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これまでは、人事制度の一部とされてきた「福利厚生」。財形貯蓄制度、通勤手当や家賃補助といった、従業員が働く上で必要な生活支援制度が多く存在しています。
しかし昨今では、働き方の多様化が進む中で、ライフステージやライフスタイルに合わせた「充実した福利厚生制度」を武器に、従業員の満足度向上や優秀な人材の確保・定着につながる「攻めの人事制度」を行う企業が増えています。
一方で、従業員が心身ともに健康で働ける環境を整えるために、昨今では「メンタルヘルス対策」に取り組む企業も増加しています。離職率の増加や生産性低下のリスクを防ぐ「守りの人事制度」として欠かせない要素です。この両輪をバランスよく推進することで、従業員のモチベーション向上や定着率の改善、そして組織力を高めることに寄与するでしょう。
▼この記事を書いた人
堅田 康太(カタタ コウタ)
jinjer株式会社
PMM(プロダクトマーケティングマネージャー)/ ジンジャー人事DX総研フェロー
jinjer株式会社に入社後、事業開発部門にてLegalTechやFinTechなどの新規事業の立ち上げにおよび推進に従事。その後、プロダクト部門に異動しPMMとして、「ジンジャー」のタレントマネジメント製品(人事評価、人事データ分析、eラーニング、福利厚生)の構想から戦略立案・実行まで幅広く担当。
働き方改革関連法(※1)により有給休暇の取得が義務化されることや、労働基準法(※2)の改正で、時間外労働時間の上限が規制されました。また、育児・介護休業法の改正に伴い、男性の仕事と家庭の両立がより重要視されるようになり、従業員の働き方を見直す企業が増えています。
とくに長時間労働は、従業員の健康を害したり、仕事と家庭生活の両立を妨げ、女性のキャリア形成や男性の家庭参加を阻む原因となっています。
そのような背景から、法改正と併せて、従業員の健康増進やメンタルヘルス対策の推進に関しても、法的な指針が示されるようになりました。このように、法改正に伴う従業員のライフスタイルの変化により、企業が従業員をどのようにサポートしていくのかについて、より一層焦点が当てられるようになってきています。
働き方の変化に伴い、従業員のライフスタイルも多様化する中で、福利厚生制度も多様化しています。とくに近年では、リモートワークやダイバーシティ経営の浸透に伴い、「人的資本経営」の一環として、福利厚生の活用に対する需要が増しています。
その背景として、どの業界においても人材採用が難しくなっていることから、従業員の定着率向上・離職率軽減を重んじる企業が増えていること、そして女性や高齢者など働く層の多様化が進んでいることにあります。
多様化する従業員の満足度を向上させることは、企業の人的資本を最大限活用する上で非常に重要だと言えます。またこれは、従業員の帰属意識を高め、組織力を向上させることにもつながります。
実際に、人事担当者を対象とした調査では、福利厚生の実施目的として「従業員の定着」「人材の確保」「従業員の仕事への意欲向上」が多く挙げられました。
このような理由により、働く環境の一部分であった福利厚生は、今や従業員の満足度向上や優秀な人材の確保・定着につながる「攻めの人事制度」として、企業で積極的に活用され始めています。
従業員のライフスタイルに合わせた福利厚生は、働きやすい環境を支える「土台」となります。同時に、従業員の満足度を高め、定着率を改善するためには、生活面のサポートだけでなく「心の健康」を守る対策も重要です。
働き方の多様化が進む中で、人手不足に伴う業務量の増加、人間関係の問題、キャリアに関する不安など、ストレスの原因もさまざまです。各従業員が健康を保ち、モチベーションを維持するための環境を整えることは、企業の持続的な成長にとって欠かせない要素です。
福利厚生とメンタルヘルス対策は、従業員の生活と仕事のバランスを支える重要な要素であり、お互いにプラスの効果をもたらします。
これらは単なる「コスト」と考えるのではなく、組織全体の能力を向上させる「投資」として捉えるべきです。福利厚生とメンタルヘルスの両方を充実させることによって、従業員の健康を守り、モチベーションと生産性を高める環境を築くことが可能となり、これが組織全体の成長と企業価値の向上に寄与します。
従業員の満足度向上など「攻めの人事制度」につながる福利厚生制度にするためには、従業員の声を反映した制度の策定を行うことが重要だと言えます。
具体的には、従業員アンケートの実施やそのフィードバックの機会を増やし、従業員が企業に求めていることを定期的に把握する仕組みを構築することです。また、福利厚生制度の利用状況を定期的にモニタリングする体制の整備も行う必要があるでしょう。
その上で、離職率低下など「守りの人事制度」につながるメンタルヘルス対策に関しても積極的に行い、従業員がより働きやすい環境作りを提供していくことも重要です。
具体的には、ストレスチェックの定期実施や専門家による相談窓口の設置、メンタルヘルスに関するセミナーの開催などがあげられます。また、企業によっては、上司や同僚とのオープンなコミュニケーションを促すような施策を実施することも、従業員の心理的安全性を高めるために必要となっていくでしょう。
この点について、厚生労働省 独立行政法人労働者健康安全機構が公開した「第14次労働災害防止計画におけるメンタルヘルス対策」にも、指針や取り組み事例などが詳しく書かれています。労働者のメンタルヘルスを計画的に実施していくための指針として、「4つのメンタルヘルスケアの推進」について紹介されています。具体的には、①セルフケア、②ラインによるケア、③事業場内産業保健スタッフ等によるケア、④事業場外資源によるケアを、継続的かつ計画的に行うことを重要視しています。
一方で、これらの対策に取り組む、日々多忙な管理・人事部門としては、上記4つのケアの中でも、「セルフケア」に注力していくことが、より現実的だといえるでしょう。
多様化する従業員のライフスタイルに合わせて、先述した指針に基づいて、自社の制度を可能な限り柔軟に整えることで、従業員が安心して働ける環境を提供できます。その結果、従業員は仕事に集中しやすくなり、最大限のパフォーマンスを発揮できるようになります。それが一人ひとりの成長にもつながっていくでしょう。
そうした、「充実した福利厚生制度」と「メンタルヘルス対策」の導入は、従業員のモチベーションや満足度を高めるだけでなく、組織全体の生産性向上や企業イメージの向上にも寄与します。組織としての持続的な成長を目指す上で、こうした取り組みを積極的に推進していくことが望ましいでしょう。
参照元
※1:厚生労働省|「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について」
※2:e-Gov|労働基準法
jinjerBlog|福利厚生を通した人的資本への投資に関する調査
厚生労働省 独立行政法人労働者健康安全機構「職場における心の健康づくり ~労働者の心の健康の保持推進のための指針~」
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