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急速に高齢化の進む日本社会で、50代・60代以上の年齢層の社員、いわゆるシニア社員の再活躍に注目が集まっています。
2021年4月に施行された高年齢者雇用安定法の改正では、2025年4月から65才までの雇用確保を企業に義務づけるとともに、70才までの就業確保措置を講じることが「努力義務」になりました。こうした法改正の動きからも、50代・60代の社員がこれまで以上に「現役」の働き手として位置付けられ、再活躍が強く促されていることがうかがえます。
こうした中、組織・人材開発支援事業を手掛けるリ・カレント株式会社は2024年8月、東京都の働く50代・60代就業者400人を対象に、会社からの支援の有無や、働くことへの価値観など、シニア活躍の実状と本音に関する調査を行いました。
今、働くシニア社員の本音はどこにあるのか、シニア社員へどのような支援が求められているのか・有効なのか、シニア支援領域専門コンサルタントの解説と共にお役立ていただければ幸いです。
<調査概要>
調査対象:東京都、50代~60代の就業者400名
調査期間: 2024年8月
調査方法:選択回答及び自由回答式インターネット調査
※構成比の数値は、四捨五入のため 100%にならないことがあります。
※実際の人口構成に合わせるために、回収サンプルに重みづけを行っています(ウェイトバック集計)
※非有効回答を含まないグラフもあります。
働く50代・60代は、どのような価値観において働いているのか、今どんなことにストレスを感じているのかを聞きました。
調査Q3「あなたは、自分自身が、この先の人生においてどのように働き・暮らしてゆきたいかという譲れない考えや価値観を持っていますか」には、「持っていない」(18.3%)・「あまりはっきりとは持っていない」(43.1%)と、合わせて6割超の回答者が、「どのように働き・暮らしてゆきたいかという価値観はない・はっきりとはない」を回答していることがわかります。
一方調査Q9「ストレスの主な要因となっているものを上位3つまで選んでお答えください」では、給与・収入など報酬関連に次いで「今後の人生の先行きが見えない」(24.8%)に回答が集まっています。
これらの結果を合わせて見ると、「先行きの見えなさ」に苦しむシニア社員の過半数が、どのように働き・暮らしてゆきたいかの軸をそもそも持てずにいることが見えてきます。
また、回答結果の背景を考察すると、シニア社員と「キャリア」概念の摩擦も見てとれます。 20代・30代社員にはなじみのある「キャリア」という概念・考え方が提唱され、教育に取り入れられて本格的に浸透してきたのは、実は2000年代に入ってからのことです。今の50代・60代の働き手にとって、自分が仕事や職場を決めたころには考えもしなかったような「仕事・働き方の軸」が、再活躍を求められる今になって急に突きつけられているような感覚すらあると予想できます。しかし、そうした「自分はどのように働き・暮らしてゆきたいか」という軸を育てる観点を持たずに仕事に打ち込んできたシニア社員が、今「先行きの見えなさ」に苦しんでいることも事実なのです。
こうした50代・60代が、再び組織の中で活躍していくためには、やはり会社・組織側からの、働き方の軸を再発見し・自らのキャリアを見つめなおす支援が必要といえるでしょう。
このように、シニア社員への組織的な支援施策が急務とされる中、しかし、支援の現場では、「シニア社員は支援施策で本当に変わるのか?」といった疑問が呈されてしまうことも少なくありません。
確かにこれまで、企業が行うキャリア支援施策などの主な対象層は、20代・30代の、まだ仕事の歴が浅く、価値観の定まっていない年齢層が主たるものでした。50代・60代といったベテラン社員は、その経験の厚さゆえに、教育プログラム等の働きかけで「変わりにくい」イメージを持たれてきました。それだけでなく、人事部等がシニア社員を対象にした施策を打つことが、“キャリアを見つめなおす”といった文言に隠した“早期退職への肩たたき”ではないか、という疑念を呼びやすいこともあり、むしろ施策実施は逆効果になりうるとして敬遠してきた企業も少なくありません。
しかし、本当にシニア社員は「もう変わらない」のでしょうか?実際のところ、施策実施はシニア社員にどのような効果をもたらしているのでしょうか?
今回の調査を役職や年代、各設問への回答傾向別ごとの分析を行ったところ、以下のような結果が見えてきました。
施策実施状況の回答別に、「今後、何歳まで働きたいと考えていますか」という質問への回答結果を比較したグラフです。
「先行きの見えなさ」と紐づいた、「(今後何歳まで働きたいか)はっきりとは決めていない」という回答結果の割合が、施策実施状況と共に変動していることがわかります。
「(施策実施状況が)わからない」とした回答群では34.5%、
「ほとんど行われていない」「行われているが不十分」とした回答群では21%前後、
「ある程度行われている」「多くの施策が行われている」としている群では12.0%~16.1%と10%台に。
施策実施に伴い、「はっきりとは決めていない」回答がやや減少傾向にあることが見て取れます。
このように、支援施策実施には、シニア社員の大きなストレス要因である「先行きの見えなさ」を軽減する効果が期待できるといえます。
施策実施状況の回答別に、「この先の人生においてどのように働き・暮らしてゆきたいかという考えや価値観」の所持傾向を比較したグラフです。
施策実施に伴い、価値観を「誰かに語れるほど明確に持っている」「ある程度はっきり持っている」とした回答者が増加傾向にあることが見て取れます。
逆に、施策が「ほとんど行われていない」「わからない」とした回答群では、価値観の所持についても「はっきりとは持っていない」「持っていない」が合わせて7割~8割に及んでいます。
このような結果から、キャリアや働く価値観といった概念に若手のころから触れていないシニア社員であっても、支援施策を十分に行うことで、自分の価値観や軸を再発見できる傾向があるといえます。
また、施策実施と働く中で感じる幸福感についても、相関関係がみられることがわかりました。
施策実施状況の回答別に、「仕事をする中で、どの程度幸福感を感じているか」の回答結果を比較したグラフです。
「多くの施策が行われている」「ある程度は行われている」とした回答群では、「非常に幸福感がある」「やや幸福感がある」とした回答も全体の6割~7割近くに伸びています。
逆に、「行われているが不十分」「ほとんど行われていない」とした回答群では、幸福感「あり」が減少し、「幸福感を感じない/全く感じない」の割合が増加しています。
シニア社員を対象とした施策を実施しているような企業では、その他の教育施策や、働き方改革・福利厚生なども並行して支援・実施していることが想定されるため、一概にシニア社員への施策実施のみによってシニア社員の幸福感が増加していると言い切ることはできませんが、施策実施によって期待される効果として十分に参考になる結果といえます。
「シニア社員は支援施策で本当に変わるのか?」「施策実施に意味はあるのか?」
ここまで見てきた調査結果からは、支援施策はシニア社員にさまざまな角度から良い効果・変化をもたらすことが見て取れます。
・施策実施に伴い、何歳まで働きたいか「はっきりとは決めていない」等のあいまい回答が減少傾向
・施策実施に伴い、どのように働き・暮らしてゆきたいかという価値観の所持が増加傾向
・施策実施に伴い、働く中での幸福感「あり」も増加傾向
シニア社員の再活躍を期待する企業にとって、施策実施を検討する意義は十分にあるといえるでしょう。
シニア社員の再活躍に向け、施策実施が十分な正の効果をもたらすことがわかった上で、それでは具体的にどのような支援施策が有効なのでしょうか。
シニア社員に良い影響をもたらす因子として、「価値観の所持」が調査から浮かび上がってきました。
施策実施に伴い「価値観の所持」も増加傾向にあることはここまで見てきた通りです。その上で、改めて「価値観の所持」を軸に各回答結果を見ていくと、シニア社員の再活躍の「カギ」となりうる影響力が見えてきます。
価値観の所持状況の回答別に、「仕事をする中で、どの程度幸福感を感じているか」の回答結果を比較したグラフです。
「誰かに語れるほど明確に持っている」「ある程度はっきり持っている」とした回答群では、「非常に幸福感がある」「やや幸福感がある」とした回答が全体の6割~8割近くに伸びています。また、「明確に持っている」回答者の、「非常に幸福感がある」と回答した割合が、他の回答群と比較して大きく増加していることも見て取れます。
シニア社員の再活躍においては、よく「学び直し」というキーワードがあげられます。
激しく移り変わるビジネス環境の中、「現役のベテラン」として活躍し続けるためには、年代を問わず、自ら学び続ける必要があることは言うまでもありません。しかし、体力や思考力が低下しがちな50代・60代にとって、自発的な学習の継続には若手以上のハードルがあることも事実です。
一方、価値観の所持傾向別に「過去一年間での仕事に関する学習実態」を比較したこちらのグラフでは、やや明るい結果が見えてきます。
価値観の「明確に持っている」「ある程度はっきり持っている」に伴い、グラフ内オレンジで示した「自ら学ぶ時間や機会を作って学習した」が大きな増加傾向を示しています。
自分自身が「どのように働き・暮らしてゆきたいか」という軸を見出すことで、仕事や仕事に関する学習に対し、内発的な動機づけが生まれ、「やらされ」ではない、自発的な学習が生まれてくることが読み取れます。
仕事に関する学習について、さらに詳しくみてみましょう。
過去一年間で仕事に関する学習を何かしら「した」と答えた回答者に対して、その学習内容を実際に「実践しているか」聞いた結果を、幸福感の有無とかけあわせて調べたグラフです。
「非常に/やや幸福感がある」とした回答者は、学習の実践も行っている場合が多いことが見てとれます。
学びの機会の担保、さらにはその学びを実際に職場で実践するという行動に伴い、シニア社員の幸福感が大きく増加する可能性が期待できます。
調査結果からは、「価値観の再発見」につながる支援施策が、シニア社員の活躍において重要なカギとなることが見て取れます。
・価値観の所持に伴い、シニア社員の働く中での幸福感が増加傾向
・また、価値観の所持に伴い、「自ら学習する」行動も増加
・学習の現場実践と幸福感にも相関関係がある
ここまで、シニア世代の悩み・本音や、彼らへの支援施策がどのような影響を及ぼすか、シニア社員が活き活きと幸福感を持って再活躍するためには何が必要なのか、調査結果を通じ見てきました。まとめとして、専門コンサルタントが提言する、企業がシニア世代を支援する際に重視すべき3つのポイントをご紹介します。
調査結果から見るシニア社員の悩み・本音からは、「先行きの見えなさ」に苦しみつつも、自分の“先行き”を定めるためのキャリアの軸・価値観を持たずに迷う当事者の姿が見えてきました。
今の若手~中堅世代と異なり、シニア世代は義務教育~高等教育課程で「キャリア学習」の機会もなく、また自身の若手時代にそうした企業内でのキャリア研修も受けてきていない方がほとんどです。彼らが自分にとっての“軸”を見つけなおすためには、まず、これまで家族や組織を優先してきたシニア世代の社員ひとりひとりが「自分」との対話をはじめる必要があります。
調査結果から、シニア社員ひとりひとりが、自分がどのように働き・暮らしてゆきたいかという価値観を明確に確立することが、彼らの幸福感を増加させ、自発学習や実践を促すことがわかってきました。
「自分との対話」で基礎を築いた上で、「異なる価値観を持った同世代との意見交換」などを経て、ひとりひとり異なる価値観を再発見していく過程を支援することが重要です。
また、上記2つの支援ポイントに通底して言えるのが、シニア社員のパフォーマンスを高めるために重要な観点として、「幸福感を高める働きかけ」がある、ということです。
50代・60代社員の方々は、これまで組織に長く貢献してきた実績があります。そんな中、自身のキャリアの締めくくりと考えてきたステージに立ったにも関わらず、「まだまだこれから、これまで以上に活躍してほしい」「これまで求めていなかったキャリアの軸を確立してほしい」と社会的・組織的要求が突然跳ね上がり、疲弊感が蔓延しがちであることを念頭に置く必要があります。
要求・管理・プレッシャーを高めるのではなく、シニア社員自身の幸福感・自己実現のビジョンを高める支援を行うことで、シニア社員のパフォーマンス向上をねらうことが、長期的視点に立ったとき有効といえるでしょう。
記事提供元
リ・カレント株式会社は「『働楽社会』の実現への貢献」を掲げ人材育成・組織開発に取り組むHRカンパニーです。
リーダーシップ×フォロワーシップの相乗効果により、チームワークの最大化に照準を当てた研修プログラムの開発・提供や組織開発コンサルティングを強みとしています。
■リ・カレント株式会社のシニアキャリア研修「ジョブ・クラフティング」について
リ・カレントでは、「会社依存×上司従属」状態に陥ってしまいがちなシニア社員が、自分の持ち味となる専門性を磨き、周囲とのコミュニケーションを通じて、組織に貢献する自分の役割をデザインできるようになる「ジョブ・クラフティング」研修をご提供しています。
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