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固定資産税は、土地や家屋(社屋)などの資産所有者に課税される地方税(地方税法第343条第1項)です。今回は、ビジネスパーソンとして知っておくべき固定資産税の種類と歴史について、まとめてみました。
固定資産税の創設は昭和25年です。シャウプ勧告を受けて地方税法が制定され、市町村税として創設されたものです。
課税対象となるのは、土地、家屋(社屋)、有形償却資産です。土地と家屋は、登記簿等で市区町村が把握することが可能ですが、償却資産は登記等では把握することができませんので、申告によって課税しています。
つまり、固定資産税と一口にいっても、土地、家屋(社屋)、有形償却資産3種類があるのです。それぞれ税率も課税方式も違います。
それでは、それぞれの歴史をたどってみましょう。
土地に課税する仕組みが生まれたのは、国税である地租と府県税としての地租附加税が創設された明治6年です。さらに、明治21年には、市町村の地租附加税も創設されました。
昭和22年に地租が地方税に移譲されることになりましたが、それまでの納税者数は800万人を超え、土地に対する税は、国税の主要な税目だったようです。
その後、シャウプ勧告を受け、昭和25年に市町村税の「固定資産税」となり、現在では、地方税の中の重要な税目の一つとなっています。
家屋への課税である家屋税の創設は、明治15年です。ただし、この時点では、東京、大阪、京都、神奈川の大都府県に限定して課せられていました。
明治21年には、東京、大阪、京都、神奈川の市町村にも家屋税附加税が課せられるようになり、明治23年には全国の市町村でも課税が始まりました。
償却資産の元となったのは、原動機や冷凍機、織機、製材機、印刷機など各種事業用償却資産に対して市町村が課税していた法定外独立税のようです。
固定資産税の税率は1.6%の一定税率からスタートし、昭和26年には一定税率から標準税率と制限税率へと改正となり、標準税率1.4%(制限税率は2.1%まで)が、長い間適用されてきました。
現在は、制限税率は廃止となり、税率は都道府県、各市町村が設定することが可能で、標準税率1.4%が適用されているようです。
また、固定資産税は、土地価格の変動に左右されるため、負担水準の均衡化を図る目的で評価額の上昇率に応じた負担調整措置も導入されています。このほかにも、商業地等に係る条例減額制度(平成16年度)、平成21年度には、住宅用地等に係る条例減額制度(平成21年度)も導入されています。
固定資産税は、土地や建物、有形償却資産の価値に応じて、課税されるものです。市町村税収の約4割を占め、都市計画税と合わせると約5割が固定資産税ですから、市町村にとっては、安定的な主要税収といえるでしょう。
土地や建造物などの資産を有する企業の財務、経理担当者は、自社の固定資産の評価基準を押さえておきましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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