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総務部が押さえておきたい労働安全衛生関係の文書管理

公開日2019/03/19 更新日2023/01/19

総務部の扱う書類には、個人情報の漏えいを防ぐためや法律で保管期間が定められているために保管されている書類があります。

中には「労働者の安全・衛星に関する事業主の責務」のもと保管が義務付けられている書類もあり、製造業で工場がある会社や建設業など、特に労働環境のリスクが高い会社はより多くの書類保管義務があるため、注意が必要です。

今回は、総務部が知っておきたい労働安全衛生関係の文書保管について紹介します。

労働安全衛生関係で保管が必要な資料とは

労働安全衛生関係で保管が必要な資料は、「労働安全衛生規則」などの法律を根拠として保管期間が定められています。

建設・製造業種で多く当てはまるのは、安全委員会議事録、衛生委員会議事録、安全衛生委員会議事録の保管です。

各委員会は、「労働者の危険、健康障害を防止するための対策(労働災害の原因及び再発防止対策等)の重要事項について調査審議することを目的に、一定の条件を満たす事業場で設置が義務付けられています。委員会は、労働者の人数と業種の違いにより設置種類が異なります。

例えば、50人以上の労働者がいる事業場がある木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業などは「安全委員会」を設置する必要があります。

事業者は、委員会における議事で重要なものに係る記録を3年間保存することが必要です。

他にも、救護に関する訓練については、実施月日・訓練を受けた者の氏名・訓練の内容の記録を3年間保管しなければなりません。

クレーンを扱う業者、粉製品を製造する業者など、業種や扱うものによっても定められている保管文書、期間に違いがあります。

保管すべき労働安全衛生関係書類の法的根拠

実際にいくつかの法的根拠を確認しながら、保管すべき書類をみてみましょう。

・健康診断結果の記録の作成

労働安全衛生規則第51条によると、事業者は雇い入れ時・定期・海外派遣労働者の健康診断の結果に基づき、健康診断個人票を作成して、これを5年間保存しなければならないとあります。

・建設用リフト点検記録

クレーン等安全規則第195条によると、「事業者は、この節に定める自主検査及び点検(第百九十三条の点検を除く。)の結果を記録し、これを3年間保存しなければならない。」とあります。作業開始前点検記録や暴風地震後の点検記録の保管義務が定められています。

人事や労務関係など他の管理部門に比べ、総務部が管理すべき、労働安全衛生関係書類は法令根拠のところで明確に指定された書類が保管の対象となるのが特徴的です。

業種別の労働安全衛生関係書類の保管期間

それでは、保管の必要な労働安全衛生関係書類の保管期間を業種別にみてみましょう。

全体

保管書類保存期間根拠法令
安全衛生委員会議事録3年間安衛則23条
特別教育の記録安衛則38条
酸素欠乏危険作業場所環境測定記録酸欠則3条
健康診断個人票5年間安衛則51条

建設業者などクレーン・重機を扱う業種

保管書類保存期間根拠法令
クレーン過負荷制限特例記録3年間クレーン則23条
デリック過負荷制限特例記録クレーン則109条
クレーン点検記録クレーン則38条
デリック点検記録クレーン則123条
エレベーター点検記録クレーン則157条
移動式クレーン点検記録クレーン則79条
簡易リフト点検記録クレーン則211条
建設用リフト点検記録クレーン則195条
騒音測定記録5年間安衛則590条

有機溶剤を製造・取扱う業種

保管書類保存期間根拠法令
有機溶剤作業環境測定記録3年間有機則28条
有機溶剤作業環境測定結果の評価記録有機則28条の2
有機溶剤健康診断個人票5年間有機則30条

鉛を製造・取扱う会社

保管書類保存期間根拠法令
鉛作業環境測定記録 3年間鉛則52条
鉛作業環境測定結果の評価記録鉛則52条の2
鉛健康診断個人票5年間鉛則54条
四アルキル鉛健康診断個人票四鉛則23条

特定化学物質を製造・取扱う会社

保管書類保存期間根拠法令
特定化学物質用局所排気装置、除じん装置、排ガス処理装置、
廃液処理装置点検記録・特定化学設備又はその付属設備点検記録
3年間特化則34条の2
特定化学物質作業環境測定記録(ただし特別管理物質は30年間)特化則34条の2
特定化学物質作業環境測定結果の評価記録特化則36条の2
特定化学物質等健康診断個人票5年間特化則40条
特別管理物質製造、取扱作業記録30年間特化則38条の4

粉製品を製造・取扱う会社

保管書類保存期間根拠法令
粉じん局所排気装置・除じん装置点検記録3年間粉じん則20条
粉じん作業環境測定記録7年間粉じん則26条
粉じん作業環境測定結果の評価記録粉じん則26条の2

まとめ

今回は、総務部が管理する書類の中でも特に労働安全衛生関係の書類についてお伝えしました。

労働安全衛生関係の書類については、労働者の安全が関わるため、明確に書類の作成・保管が法律上で定められていると言えます。工場や現場で取扱う書類も多いため、総務部等管理者は見落としがちですが、しっかりと法律順守し保管するようにしましょう。

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