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企業が事業を作り出し、人事・経理・法務など管理部門業務を整備するときは、紆余曲折しながら「ベスト」なかたちに近づけていきます。企業の規模や業種はさまざまですが、働きやすい職場にすることは、どの企業の管理部門担当者にとっても醍醐味と言えるでしょう。
今回ご紹介するのは、副業から始めて自身のジュエリーブランドを立ち上げた経営者の起業体験です。コロナ禍や事業転換などを経て現在のビジネスモデルを確立するまでの道筋は、きっと管理部門で働く皆さんの仕事の参考になるでしょう。
舞台は東京・代々木上原に店舗兼アトリエを構える人気ブランド「atelier ST,CAT」、こちらの代表取締役である林聖子さんにお話を伺いました。
▼お話を伺った人
atelier ST,CAT
代表取締役 林聖子さん
――:今回は「マネジー」読者であるビジネスパーソンの皆さんに、林さんの起業経験から、事業や管理部門業務の確立に役立つヒントを伺いたいと思います。まずは、学生時代から事業を始めるまでの経緯を教えてください。
林さん:学生時代は4年制大学の社会学部で経営関連の勉強などをしていました。大学4年生の時に留学し、美術史やファッションマーケティングなどクリエイティブ関連を学んで、帰国後に大学を卒業したあとは、ファッション雑誌の制作会社に就職しました。
4年ほど働いたあと、転職してアパレル企業のPR業務に就きました。この会社は週末が休みで残業も少なかったので、副業をしていまして。アクセサリーを手作りして、オンラインなどで売っていたんです。当時は手頃価格の国産ハンドメイドアクセサリーが少ない状態で、インスタグラムの黎明期でもあったので注目されました。2014年頃にはセレクトショップと取引するようにもなりました。
その後は独立し、フリーランスで雑誌編集の仕事をしつつ、アクセサリー販売の事業を本格的にスタートしたんです。そして2017年に法人化し、従業員を1人雇って世田谷に店舗を構えました。
――:副業から順調に起業され、途中で事業転換されたと伺いました。きっかけは何ですか?
林さん:世田谷への出店後、南青山に店舗を移転し、事業は順調に伸びていったんですが、コロナ禍で大打撃を受けまして。同時にライバルブランドもすごく増えたんです。市場に低~中価格帯のアクセサリーブランドが増え、マーケティング費用をかけて自社の限られた資金力で戦っていくのは難しいと判断しました。
そのとき「自分たちの強みを生かして戦えるマーケットはなんだろう」と考え、結婚指輪なら可能性があるかもしれない、という答えを出しました。私たちのブランドは、自社アトリエで商品を手作りしています。ホスピタリティやこだわったモノづくり、丁寧なお客様対応は、結婚指輪に適しています。それに、1点もののオーダーメイドにすれば在庫を持たずに済むし、結婚指輪は高単価なので薄利多売で疲弊するビジネスにはなりません。そこで、2022年に結婚指輪のビジネスをスタートさせました。
――:そのビジネスが成功されたんですね。
林さん:はい。当初はファッションアクセサリーと結婚指輪の両方を取り扱っていましたが、結婚指輪の方が圧倒的に伸びまして。私たちが作る結婚指輪は「Tシャツなどの普段着にも似合う、自分らしいもの」がコンセプト。これに共感してくださるお客様が多く、翌年(2023年)には事業転換してブライダル専門ブランドになりました。同時に店舗を今の代々木上原に移転し、さらに拡大させました。現在、従業員はアルバイトを含めて9人います。
アクセサリーを作り始めたときは、私自身が欲しいと思うものを作っていたらマーケットに広がっていきました。その後は個人的に欲しいもの、かつ「マーケットにないもの」を作っていくことで差別化でき、うまく事業転換できたのだと思います。
――:世田谷、南青山、代々木上原と店舗移転をされていますが、入居するビルを探すうえで大切にしていることはありますか?
林さん:集客をほとんどSNSで行っていることもあり、路面で人通りが多い場所ということに重きをおいていないのもあり、世田谷の時も2階で、南青山の時も裏通りでした。南青山の店舗の時は、結婚指輪の事業をはじめることも考えていたので、結婚指輪を探している人が行きやすい場所にしました。現在の店舗がある代々木上原にした理由は、ブランドのコンセプト的にも誰もが結婚指輪を選びに行く場所ではなく、感度の高いカップルがデートの場所として行くような文化性の高いカルチャーのある場所がいいなと探していたこともあり、代々木上原に移転することになりました。
――:販売経路について教えてください。店舗とオンライン販売の比重は?
林さん:事業開始から世田谷の店舗時代まではオンライン販売にはあまり力を入れておらず、8:2で店舗販売の方が多かったです。コロナ禍以降はオンライン事業に注力し、半々ぐらいになりました。その後、コロナが落ち着いた頃から再び店舗事業の比重が高くなりました。というのも、私たちの商品は手作業で一つずつ違うものを作っているので、店舗で実物をご覧になりたいというお客様が多いんです。今もお客様一組につき1時間半くらいずつカウンセリングをしながら、結婚指輪を作っています。
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