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近年、パワハラやセクハラによる被害への注目度が高まっていますが、アルコールハラスメント略して「アルハラ」もまた気を付けなければいけない行為の1つです。アルハラは最悪の場合、ハラスメントを行ったその場で相手の命を奪うことにもなりかねないため、組織全体で対策を考えていく必要があるでしょう。
今回はアルハラついて取り上げ、その実態と防止策について紹介します。
目次【本記事の内容】
「アルハラ」とはアルコールハラスメントの略称で、飲酒に関わる迷惑行為や嫌がらせ、人権侵害のことです。アルコール問題に取り組む特定非営利法人ASKと「イッキ飲み防止連絡協議会」は、アルハラに分類される行為として以下の行為を挙げています。
飲酒の強要 | 上下関係や集団によるはやしたてによって相手に心理的な圧力をかけ、お酒を飲ませようとする行為。 |
イッキ飲みや早飲みの強要 | 場を盛り上げることを目的に、特定の人にイッキ飲み(一息で飲み干すこと)や早飲みをさせる行為。2人を名指しで指名して、早飲み競争をさせることもアルハラに含まれます。 |
意図的な酔いつぶし | 相手を酔いつぶすことを目的とした飲み会を開催する、などの行為。 |
飲めない人への無配慮 | 体質的にお酒が飲めない人に、無理に飲酒を勧める行為。また飲めない人を侮辱すること、お酒以外に飲み物を出さないなどの行為もアルハラに該当します。 |
酔った上での迷惑行為 | 酔った人がする暴言や暴力などのひんしゅくを買う行為。 |
ゼネラルリサーチ株式会社が行った調査(全国20~60代の男女1,309人を対象、2018年12月6日~7日に実施)によると、「アルハラを受けた経験がありますか」の問いに対して、「はい」との回答割合は18.1%、「アルハラまではいかないが、お酒を強要された経験がある」の回答割合は21.6%でした。先に挙げたASKとイッキ飲み防止連絡協議会の定義ではお酒の強要もアルハラに該当するので、そのことを踏まえると全体の約4割がアルハラを受けた経験を持っているわけです。
また、アルハラが行われた場所を尋ねたところ、全体の80.2%が「会社での飲み会」と回答し、以下、「大学のクラブやサークル活動内」の26.9%、「友人との飲み会」の22.4%と続いています。職場の上司や同僚との飲み会で起こるアルハラが、全体の約8割を占めているのです。
会社での飲み会でアルハラが起こりやすいシチュエーションの代表例として、新入社員歓迎会が挙げられます。歓迎会の酒席で、新しく入ってきた新入社員に対して上司が飲酒、イッキを強要するというケースが起こりやすいのです。新人が飲酒を断ろうとしても、上司が立場を利用して怒る、脅すなどの行為を行い、断れない状況を作り出します。新人歓迎会や送迎会などの場では祝福する対象が定まっているだけに、その人を標的としたアルハラが行われやすいと言えるでしょう。
また、社員の中に「今年の新人は酒を飲めないので、進めないでください」と上司に注意する人がいて、上司が酔った勢いで注意した社員に「仕事もできないくせに余計なことを言うな」などの暴言を吐いたら、それもアルハラ(酔った上での迷惑行為)です。
ほかにも、年末年始の忘年会や新年会も、上司による部下へのアルハラが起きやすい場所です。飲めない人が無理に飲酒をすると、急性アルコール中毒を発症して命に関わる事態となりかねません。会社としても、そのような事態が起こる前に、従業員への指導・教育を徹底しておく必要があります。
企業としてアルハラに取り組む上では、組織ぐるみで飲酒の強要を許さない空気を作っていくことが大切です。「新人つぶし」などの「伝統」を廃し、もし飲酒の強要により事故が行った場合は厳正に処罰する旨を周知徹底するようにしましょう。その際、従業員に対してアルハラは死に直結する危険性があること、体質的に飲めない人がいることなど、正しい知識を広める必要があります。社内研修等の中で、アルハラについて学べるよう啓発活動を行うことが望ましいです。
個人として自分が受けるかもしれないアルハラを防止する・避ける方法としては、そもそもアルハラを受けそうな飲酒の場に参加しないというのが最も適切な方法といえます。やむを得ず参加する場合は、アルハラの理解がある上司や先輩に前もって相談する、お酒が飲めない体質であれば飲んだ場合の危険性を周りに伝えるなどの対処法を取りましょう。飲酒を避けるために、車の運転手として参加する(運転手に飲酒を勧めることは違法)などの方法もあります。
飲み会の席は、職場の上司や同僚とのコミュニケーションを活性化させる場となるのは確かですが、お酒を無理に飲ませようとすることはアルハラに該当します。企業・職場で飲み会を開く場合はアルハラに理解のある人を幹事として選び、アルコール以外の飲み物を必ず確保するなど、飲めない・飲まない人に配慮する必要があるでしょう。急性アルコール中毒で従業員が亡くなるという最悪の事態を避けるためにも、各企業には従業員への啓発活動を充実させるなど、アルハラを撲滅する活動を進めていくことが求められます。
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