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固定資産は、減価償却を行っていても帳簿上は資産として残り続けます。
そのため、使用していない設備や備品が帳簿上だけ残っているケースも少なくありません。
こうした不要となった固定資産を帳簿から除くために行うのが「除却」という会計処理です。
本記事では、固定資産の除却について、基本的な考え方から税務上の取り扱い、記帳方法の違い、仕訳例、有姿除却まで、実務で押さえておきたいポイントを解説します。
固定資産として計上した資産は、今後使用する見込みがなくなった場合、「除却」という会計処理を行うことができます。
実際に廃棄する場合も、帳簿上では除却処理が必要です。
固定資産は耐用年数を経過すると減価償却が完了しますが、帳簿上は備忘価額が残ることがあり、そのまま保有していると資産として計上され続けます。
使用しなくなった資産を除却することで、帳簿上に残る未償却残高を除却損として当該事業年度の損金に算入でき、税務上の整理も同時に行える点がメリットといえます。
固定資産の「除却」は、廃棄・売却・減損と混同されやすい処理です。
それぞれ目的や会計上の扱いが異なるため、違いを正しく理解しておくことが重要です。
廃棄とは、固定資産を実際に捨てたり処分したりする行為そのものを指します。
一方、除却は、固定資産を帳簿上から除く会計処理です。
実務では、使用を終了した固定資産を廃棄する際に、帳簿上でも除却処理を行うことで、資産の実態と会計処理を一致させます。
減損とは、固定資産の収益性が低下し、投資額の回収が見込めなくなった場合に行う会計処理です。
資産を引き続き使用している場合でも行われる点が、使用終了を前提とする除却との大きな違いです。
売却とは、固定資産を第三者に有償で譲渡することを意味します。
売却によって資産は手元からなくなりますが、代わりに現金や預金が増加します。
売却額が帳簿価額を下回る場合は「固定資産売却損」、上回る場合は「固定資産売却益」として処理されます。除却は対価を伴わず資産を帳簿から除く点で、売却とは大きく異なります。
固定資産を除却した場合、帳簿上に残っている未償却残高は「固定資産除却損」として処理されます。
税務上も、実際に使用を終了し、廃棄や取り壊しなどによって資産としての価値が失われていることが客観的に確認できる場合には、損金として取り扱われるのが原則です。
ただし、単に「使っていない」「将来使う予定がない」といった理由だけでは足りず、現実に廃棄した事実や、事業の用に供さないことが明確であることが重要です。
そのため、廃棄証明書や写真、社内稟議書など、除却の事実を裏付ける資料を残しておくことが実務上求められます。
また、固定資産除却損は、減価償却のように毎期計画的に計上するものではなく、除却を行った事業年度に一括で計上される点も特徴です。
会計処理と税務上の取り扱いを一致させるためにも、除却のタイミングや根拠を明確にしておく必要があります。
固定資産の除却処理は、採用している記帳方法によって仕訳の形が異なります。
固定資産の記帳方法には、大きく分けて「直接法」と「間接法」があり、それぞれ除却時の処理方法に違いがあります。
直接法は、減価償却を行うたびに固定資産の帳簿価額そのものを直接減額していく方法です。
このため、除却時には、減価償却後の帳簿価額(未償却残高)をそのまま固定資産から除く処理を行います。
たとえば、取得価額100万円の機械装置を減価償却により55万円まで減額している場合、除却時にはその55万円を固定資産除却損として処理します。
【直接法で固定資産を除却する場合の仕訳例】
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 固定資産除却損 | 550,000 | 機械装置 | 550,000 |
間接法は、固定資産の取得価額を帳簿上に残したまま、「減価償却累計額」という勘定科目で償却額を管理する方法です。
多くの企業や会計ソフトで採用されている一般的な記帳方法といえます。
間接法で除却を行う場合は、まず固定資産の取得価額全額を帳簿から除き、あわせて減価償却累計額を取り崩します。
そのうえで、取得価額と減価償却累計額との差額である未償却残高を「固定資産除却損」として計上します。
たとえば、取得価額100万円、減価償却累計額45万円の機械装置を除却する場合、減価償却累計額45万円を借方に計上し、機械装置100万円を貸方から除いたうえで、差額の55万円を固定資産除却損として処理します。
間接法では仕訳がやや複雑になりますが、固定資産管理台帳との整合性を保ちやすい点が特徴です。
【間接法で固定資産を除却する場合の仕訳例】
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 減価償却累計額 | 450,000 | 機械装置 | 1,000,000 |
| 固定資産除却損 | 550,000 | ||
固定資産の除却処理は、未償却残高の有無や、廃棄費用・売却の有無などによって仕訳が異なります。
ここでは、実務で発生しやすい代表的なケースについて、間接法を前提に仕訳例を整理します。
簿価1円の固定資産とは、耐用年数に基づく減価償却が完了した後も引き続き使用していた固定資産を指します。
帳簿上の金額は僅少であっても、使用を終了した時点で資産を帳簿から除くため、除却処理が必要です。
前提
・取得価額:1,200,000円
・減価償却累計額:1,199,999円
【間接法で固定資産を除却する場合の仕訳例】
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 減価償却累計額 | 1,199,999 | 機械装置 | 1,200,000 |
| 固定資産除却損 | 1 | ||
固定資産を除却する際に、撤去費用や廃棄処分費が発生することがあります。
これらの費用は、固定資産の除却に直接伴って発生するものであるため、原則として固定資産除却損として処理します。
なお、消費税が含まれる場合は、仮払消費税の計上も必要です。
前提
・取得価額:800,000円
・減価償却累計額:500,000円
・廃棄費用:8,800円(うち消費税800円)
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 減価償却累計額 | 500,000 | 備品 | 800,000 |
| 固定資産除却損 | 300,000 | 現金 | 8,800 |
| 固定資産除却損(廃棄費用) | 8,000 | ||
| 仮払消費税 | 800 | ||
除却対象の固定資産が中古品として売却できる場合は、除却と同時に売却処理を行います。
売却額が帳簿価額を上回る場合は「固定資産売却益」、下回る場合は「固定資産売却損」として処理します。
売却収入には消費税が課税されるケースがあるため、消費税区分にも注意が必要です。
前提
・取得価額:1,500,000円
・減価償却累計額:1,100,000円
・売却価額:460,000円
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 預金 | 460,000 | 車両運搬具 | 1,500,000 |
| 減価償却累計額 | 1,100,000 | 固定資産売却益 | 60,000 |
前提
・取得価額:700,000円
・減価償却累計額:420,000円
・売却価額:50,000円
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 預金 | 50,000 | 備品 | 700,000 |
| 減価償却累計額 | 420,000 | ||
| 固定資産売却損 | 230,000 | ||
ソフトウェアや特許権などの無形固定資産についても、使用を終了し、今後利用する見込みがなくなった場合には除却処理を行います。
未償却残高がある場合は、有形固定資産と同様に固定資産除却損として計上します。
前提
・取得価額:600,000円
・減価償却累計額:360,000円
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 減価償却累計額 | 360,000 | ソフトウェア | 600,000 |
| 固定資産除却損 | 240,000 | ||
有姿除却とは、実際に解体や廃棄をしていなくても、使用を終了し今後利用見込みがない固定資産について、処分見込価額を控除した金額を除却損として処理できる会計上・税務上の考え方です。
国税庁の公式ページでは、「有姿除却」を以下のように定義しています。
次に掲げるような固定資産については、たとえ当該資産につき解撤、破砕、廃棄等をしていない場合であっても、当該資産の帳簿価額からその処分見込価額を控除した金額を除却損として損金の額に算入することができるものとする。(昭55年直法2-8「二十五」により追加)(1) その使用を廃止し、今後通常の方法により事業の用に供する可能性がないと認められる固定資産
(2) 特定の製品の生産のために専用されていた金型等で、当該製品の生産を中止したことにより将来使用される可能性のほとんどないことがその後の状況等からみて明らかなもの 引用元:除却損失等の損金算入
固定資産の除却とは、使用を終了した資産を帳簿から除き、固定資産の実態と会計処理を一致させるための処理です。
廃棄・売却・減損とは目的やタイミングが異なるため、混同せず判断することが重要です。
除却時に未償却残高がある場合は固定資産除却損として処理し、税務上は「使用終了と価値喪失」を客観的に示せる資料の有無がポイントとなります。
また、直接法・間接法によって仕訳は異なり、簿価1円資産、廃棄費用、売却、有姿除却、車両のリサイクル預託金など、ケース別の処理を正しく押さえることで、固定資産管理の精度を高めることができます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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