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人事や労務の仕事は基本的に対人であり、機械化が難しい印象です。しかし、今では人事や労務のあらゆる業務にAIが活用されています。
これまで考えられなかったことまでAIが担っている現状を、実際の例を交えながらご紹介します。
煩雑な作業から離職予防まで、AIが大活躍
人事や労務には、日々の細かい作業から、新入社員の入社時など繁忙期の仕事などさまざまです。
入社・退社の手続きはもちろん、評価や勤怠管理、健康管理など、多岐にわたります。これらのどの部分でAIは活用され始めているのでしょうか。
・採用:今では最終選考前まではAIが行うといった企業もあります。応募者の情報収集や、企業に対する質問に回答をするケースもあるそうです。
・マッチング:収集された情報の中に、性格やスキル、希望するキャリアプランなどがある場合、それらと各部門の希望配置人数などをマッチングし、適材適所の人材配置が可能になります。
・入社手続き:新入社員採用後、基本情報を入力するとRPAがシステム内を横断し、これまで別々で行ってきた「ユーザー登録」や「アカウント発行」なども行ってくれます。
・勤怠管理:日々の勤怠を管理してくれます。AIが優秀なのは、勤怠管理から労働者の健康管理に対してアラートを立てることも可能なことです。
・評価、モチベーションキープ:企業の経営目標や部門内の目標だけでなく、個人の目標達成に向け、PDCAサイクルを回して成果に結びつけます。評価システムと連動することで、的確で効率的な評価が可能になります。
・能力開発のカスタマイゼーション:実際に仕事をしている様子を録画したものをAIが分析し、改善点を判定します。また、本人の希望と社内のキャリアパスとを照合し、本人にとって最適な研修を提案することも可能です。
・ストレスチェック:メンタルヘルスは個人だけでなく、企業の未来にも影響を与えます。ストレスチェックで心のバランスを評価し、検査結果を部門などそれぞれの集団ごとに分析することでストレスの要因を判断、職場環境の改善にも役立てます。
・健康管理:心だけでなく、体そのものの健康管理も行います。健康状態を正確に把握することで、病気の発症リスクを低減し、休職者や離職者を減少させるほか、生産性の向上、医療費の削減まで期待できます。
・最適な食事メニューのアドバイス:労働者の健康状態から最適な食事メニューをアドバイスしてくれるAIまで登場しました。
AIはまだパーフェクトではない
細かい作業などスピーディーにミスなく行い、多くの情報の中から適切な情報を取り出すことができる、非常に優秀なAIですが、もちろん課題もあります。
AIは前例を元に学習を重ねていきますが、新たな状況に直面すると判断できなかったり、ミスを発生させてしまったりします。まずはこれまでに蓄積した相当数のデータをAIに与えることが必要で、しかもそれは正しい結果を招いた際の情報であることが求められます。
また、人間がこれまでに行ってきた、相手のほんの小さな表情の変化や背景にある物事を勘案して総合的に判断することなど、AIはまだ得意としていません。現段階ではAIの成果に人間の手直しを加える必要も時として発生している状況です。
しかし、今後成功事例の情報が更に蓄積され、AIの能力も向上してきたとき、現状のAIよりミスは減り、担う業務も増えていくはずです。
人事や労務の業務をAIが担ってくれるようになると、人事や労務担当者は本来の職務に注力することが可能になります。企業や労働者の明日を担う人事・労務の皆さんには、AIと共に迎える近い将来を見据えながら、これからも頑張っていただきたいと思います。
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