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最低賃金の適用は、試用期間中の賃金や宿直勤務の仮眠時間、歩合給など、わかりにくいケースもあります。そこで、最低賃金法の基本と計算方法、よくある誤解と留意点などを再確認します。
最低賃金制度とは、最低賃金法(以下、主に「最賃法」とします)に基づき「賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図ること」を目的とした制度です(最賃法1条)。
企業などの使用者は、最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならず(同法4条)、違反した場合の罰則も設けられています(同法40条など)。
2024年10月1日から全国で順次適用されてきた新たな最低賃金は、時給の全国加重平均が1055円です。引上げ幅は、現在の方法で決定されるようになってからは過去最大となる51円となっています。
政府は、この最低賃金を2030年代半ばまでに全国加重平均で1500円に引き上げるとしていた従来の目標を、2020年代に前倒しする意向を表明しています。 物価が上昇するなか、最低賃金の引上げは労働者の生活の安定にとって大きな意味を持ちますが、一方で企業などの使用者にとっては、人件費の増大への対応などが切実な問題になります。
本稿では、最低賃金制度に関する基礎知識や計算方法、よくある誤解と注意点などを解説します。
最低賃金の歴史は、労働基準法(以下、「労基法」とします)が1947年に制定された際に、行政官庁が必要と認める場合には最低賃金を定められる旨を規定したことに遡ります。
しかし、戦後の混乱期という事情もあって機能せず、各種の批判を踏まえて1959年に最賃法が制定されました。
現行の労基法の条文は「賃金の最低基準に関しては、最低賃金法の定めるところによる」(同法28条)とされています。
最低賃金制度は当初、同一業種に属する使用者や使用者団体が賃金について協定する「業者間協定」という決定方法をとっていました。
しかし、労働者の参加排除が問題視され、1968年の改正で公益代表、労働者代表、使用者代表が各同数の委員として構成する最低賃金審議会の議論を経たうえで、都道府県労働局長が最低賃金を決定する方式とされました。
そして、現在は毎年7月に、厚生労働省の中央最低賃金審議会が、その年度における「地域別最低賃金額改定の目安」(以下、「目安」とします)について答申を出しています。
目安では、各都道府県を経済実態のよい順からA・B・Cの3ランクに分けて、ランクごとに金額が設定されます。ちなみに、2024年度はすべてのランクで50円が目安でした。
毎年8月になると、各都道府県に設置された地方最低賃金審議会が、目安を参考にして各地域の改定額を決定します。それに基づき、都道府県労働局長が最低賃金を正式決定し、発表します。
通常、その年の10月以降に新たな地域別最低賃金が各都道府県で順次施行されます。
2024年は、地方最低賃金審議会の半数以上が、目安を上回る51円から84円の引上げ額としたため話題となりました。
なかでも徳島県は目安に34円も上乗せした最高の引上げ額84円で、2番目の岩手県と愛媛県の9円との大きな差に「徳島ショック」と呼ばれました。
労基法が最賃法の母体であるということは、非常に重要なポイントです。
労基法は労働条件の最低基準を定めたもの(同法1条2項)で、その基準に達しない労働契約の部分は無効とされ、労基法の定める基準まで自動的に引き上げられます(同法13条)。
最賃法も同様に、最低賃金額に達しない労働契約を締結しても、その部分は無効となり、最低賃金と同様の定めをしたとみなされるのです(同法4条2項)。
最低賃金には、都道府県ごとに定められた「地域別最低賃金」と、特定の産業を対象に定められた「特定最低賃金」の2種類があります。地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、各都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用される最低賃金です(最賃法9条1項)。
これに対して、特定最低賃金は特定の産業について設定される最低賃金です(最賃法15条)。
2007年の最賃法改正により、地域別最低賃金が必置の制度として明文化され、一方で産業別の最低賃金は地域別最低賃金を上回る特定最低賃金として、任意の設置かつ罰則なしの補足的制度として位置付けられました。
そのため、以下では、主として原則的制度である地域別最低賃金について説明することとします。
なお、労働者が二以上の最低賃金の適用を受ける場合は、金額の高いほうが適用されます(最賃法6条)。
1968年の最賃法改正以前は、労働協約に基づく最低賃金が存在しましたが、この労働協約は一定地域内の事業場で使用される労働者および使用者の3分の2をカバーする必要があり、企業別団体交渉中心のわが国の実情に適合せず廃止されました。
なお、2024年度の地域別最低賃金は、厚生労働省ホームページ「地域別最低賃金の全国一覧」
等に掲載されています。
自社の賃金が最低賃金を下回っていないか、賃金制度に問題がないかを確認しておきましょう。
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