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職場でのハラスメントは、気づかないうちに従業員にストレスを与え、組織全体としてもパフォーマンスの低下を招く深刻な問題です。
近年はパワハラやセクハラだけでなく、マタハラやカスハラなど新しいタイプのハラスメントが増え、対策には各ハラスメントに関する正確な理解が求められています。
本記事では、代表的なハラスメントの種類・定義とあわせて、企業が実践すべき防止策をわかりやすく解説します。
ハラスメントとは、立場や関係性を背景にした言動によって、相手に不快感や精神的な苦痛を与える行為全般を指します。
もともと社会一般で幅広く使われる概念ですが、職場では人間関係や上下関係が絡むことでトラブルに発展しやすいため、企業にとっても重要な課題です。
職場で問題となるハラスメントには、法律で定義されているパワハラやセクハラだけでなく、モラハラやアルハラなど法令上の明確な定義がないハラスメントも含まれます。
さらに近年は、労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)によって防止措置が企業の義務とされ、未対応の場合は行政指導の対象となるなど、企業としての対応が強く求められています。
職場ではどのようなハラスメントが起きているのでしょうか。
ここでは、多様化するハラスメントを分類し、それぞれの特徴を整理して紹介します。

パワハラとは、職場で行われる ①優越的な関係を背景にした言動 で、②業務上必要かつ相当な範囲を超え、③労働者の就業環境を害する行為のことと定義されています。
この3つすべてを満たした場合にパワハラに該当し、適切な指導や業務命令はパワハラにはあたりません。
また、パワハラに該当する代表的な言動の類型として、以下6つがあります。
| 類型 | 言動の例 |
|---|---|
| ① 身体的な攻撃 |
・殴打・足蹴り ・物を投げつける |
| ② 精神的な攻撃 |
・人格否定 ・長時間の厳しい叱責 |
| ③ 人間関係からの切り離し |
・同僚が集団で無視し、特定の労働者を孤立させる |
| ④ 過大な要求 |
・明らかに遂行不可能な業務量を押しつける ・業務と無関係の私的雑用を強制する |
| ⑤ 過小な要求 |
・能力とかけ離れた単純作業のみを続けさせ、働く意欲を削ぐ |
| ⑥ 個の侵害 |
・プライバシーを過度に干渉する ・私生活を監視する |
※これらは代表例であり、状況によって判断が異なるケースもあります。
参照:ハラスメントの類型と種類|あかるい職場応援団 厚生労働省
モラハラ(モラルハラスメント)とは、言葉や態度によって相手の人格や尊厳を傷つける精神的な暴力を指します。
特徴は、直接的な暴力ではなく、精神的攻撃によって相手を追い詰める点にあります。
モラル(道徳)といった実体のない価値観を盾に行われるため、問題が見えにくいため、被害者自身がハラスメントと気づきにくいケースもあります。
職場でのモラハラ具体例
・他の従業員の前でわざと叱責し、自尊心を傷つける
・業務と関係のない人格や外見を侮辱する
・特定の従業員だけを無視し、必要な連絡を意図的に行わない
詳しくはコチラ
厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」では、カスハラを次のように定義しています。
顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会的通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの
要するに、カスハラとは顧客や取引先などからの不当または悪質なクレームや過剰な要求を指します。
この記事で扱う多くのハラスメントが従業員同士の言動を対象とするのに対し、カスハラは外部の顧客によるハラスメントという点が特徴です。
職場でのカスハラ具体例
・商品やサービスに問題がないにもかかわらず、理不尽なクレームを繰り返す
・従業員に対して、人種・性別・外見などを侮辱する発言を行う
・従業員の個人情報を不当に要求する
アルハラ(アルコールハラスメント)とは、飲酒に関する強要や迷惑行為など、相手に不快感や危険を与える言動を指します。
勤務時間外であっても、上司と部下、同僚同士の飲み会など職務上の関係性を背景とした場で起こる場合は、職場のアルハラとして扱われます。
また、飲酒の強要や一気飲みは生命に関わる危険行為であり、社会的にも深刻な問題として注意喚起がされています。
職場でのアルハラ具体例
・上司・先輩の立場を利用して飲酒を強要する
・飲み会でお酒以外の飲み物を用意しない、注文させない
・酔った状態で暴言や暴力などの迷惑行為を行う
フキハラ(不機嫌ハラスメント)とは、表情や態度、しぐさなどを通じて不機嫌さをあらわにし、相手に心理的な圧力を与える行為を指します。
背景にはパワハラ防止法の施行により、直接的な叱責や攻撃的な言動を避ける傾向が強まり、その代わりに無言の圧力や不機嫌な態度による意思表示が増えたことが指摘されています。
職場でのフキハラ具体例
・周囲に聞こえるようにため息や舌打ちを繰り返す
・思い通りにならないときに露骨に不快な表情を見せる
・特定の従業員だけを無視し、不機嫌さを示す
ロジハラとは、論理的な指摘や正論で相手を追い詰めることで、精神的な負担を与えるハラスメントを指します。
指摘の内容が正しくても、人格を否定する言い方や、他の人がいる前での過度な追及は心理的負担を与えます。
本来の業務指導であっても、伝え方や態度によっては、ロジハラに該当することがあります。
職場でのロジハラ具体例
・「思考が甘い」など人格否定を含む指摘を繰り返す
・会議で正論を振りかざし相手を追い詰める
・能力不足と決めつけて改善の余地を与えない
カラハラとは、職場の飲み会や懇親会などで、カラオケを歌うことを強制したり、歌わないことを理由に嫌がらせを行うハラスメントを指します。
主に上司・先輩など優位な立場の者が、歌うことを拒む部下・同僚に対して「ノリが悪い」「歌えないのか」といった圧力をかけることで発生します。 歌う・歌わないが職場での評価に影響したり、仲間外れにされたりする場合は、ハラスメントと認識されます。
職場でのカラハラ具体例
・宴会で「次は〇〇さんの番」と強制的にマイクを渡す
・上司が部下に「歌わないなら席を外せ」と迫る
・カラオケを断った部下に「ノリが悪いから評価下げるぞ」と言う
マルハラとは、チャットやメールなどの文末に句点「。」(マル)を付けることで、受け手に冷たさや距離感、威圧感を与えるコミュニケーション上のハラスメントを指します。
主にSNS/チャット文化が浸透する中で、文章に“話し言葉のリズム”や“柔らかさ”を期待する若年層と、従来の書面・メール文化に馴染む世代の間で生じる価値観のズレから生まれています。
句点「。」が単なる文の区切りではなく「話を終わらせる」「もう関わりたくない」という印象を与えやすく、結果として職場内のコミュニケーション障害や精神的負荷に繋がると指摘されています。
職場でのマルハラ具体例
・返信が「了解しました。」だけで冷たい印象を与える
・短い業務文の「。」が威圧的に受け取られる
・チャットの「確認しました。」がそっけなく感じられる
音ハラスメントとは、周りへの配慮なく発せられる過剰な音によって、周囲に不快感や精神的負荷を与える行為を指します。
たとえば、貧乏ゆすり・ガムの咀嚼音・タイピングなど、日常の“音”が職場でストレス源となるケースが増えています。
実際に集中力低下や精神的ダメージを訴える声が多く、企業のメンタルヘルス対策上も無視できない課題となっています。
職場での音ハラ具体例
・キーボードを強く叩いて周囲の集中を妨げる
・休憩中の大声の談笑が業務に影響する
・イヤホンなしで動画音声を流し、不快感を与える
詳しくはコチラ
ブラハラとは、血液型に基づく偏見や固定観念を押しつけ、相手に不快感や精神的苦痛を与えるハラスメントを指します。
「あなたは〇型だから〜」といった根拠のないステレオタイプを当てはめる行為から生まれ、軽い雑談のつもりでも、繰り返されると人格否定につながる場合があります。
科学的根拠のない分類を基に人を評価することで、職場の人間関係に悪影響が出る点が問題視されています。
職場でのブラハラ具体例
・「B型は自己中心的」など血液型で性格を決めつける
・業務のミスを「O型だから大雑把」などと関連付けて話す
・会話の中で血液型を話題にし、相手に不快感や疎外感を与える
ダイハラとは、方言や訛り、出身地域の言語的特徴を理由に、相手を低く扱ったり揶揄したりすることで、不快感や精神的負荷を与えるハラスメントを指します。
「標準語で話せ」「そんな言い方じゃ伝わらない」といった発言だけでなく、方言をからかった冗談や「この地域の人は…」という固定観念を強める言動も、受け手には抑圧的に感じられます。
職場では、出身地や話し方の違いが些細な話題になりやすく、それが積み重なることで、異なる背景をもつ従業員の居心地を悪化させるリスクがあります。
職場でのダイハラ具体例
・会話中に「〇〇弁だと何言ってるか分からないね」と出身地の言葉をからかう
・研修で「標準語で話せないとお客様に印象悪いよ」と一律に指摘する
・部署飲みの席で、「そんな田舎の言葉使うなよ」と言う
セクハラとは、職場において行われる性的な言動に対し、労働者がその対応によって不利益を受けたり、性的な言動によって就業環境が害される行為のことと定義されています。
性的な言動には、発言・行動・視覚的要素を含むさまざまな形態があり、被害者・加害者ともに男女を問いません。
また、セクハラは大きく以下2つの類型に分類されます。
| 類型 | 説明 |
|---|---|
| 対価型 | 性的な言動への対応を理由に配置・昇進・評価など就業上の不利益を与える行為 |
| 環境型 | 性的な発言・図画・身体的接触などによって職場環境を不快にし、業務に支障を与える行為 |
参照:ハラスメントの類型と種類|あかるい職場応援団 厚生労働省
職場でのセクハラ具体例
・性的な冗談や身体的特徴に関する発言を繰り返す
・わざと体を触れさせる、肩に触れるなどの身体的接触
・性的関係を断ったことで業務上の不利益を示唆する
ジェンハラとは、性別または性別に基づく固定観念を根拠に、個人を差別・軽視・役割付けする言動によって職場で不利益や心理的負荷を与えるハラスメントを指します。
「男だからこうあるべき」「女なのに〇〇だ」といった性別役割の押しつけや、性的少数者(LGBTQ+)に対する侮蔑的な発言がその典型です。
これらの言動は、法令上の差別禁止の趣旨とも抵触し得るため、組織として見過ごせない課題です。
職場でのジェンハラ具体例
・「女性なのに管理職とは珍しいね」と性別を理由に特別扱いする
・「男なんだからもっとバリバリやれ」「女だから雑用ね」という性別役割の押しつけ
・「あいつゲイだからチームに合わないだろ」と性的指向を理由に排除する
詳しくはコチラ
マリハラとは、結婚に関する価値観やライフスタイルを相手に押しつけたり、結婚の有無を理由に不当な扱いや発言を行うハラスメントを指します。
発言者に悪意がなくても成立する点が特徴で、何気ない言葉が結婚観の強制やプライバシーの侵害につながるケースが多く見られます。
性別を問わず、未婚・既婚・離婚歴の有無など、個人の人生に踏み込む言動が職場の心理的安全性を損なう原因となります。
職場でのマリハラ具体例
・未婚の社員に「いつ結婚するの?」と繰り返し尋ねる
・既婚社員に「家庭があるから転勤は無理だよね」と勝手に決めつける
・離婚歴のある社員に「一人で寂しくない?」と発言する
SOGIハラとは、性的指向(Sexual Orientation)や性自認(Gender Identity)を理由に不当な扱いや差別的言動を受けるハラスメントを指します。
「SOGI」は誰もが持つ性の属性であり、この観点からの侮辱・無視・アウティング(当事者の性的指向/性自認を本人の同意なく公表)などが問題視されています。
企業には、こうした言動を防止する義務が生じており、職場での対応が急務となっています。
職場でのSOGIハラ具体例
・「お前、女装してるのか?」と性的指向を揶揄する発言
・性自認を理由に無視や隔離される配置転換などの差別的取扱い
・トランスジェンダーであることを周囲に無断で暴露し、職場で居づらくさせる
詳しくはコチラ
ラブハラとは、恋愛や結婚に関する価値観を相手に押しつけたり、交際状況や恋愛経験をしつこく尋ねることで、精神的負担を与えるハラスメントを指します。
「彼氏・彼女いないの?」「結婚はまだ?」といった発言は、雑談のつもりでも、受け手にとってはプレッシャーやプライバシー侵害となる場合があります。
恋愛感情に基づく一方的なアプローチや、関係性を利用した誘いも該当し、職場の心理的安全性を損なう要因になります。
職場でのラブハラ具体例
・上司が部下に恋愛・結婚状況を繰り返し質問し、話題にする
・独身の社員をからかったり、「早く結婚したら?」と価値観を押しつける
・社内SNSやチャットで恋愛に関する私的情報を集めたり共有したりする
エイハラとは、年齢や世代を理由に相手を差別・軽視・排除する言動によって職場に不利益や心理的負荷を与えるハラスメントを指します。
若手だから、年配だからといって能力や意欲を決めつける言動が多く、無意識のうちに発生しやすい点が特徴です。
年齢の違いや世代ギャップを背景にした固定観念が、職場の多様性・チームワークを損なうリスクとなります。
職場でのエイハラ具体例
・「若いんだから雑用でもいいでしょ」と若手にだけ簡易作業を任せる
・「年だから新しいシステムにはついてこられないよね」と年配社員を除外する
・「ゆとり世代は責任感がない」など世代の括りで批判する
詳しくはコチラ
レリハラとは、宗教的信条・慣習を背景にした言動によって、相手に不利益や精神的苦痛を与えるハラスメントを指します。
例えば、上司・先輩からの「〇〇教に入らないか」という勧誘、あるいは信仰していない人を「~だから信用できない」と決めつける発言などが含まれます。
職場においては、上下関係や雇用関係の優位性を背景に行われる場合が多く、見過ごされやすい点が問題です。
職場でのレリハラ具体例
・上司が部下に対し宗教団体への加入を繰り返し勧める
・特定宗教を信仰していない人に対し「やる気がないのは信じていないからだ」と発言
・会議や研修の一環として宗教儀式参加を強要される
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レイハラとは、人種・民族・国籍を理由に相手を差別したり嫌がらせをしたりする言動で、職場において不利益や心理的負荷を与えるハラスメントを指します。
外国人・ハーフ・帰国子女などを「能力が低い」「馴染めない」と決めつけたり、合理的根拠なく日本人と分けて扱うことが含まれます。
グローバル化が進む職場では、無意識にこうした言動が発生しやすく、企業としても早期の対策が求められています。
職場でのレイハラ具体例
・「その名前覚えづらいね」「どこ出身?」と出身や国籍をからかう
・外国人社員に「日本語できるの?」と繰り返し聞く
・日本人と外国人で業務を分類し、外国人だけに負荷の高い仕事を任せる
詳しくはコチラ
独ハラとは、未婚や独身であることを理由に、結婚や交際状況についての質問・価値観の押し付け・生き方の否定などの言動によって、相手に精神的な苦痛やプレッシャーを与えるハラスメントを指します。
「結婚していない=何か問題がある」「独身だから時間があるだろう」といった固定観念が背景にあり、善意のつもりでも受け手には価値観の押し付けや不公平な扱いと映る場合があります。
現代では結婚や交際のあり方が多様化しており、職場ではこうした言動に対する配慮が重要です。
職場での独ハラ具体例
・「そろそろ結婚しないの?」と未婚社員に繰り返し尋ねる
・「独身なら残業できるよね」と既婚者とは異なる負荷をかける
・「結婚できないのは本人の問題でしょ」と生き方を否定する発言
マタハラとは、妊娠・出産・育児休業等を理由に職場で嫌がらせや不利益な取扱いを受け、就業環境が害される行為を指します。
このハラスメントは、制度の利用や妊娠・出産という状態をきっかけに「休めない・戻れない」などの圧力や言動が行われることで、労働者が安心して働けない環境を強いられる点が問題です。
法律(男女雇用機会均等法・育児・介護休業法)で事業主に防止義務が課されている重要なハラスメントです。
職場でのマタハラ具体例
・妊娠を報告した女性社員に「この時期に妊娠は迷惑だ」と言う
・育児休業の申請をした男性社員に「休むなら昇進できない」と伝える
・出産後に時短勤務を希望した女性社員に対し、雑用ばかり任せ業務を外す
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パタハラとは、男性労働者が育児休業・時短勤務などを理由に、上司や同僚から嫌がらせや不利益な取扱いを受け、就業環境を害される行為を指します。
近年、男性の育児参加が促進されている中でも「男は仕事」「育休なんて甘えだ」といった価値観が残る職場では、育児制度利用を理由とした偏見や圧力が発生しています。
企業には、育児・介護休業法などに基づき、男女を問わず育児参加する労働者への環境整備が求められています。
職場でのパタハラ具体例
・育児休業を申請した男性社員に「育休なんて許可しない」と言う
・時短勤務を希望した男性社員に「時短なら昇進資格ないよ」と伝える
・「男のくせに育休?邪魔だな」という発言をする
詳しくはコチラ
ジタハラとは、労働時間の短縮を名目に、業務量の調整や手段を示さないまま「定時退社を強要する」などの言動により、相手に不利益や精神的負荷を与えるハラスメントを指します。
働き方改革の流れで残業削減が推進される一方で、業務量や働き方が見直されないまま「早く帰れ」「残業するな」と退社を強いられる状況が発生し、従業員のモチベーション低下や健康被害を招くケースが増えています。
企業は「時間を減らす=ハラスメントではない」という誤認を避け、勤務時間・業務量・支援体制を整える必要があります。
職場でのジタハラ具体例
・上司が「残業禁止だから終業5分以内に退社」と指示し、業務量は変わらない
・「定時で帰るのが当たり前」と言われながら、実質的に持ち帰り残業を強いられる
・「ノー残業デーだから今日中には終わらせろ」と過度な納期を設定される
ケアハラとは、介護を理由として職場で制度利用を妨げられたり、嫌がらせや不利益な扱いを受けたりするハラスメントを指します。
仕事と介護を両立する従業員が増えるなか、介護休業や短時間勤務を申請した際に「迷惑だ」「終わるまで気が抜けないね」といった態度を向けられるケースが目立っています。
法律では、介護休業等の利用を理由としての解雇・降格・配置転換などの不利益取扱いは禁じられており、企業には適切な配慮が求められています。
職場でのケアハラ具体例
・介護休業を申請した社員に「休むなら昇進できないよ」と伝える
・介護を理由として残業しない社員に対し「私たちがフォローして当然だよね」と嫌味を言う
・介護のため短時間勤務を希望した社員を雑務中心の業務に配置替えする
リモハラとは、オンライン会議やチャットなどリモートワーク環境での言動によって、相手に不利益や精神的負荷を与えるハラスメントを指します。
勤務時間外の連絡強要や、監視を目的とした過剰なオンライン接続の要求など、在宅勤務だからこそ起こりやすい問題が特徴です。
対面では見えにくい圧力や干渉が発生しやすいため、企業には新しい働き方に応じた適切な運用・マナー整備が求められます。
職場でのリモハラ具体例
・勤務時間外にチャットやビデオ通話で連絡し、即時返信を求める
・常時カメラオンを強制し、在宅環境まで細かく注意する
・オンライン会議で特定の社員だけ発言を制限したり、無視する
リスハラとは、企業が従業員を「自主退職」へ追い込む目的で、退職勧奨・配置転換・業務負荷の増大・職場環境の悪化などを通じて行う嫌がらせや圧力行為を指します。
たとえ「退職勧奨」という名目であっても、従業員の意思を無視して繰り返し働きかけたり、通常の指導や改善措置を逸脱した扱いを行ったりすれば、ハラスメントと認定される可能性が高くなります。
企業のリストラ戦略が背景にあるケースでは、被害者が精神的に追い込まれ、離職だけでなく損害賠償問題へ発展することもあります。
職場でのリスハラ具体例
・業務のない「居るだけ」の部署へ配置転換して居づらくする
・「君は将来性がない」と繰り伝えて、退職させようとする
・自主退職を促すために過剰な業務量を課し、評価や処遇を否定する
スメハラとは、他人に強い不快感や精神的な負担を与える“におい”を原因としたハラスメントを指します。
体臭・口臭・タバコ・香水・柔軟剤など、においの種類は多様ですが、職場ではその“匂いがあるがゆえの居づらさ”が問題となっています。
嗅覚という感覚の特性もあり、「明確な基準がない」「本人に自覚がない」ケースが多いため、企業としての配慮と対策が特に重要とされています。
職場でのスメハラ具体例
・臭くて近づけないほど汗や体臭が強い
・香水やコロンの香りが強すぎて、周囲から「空気がきつい」と言われる
・タバコの臭いや食事後のニオイが服に残り、同僚が席を離れるようになる
スモハラとは、職場において喫煙者が非喫煙者に対して、たばこの煙・におい・喫煙行為を通じて不快感や健康被害を与えるハラスメントを指します。
改正健康増進法により事業場での受動喫煙防止が義務化されているにもかかわらず、喫煙室からの煙・車内喫煙・会議室での喫煙など、受動喫煙環境が残る職場では非喫煙者の精神的・身体的な負担が深刻です。
ハラスメントとして捉えられる以上、企業は単なる「禁煙」ではなく、職場環境全体の配慮を行う必要があります。
職場でのスモハラ具体例
・会議室で上司が喫煙し、非喫煙者が煙を避けられない状況になる
・車での移動中に同席者がタバコを吸い、非喫煙者が煙を長時間吸わされる
詳しくはコチラ
エアハラとは、空調など“エアー(空気)”を背景とした嫌がらせで、相手に不快感や心理的負担を与える言動を指します。
具体的には、猛暑や寒冷時にエアコン調整を拒まれ体調を崩したりすることが含まれます。
温度・湿度・雰囲気など目に見えにくい環境が原因となるため、個人差や認識差が生じやすく、管理部門として配慮が求められます。
職場でのエアハラ具体例
・猛暑日にもかかわらず「節電だから」とエアコン使用を制限される
・冷房の風が直接当たる席を特定の社員だけに割り当てられる
ハラハラとは、業務上適切な指導・注意・指示などに対し、それを「ハラスメントだ」と過剰に主張することにより、相手に心理的負担や職場環境の悪化を引き起こす嫌がらせを指します。
ハラスメント防止が社会的に強く意識される中で、本来の正当なコミュニケーションや指導の場面までもが「ハラスメント扱い」される風潮が生まれています。
このような現象は、管理職が指導に慎重になりすぎる「回避型コミュニケーション」を生み出し、結果として部下指導や組織の成長を阻害するリスクがあります。
職場でのハラハラ具体例
・部下への仕事の進捗確認を「ハラスメントだ」と主張される
・適切なノルマ設定を「無理な要求=ハラスメントだ」と反発される
・プライベートな会話を「侵害だ」と解釈され、指摘がトラブル化する
セカハラとは、あらゆるハラスメント被害を相談・申告した後に、被害者がさらに不利益や心理的負荷を受ける「二次被害」の言動を指します。
例えば、「報告したら居づらくなった」「相談した内容が広まった」「被害を軽視された」といった対応が、被害者の信頼感や安全を損ない、職場内のさらなるトラブルを招く原因となります。
企業としては、ハラスメントの被害対応だけでなく、相談後のフォローや相談窓口の適切な運用も重要な防止ポイントです。
職場でのセカハラ具体例
・被害を相談した社員に「気のせいでは?」と被害軽視の発言をする
・相談内容が加害者や他部署に漏えいして、相談者が孤立する
・相談をきっかけに評価を下げられたり、異動を余儀なくされたりする
詳しくはコチラ
テクハラとは、IT機器やデジタルツールの操作が苦手な従業員に対し、知識や操作能力の格差を理由に不当な負荷や侮辱的な対応をするハラスメントを指します。
デジタル化が進む職場では、ITリテラシーの高い人が「できて当然」という前提で扱うことで、操作が苦手な人に過剰な期待や無言のプレッシャーをかけるケースが増えています。
加えて、操作を強制したり、苦手な人を冷遇したりする言動は、単なる指導を超えて不公平な扱いとして認識されやすく、組織としてその対策が求められています。
職場でのテクハラ具体例
・ITに不慣れな社員に対し、「なんでこんなに時間がかかるの?」と繰り返し責める
・デジタルツールの導入を説明せず、苦手な人にだけサポートなしで運用を任せる
・チャットでのやり取りを強制し、パソコン入力が苦手な社員を除外する
ホワハラとは、上司や先輩が部下・後輩に過剰な配慮や保護を示すことで、成長機会を奪い、結果として不利益や心理的負荷を与えるハラスメントを指します。
善意からの「残業しなくていい」「気楽にやろう」の言葉が、実はチャレンジの機会を減らしていたり、重要な仕事を割り振られなかったりする構造を生み出します。
これは、労働施策総合推進法(改正「パワハラ防止法」)で定義される「過小な要求」の類型とも関連しており、見過ごせない職場課題となっています。
職場でのホワハラ具体例
・「この仕事は難しいから私がやるよ」と部下に任せず成長機会を奪う
・残業禁止を強調しつつ業務量はそのままで、実質的に隠れ残業が常態化する
・ミスを指摘せず「気楽にやろう」と指導を控え、部下が自分の課題を把握できない
就ハラとは、就職活動中やインターンシップ中の学生等が企業の採用担当者や関係者から、優越的な立場を背景に不当な言動を受けるハラスメントを指します。
たとえば、「内定を出す代わりに他社の選考を辞退させる」「性的な言動をする」「過度なプレッシャーをかけて人格を否定する」など、選考過程で発生するさまざまな行為が含まれます。
近年では、内定辞退を迫る「オワハラ(就活終われハラスメント)」も就ハラの一形態として注目されています。
職場での就ハラ具体例
・企業が内定を条件に、学生に他社の選考辞退を強要する
・面接で性的関係を暗に促され、「断ったら不採用」と告げられる
・インターン中に質問・指導を超える威圧的な態度や人格否定的な言動を受ける
詳しくはコチラ
ハラスメントというと「上司から部下に対して起こるもの」というイメージが強いですが、実際には 部下から上司へ、同僚同士の関係性の中でも発生しています。
部下によるハラスメントは、「弱い立場の部下→強い立場の上司」という固定観念があるため、表面化しにくい傾向があります。
しかし実際には、業務を故意に妨害したり、SNS 等で上司を誹謗中傷したりといった行為が、職場のマネジメントに深刻な悪影響を与えるケースもあります。
部下側が多数派であるチーム内では、上司が孤立しやすく、相談しにくい点も大きなリスクです。
職場でのモラハラ具体例
・指示や依頼を意図的に無視する、必要な情報を共有しない
・上司の人格や能力を SNS・社内チャットで批判する
・上司を孤立させるためにチームで結束し、業務を妨害する
詳しくはコチラ
同僚間のハラスメントは、上下関係が見えにくい分、「ただの人間関係のトラブル」と誤解されがちです。
しかし、特定の社員を無視したり、仕事を押しつけたりといった言動は、明確にハラスメントに該当します。
業務負荷や役割の差から、同僚間でも優位性が生まれやすく、近年では相談件数も増加傾向にあります。
職場でのモラハラ具体例
・グループで特定の社員だけを排除し、情報共有しない
・仕事を一方的に押しつけたり、責任を擦りつける
・陰口や悪口を広め、業務に支障をきたす
詳しくはコチラ
ハラスメントは「明らかに悪質な行為」だけではなく、日常的な言動が相手に不快感や精神的負担を与えることで成立するケースもあります。
しかし一方で、ハラスメントに該当するかどうかは状況によって判断が変わりやすく、「どこからがNGなのか」が分かりにくいのも事実です。
ここでは、職場でしばしば見られるシーンをもとに、その判断基準を解説します。
結論として、業務に必要なコミュニケーションを意図的に遮断する行為はハラスメントに該当します。
特に、相手を孤立させたり、チームから排除する目的で無視を続ける行為は、パワハラの類型である「人間関係からの切り離し」に該当します。
一方で、業務上の行き違いや、偶発的なすれ違いによる“単発の無視”は直ちにハラスメントとは限りません。
ポイントは、「意図的かどうか」「継続性があるか」「業務に支障が出ているか」の3点です。
詳しくはコチラ
マイクロマネジメントとは、部下の行動を過剰に監督したり、細部まで干渉するマネジメントスタイルを指します。
行為自体は「業務指導」の範疇に含まれるため、必ずしもハラスメントではありません。
しかし、以下のような状態になるとハラスメントに該当する可能性があります。
・指示や依頼を意図的に無視する、必要な情報を共有しない
・上司の人格や能力を SNS・社内チャットで批判する
・上司を孤立させるためにチームで結束し、業務を妨害する
適切な指導とハラスメントの境界は非常に繊細なため、指導側は「目的」と「態度」が適正かを常に確認することが重要です。
結論として、強制的に一発芸を求める行為はハラスメントに該当する可能性が高い行為です。
新入社員の立場は弱く、断りにくい状況に置かれやすいため、上司や先輩が「場を盛り上げるため」「毎年の恒例だから」といった理由で求める行為は、パワハラやセクハラにつながります。
特に、断れない関係性を利用して強制したり、恥をかかせる目的で行う、性的・身体的要素を含む芸を求める場合は、明確にハラスメントと判断されます。
「自主的にやっているように見える」場合でも、周囲の圧力があればハラスメント成立の可能性があるため、企業として禁止するケースが増えています。
詳しくはコチラ
ハラスメントを防ぐためには、個人の意識や行動だけでなく、企業としての明確な方針と仕組みづくりが不可欠です。
特に人事労務をはじめとした管理部門は、従業員が安心して働ける環境を整えるための中心的役割を担っています。
ここでは、企業として取り組むべき代表的な防止策を紹介します。
ハラスメント防止の基本は、「知らずに加害者にならないための教育」 です。
企業には、従業員一人ひとりが適切な知識を身につけられるよう、定期的な研修を提供する責任があります。
近年は、パワハラ・セクハラだけでなく、カスハラ・アルハラ・フキハラなど多様な形態を周知することも重要になっています。
企業としての姿勢を明確にするためには、ハラスメント防止に関するルールを文書化しておくことが大切です。
ただし、近年はハラスメントの種類が非常に多岐にわたるため、すべてを個別に記載することは現実的ではありません。
そのため、多くの企業では以下のような方針を示す形で規定を定めています。
また、規程を整備しただけでは不十分なため、従業員に向けた周知や、定期的な見直しも重要です。
ハラスメントを早期に発見・対応するには、安心して相談できる窓口の存在が欠かせません。
匿名・記名いずれの相談にも対応できるようにしておくことで、相談のハードルを下げられます。
また、相談後のフォロー体制も重要です。
内容の把握にとどまらず、必要に応じて配置転換や心身のケア、安全確保などの措置を講じることで、従業員が安心して働き続けられる環境が整います。
相談したことで不利益を受けるのではないかという不安を払拭するため、人事部門は報復禁止の方針を明確に示し、全社に周知していくことが求められます。
A.適切な業務指導はパワハラには該当しません。
パワハラと判断されるのは、優越的な立場を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動を行い、相手の就業環境を害した場合です。
たとえば、人格否定を含む叱責や、長時間にわたり威圧的な口調で責め続ける行為などが該当します。
一方、業務の改善を目的とした具体的かつ合理的な指導はパワハラではありません。
指導の目的、言い方、頻度、状況が重要な判断ポイントになります。
詳しくはコチラ
A.状況に応じて、社内外の窓口や法的手段を使って訴えることができます。
まずは会社内の相談窓口(人事部・コンプライアンス窓口・外部委託窓口など)に相談し、事実確認や改善措置を求めるのが一般的です。
改善されない場合や深刻な被害がある場合は、労働局の「総合労働相談コーナー」や労働基準監督署に相談できます。
さらに、損害賠償請求など民事上の法的手段をとることも可能です。
メールや記録などの証拠があると手続きが進めやすくなるため、早めの相談・記録が重要です。
職場で起こるハラスメントは、パワハラやセクハラといった典型的なものだけではなく、価値観や働き方の変化に伴って多様化・複雑化しています。
些細なコミュニケーションの行き違いが「ハラスメント」と捉えられやすくなり、企業側としても慎重な対応が求められる時代になっています。
そのため、従業員同士が尊重し合い、安心して意見を伝えられる職場の雰囲気づくりこそが、ハラスメントを未然に防ぐ最も有効な取り組みです。
企業の持続的な成長のためにも、日常のコミュニケーションから職場づくりを見直していくことが大切です。
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