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2025年12月27日(土)~2026年1月4日(日)は年末年始休業のため、お問合せなどのご連絡は1月5日(月)以降になります。ご了承くださいませ。
台風や大雨に見舞われる日が増えるこれからの季節。警報が出されるレベルの大雨の日は、交通機関が乱れ、従業員の出勤、退勤に大きな影響があり、通勤途中の被災のリスクもあります。こうした時期、話題になるのが、「大雨の日は、無理して出勤させないほうがいいのではないか」という意見です。今回は、大雨の日の出勤について、企業はどうしたらよいのかについて、考えてみたいと思います。
大雨警報が出るほどの天気が予報されている場合でも、従業員を出勤させてはならないという法的な定めはありません。しかし、企業においては、従業員の安全確保のため、出社させるべきか否かの判断に迷うこともあるのではないでしょうか。
というのも、明らかに警戒しないといけないほどの大雨や大雪にもかかわらず、無理に出社させたところ、通勤途中で従業員が被災した場合、企業は安全配慮義務違反になる可能性があるからです。
安全配慮義務とは、従業員が安全で健康的に働けるように配慮しなければならない、という企業に課されている義務のことです。
これについて、労働契約法第5条では、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することが出来るよう、必要な配慮をするものとする」と明記されています。
大雨の日に企業ができる対策として次のようなものが考えられます。
台風や、大雨警報などが出ている場合、予め、従業員には無理して出勤しないで自宅待機するように促すことを考えてもよいでしょう。出勤後、ますます雨が強くなり、途中で帰宅命令を出したとしても、その頃には交通機関が止まり、帰宅難民を余儀なくされる人が続出するかもしれません。そうなれば、「そもそも、なぜ出社させたのか」という問題になることも懸念されます。
事前に自宅待機を促している場合でも、当日の早い段階で出勤に関する連絡を行うべきでしょう。雨が一時的に弱まるなどすれば、従業員はいつでも出勤できる心構えをしている場合もあります。そのため、当日の早い段階で出勤に関する連絡を行い、休みの場合には安全第一で過ごしてもらうようにしましょう。
大雨の日の勤怠管理について以下のことを確認しましょう。
大雨の日でも出勤させる場合、交通機関のマヒによる遅刻や欠勤が発生する可能性があります。このようなときには有給休暇の取得を促すことも考えられます。2019年4月以降、働き方改革法案の一環として、すべての企業で年10日以上有給休暇の権利がある従業員は年に最低でも5日以上の有給休暇を与えることが義務づけられました。交通機関のマヒというやむを得ない事情といえども就業規則に照らし合わせると遅刻・欠勤扱いになってしまう可能性があります。そのため、企業・従業員の双方にとって有給休暇を取得することが望ましいといえるでしょう。
大雨や台風のために勤務途中でも、帰宅命令を出すことがあります。このような場合、企業は従業員に給与を支払う必要はあるのでしょうか?
これは労働基準法第26条に「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない」とあるため必要な額の給与を支払う必要があります。
本来、従業員は労働を行う対価として賃金を得るため、会社命令での業務停止は対象額の給与しか支払われない可能性がありますが、法律的に働かなかった分は支払わなくてもいいことになっていても、従業員のモチベーションを考慮して、帰宅命令により早期退社をさせても1日分の給料を支払う企業もあります。
また多くの正社員の場合、アルバイトやパートのように時間給が加算されていく給与形態ではありません。そのため、帰宅命令により働かなかった分の給料については、毎月の支給される賃金から減額処理を行うことになります。このときに複雑な賃金計算と処理が必要になるため、企業としてはできるだけ手間を避けたいという理由から減額処理は行わずに1日分の給料を支払ったほうが割に合うと考えることもあります。
帰宅命令が出されたときに担当部署もしくは責任者から賃金の扱いについては説明が行われると思いますので、不明点がある場合には当日もしくは後日にでも確認してみるといいでしょう。
昨今では以前のように「大雨や台風の日でも仕事に行くべき」という考え方は理解されづらくなってきたように思います。
企業は、安全配慮義務の違反のリスクを懸念するだけでなく、まずは従業員のモチベーションを含め、安全を第一に考えることがこれからの時代、求められるのではないでしょうか。
※本記事の内容について参考にする際は、念のため関連省庁にご確認ください
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