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企業が自主的に上場廃止を決定した場合、どのようなメリットとデメリットがあるのか?

公開日2024/09/03 更新日2024/09/13 ブックマーク数2

企業が自主的に上場廃止を決定した場合、どのようなメリットとデメリットがあるのか?

2024年7月24日、大手コンビニチェーンのローソンは、東京証券取引所プライム市場において上場廃止となりました。経営が深刻な状況に行き詰まっているという事実もないようですが、いったローソンに何があったのでしょうか?

そもそも上場とは?

上場企業とは優良企業というイメージがありますが、実際には自社の株式を証券取引所で売買できる企業のことです。上場すると多くの投資家が株式を購入でき、そのぶん企業も多くの資金調達が可能になります。

国内企業は東京証券取引所に上場することが一般的で、それぞれの基準を満たせば、プライム・スタンダード・グロースという3つの市場に上場できます。上場基準には、規模や売上高、経営・財務状況などの厳格な規定があるため、上場企業は優良経営企業とも見なされるのです。

上場廃止に至るケースと目的

過去に上場廃止に至った企業は、経営が悪化して破綻に追い込まれたり、上場基準を満たせなくなったりするケースがほとんどでした。ところが現在は経営戦略の一環として、自主的に上場を廃止する事例が出てきました。

ローソンの場合はTOB(株式公開買付)により、KDDIが新たな大株主になることで、将来を見すえた経営改善を進める狙いがあるといわれています。ほかにも各業界の大手企業が、MBO(自社買収)によって上場廃止に至った事例も多数あります。

いずれの場合も、上場企業のメリットと上場廃止のメリットを比較したうえで、今後の経営計画と事業発展を視野に上場廃止に至ったと考えられます。事業規模を拡大するためには上場が必要という概念は、もはや崩れつつあるのかもしれません。

上場廃止を実行するメリットとは?

企業が上場する目的は、第一に資金を集めやすくするためです。また上場は社会的信用の向上につながるメリットがあり、最近では株式の時価総額などのように、企業価値の判断基準にも利用されています。

こうした利点を失うことはデメリットといえますが、逆に上場廃止で得られるメリットがあります。それは経営の自由度が高まることです。これは、企業経営が徐々に変化していることと関係があるのかもしれません。

近年は「モノいう株主」の影響力が問題視されているように、株主が企業経営に与える影響が強まっています。企業にとっては大胆な戦略がとりにくくなり、迅速な意思決定ができなくなるリスクがあります。上場廃止という判断により、こうした圧力から解放されて、経営のフットワークが軽くなるというメリットがあるのです。

上場廃止までの流れ

自主的に上場廃止する企業は、まず臨時株主総会を開催して株主の賛同を得なければなりません。そこで承認されたら、証券取引所に上場廃止の申請をして、審査と承認を受ける必要があります。

上場廃止が承認されると、その企業の株式は整理銘柄に指定され、その後1カ月間は取り引きが継続されます。そして1カ月後には上場廃止となり、株式の売買は完全にできなくなるのです。

まとめ

現代ビジネスでは、経営手法や資金調達法などが多様化する傾向にあり、上場企業=大手優良企業という図式が常に成り立つわけではありません。現在主流のビジネスが、今後も継続的に成長するかどうかもわかりません。

自主的に上場廃止を選ぶ企業が増加することは、既存の経営戦略が大きく転換する兆しの可能性もあります。それぞれの企業の事情にもよりますが、上場と非上場のメリットを比較して、自由な経営を選ぶ動きがさらに広がるかもしれません。

■参考サイト
実はメリットも!上場廃止はなぜ起こる?株式はどうなるの?
大正製薬HDのMBO成立、3月にスタンダード市場での上場廃止へ
「X」(旧Twitter)の現在とこれまでの動向とイーロン・マスクのTwitter買収の経緯
ベネッセが上場廃止、過去最大規模のMBO 「進研ゼミ」立て直しへ


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