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会社で働く皆さんは、毎年付与される有給休暇(以下「有給」)をしっかり取得できていますか? 仕事が忙しい、職場で休む人が少ない、などの理由で有給を取りづらい人もいるかもしれません。
しかし、日本では労働基準法第39条で「使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えられなければならない。」と定められており、有給は労働者の権利としています。休む理由は人それぞれですが、業務状況を踏まえながら上手に取得していくのが理想でしょう。
マネジーではこのたび、主に企業の管理部門に勤める人々を対象に、有給に関する実態調査を実施しました。本記事でその結果をまとめてご紹介します。
【調査概要】
調査テーマ:「有給休暇」に関する実態調査
調査実施日:2024年9月10日~9月18日
調査方法:Webアンケート
調査対象:マネジー会員ユーザー
有効回答数:445人

最初の設問1では、会社から年間の有給を何日付与されているかを尋ねました。 結果は、最多が「20~24日」(54.9%)で、以下「10~14日」(24.4%)、「15~19日」(13.2%)、「25日以上」(7.5%)と続きました。回答者全体の中央値は20日でした。

次の設問2では、過去1年で有給を何日使用したかを聞きました。
結果は、最多が「5~8日」(28.4%)で、以下「9~12日」(25.0%)、「17~20日」(19.1%)、「13~16日」(16.1%)と続きました。回答者全体の中央値は10日でした。また、9日以上取得した人の割合は64.4%でした

設問1と2の回答をもとに有給消化率を尋ねた結果、最多は「76%以上」(31.9%)で、次に「26~50%」(29.9%)となりました。平均消化率は62.3%で、中央値は60.0%でした。
3人に1人は比較的しっかりと有給を消化していますが、一方で十分には消化できていない人もいることがわかりました。

また、有給消化率を職種別に算出すると、消化率の中央値が最も高かったのは経理(71%)で、低かったのは「管理部門以外の職種」(50%)や「人事」(50%)でした。管理部門で働く人々はそれ以外の人々に比べて有給消化率が高いようですが、人事は例外と言えそうです。

設問3では、どんなときに有給を取るかを尋ねました(複数回答可)。
結果は、最多が「旅行」(48.5%)で、僅差で「自宅でゆっくり」(47.3%)、以下「外出」(43.4%)、「病気・けが・体調不良」(43.4%)となりました。

年代別で見てみると、20・30代の最多は「自宅でゆっくり」(49.3%)、40代の最多は「病気・けが・体調不良」(51.8%)、50代以上の最多は「旅行」(50.8%)という興味深い結果に。若い年代は金銭的なゆとりが十分ではないためお金をあまりかけずに休息し、40代は多忙かつ体の不調が出やすい年齢なので心身不調で休みを取り、50代以上は金銭的にゆとりがあるためお金を使って旅行でリフレッシュ、ということかもしれません。

設問4は、有給を自由に取得できるかを聞きました。
結果は、「自由に取得できる」(42.9%)と「ある程度自由に取得できる」(44.0%)を合わせると、全体の9割近くの人が比較的取りやすいことがわかりました。

職種別で見てみると、有給を自由に取りやすいのは人事と経営企画で、それぞれ過半数の人が「自由に取得できる」と回答。一方、取りやすさの数値が低めだったのは経理と総務でしたが、それでも両者ともに「取りやすい」の合計は9割超でした。

前述のとおり、有給取得は労働者の権利です。一方で、有給を取るときに「みんなが働いているのに自分は休んでしまい、申し訳ない」と感じる人もいるようです。そこで、設問5では、有給取得時に「申し訳なさ」を感じるかを尋ねました。 結果は、「感じる」が10.0%、「やや感じる」が28.0%で、計38.0%の人が申し訳なさを感じていることが判明。本調査では「感じない」人の方が多いことが明らかになりました。

年代別で見てみると、20・30代は「感じる」と答えた人が18.5%いるのに対し、40代は9.0%、50代以上は8.3%でした。若者の方が有給取得に負い目を感じている傾向があるようです。年齢が高い世代は“労働者の権利”として理解し、しっかり休暇を取っていると言えるかもしれません。

設問6では、有給を取りづらいと感じる理由を聞いてみました(複数回答可)。
結果は、「業務に支障が出るから」(69.2%)が圧倒的に多く、次いで「突発的な業務が多く、有給の計画を立てづらいから」(27.8%)、「同僚や上司が有給を取得しないから」(14.3%)が並びました。
この結果から、同調圧力を感じる人は少なく、自身の業務への影響を踏まえて取りづらさを感じる人が大半と言えます。たとえ有給取得は労働者の権利であっても、休暇後の忙しさを考えると、休みづらいときがあるのでしょう。

ところで皆さんは、有給を取った日は仕事から完全に離れて過ごしていますか?
休暇中につい会社のメールなどを覗いてしまう…、ということはありませんか?
本調査の設問7では、有給中に会社からの連絡を見ることがあるかを尋ねました。
結果は、最多が「時間があるときだけ確認する」(32.2%)で、次に多かったのは「連絡が来ることは無い」(24.3%)でしたが、何らかのかたちで確認する人は全体の61.9%を占めました。「電源オフ・連絡は見ない」人は13.8%のみで、意図的に仕事から離れる人はごくわずかです。
設問5で有給取得に「申し訳なさ」を感じる人が一定数いることや、設問6で有給を取りづらい理由の最多が「業務に支障が出る」ということからもわかるとおり、休暇中に仕事を“忘れる”のは意外と難しいことなのでしょう。管理部門で働く人は真面目な傾向があると言われているため、公私の切り替えがしづらいのかもしれません。

これを年代別に見てみると、“確認派”最多は50代以上(計64.7%)で、次に40代(計60.3%)、最少は20・30代(計53.9%)でした。設問5で、若い年代は有給取得時に「申し訳なさ」を感じる割合が高かったですが、休暇中はしっかりオンオフの切り替えができているようです。

最後の設問8では、有給日数や取りづらさ等の不満を理由に転職を検討したことがあるかを聞いてみました。
結果は、「転職を検討したことはない」人が最多で57.7%、実際に「転職活動を行った/転職した」人は15.0%でした。過半数の人は、有給が理由の転職は“ない”と考えています。
しかし、転職活動を実際に行った人と「転職を検討した」人(27.2%)を合わせると、全体の4割以上が有給を理由に転職に向けて動いているのです。
有給の付与日数を増やすのは容易ではありませんが、業務のやりくりや職場の雰囲気などによる“取りづらさ”は改善することができます。人事や総務で自社の有給を管理する人は、従業員の離職防止のために検討するとよいかもしれません。
今回の調査で、有給休暇について以下のことがわかりました。
・会社員の年間有給消化率の平均は62.3%で、64.4%の人が有給を9日以上取得している。
・「有給消化率76%以上」の人は全体の約3割。
・有給を取る理由は「旅行」「自宅でゆっくり」「外出」など。20・30代は「自宅でゆっくり」、40代は「病気・けが・体調不良」、50代以上は「旅行」が最多。
・9割近くの人が「有給は比較的自由に取りやすい」と回答。
・4割弱の人が、有給取得時に申し訳なさを感じている。
・有給取得中に会社からの連絡を確認する人は6割以上。高齢世代ほど確認する人が多い。
・4割以上の人が、有給日数や取りづらさ等の不満を理由に、転職を検討したり実際に転職したりしている。
なお、マネジーではこれからも働く皆さんのお役に立てる情報を発信してまいりますので、ぜひご注目ください!
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