMES審査レポート2024】詳細な解説と企業に求められるポイント
社印・社判を必要とする文書の電子化
契約不適合責任とは?売買契約書で 注意すべきポイントについて
業務委託契約の基本がわかるハンドブック
マンガでわかる!契約業務の課題と解決策 〜解決のカギはCLMにあり〜
電子署名の適法性 ~日本の裁判手続きにおける電子署名の有効性~
アルムナイネットワークを構築している企業は1割。OB会の開催や定期的な情報発信などを実施。
AI未導入の企業必見!生成AIの導入がもたらす変革とその効果
「103万円の壁」について企業の9割が“見直し賛成”。「働き控え解消」や「責任ある仕事を任せられる」など期待の声も
ストックオプション導入企業に転職するメリットは?リスクと注意点も解説!
11月の完全失業率は2.5% 総務省統計局が発表
公開日 /-create_datetime-/