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求人依頼を頂く企業へ訪問をすると、「最近は、応募者が少なくて、人材採用が思ったように進まない…。」と経営者や採用担当者の方から嘆きの声が聞こえるケースが増えてきました。厚生労働省が2017年5月30日に発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は前月より0.03ポイント高い1.48倍でした。オリンピック景気に伴い、バブル経済期の水準を超え、1974年2月以来43年2カ月ぶりの高水準です。4月は完全失業率も2.8%と低く、雇用情勢は「売手市場」の様相を更に強めています。
このように採用市場の競争激化に伴い、既存の採用手法とは異なるリファラル採用が流行っているのはご存知でしょうか。今回は、リファラル採用のメリット・デメリット、活用出来る企業の特徴をご紹介します。転職エージェントとの比較もしましたので、採用戦略を検討する際のご参考になれば幸いです。
最初に、リファラル採用の概要を簡単にお伝えします。正式名称は「社員リファラル制度」です。縁故採用の形態の一つですが、経営陣の親族・関係者や得意先顧客からの紹介とは異なり、社員の元同僚や友人・知人などの人脈から候補者を募る採用方法です。自社の風土を理解した社員から候補者の推薦をしてもらう為、企業にとっては適切で質の高い人材を補強出来るという特徴があり、海外では、リファラル採用は既にスタンダードな採用手法となっています。日本国内では、徐々にITベンチャー企業が取り入れ始めており、最近ではリファラル採用を支援するサービスを展開している企業もあります。
一般的な選考とリファラル採用の選考を比較してみましょう。
<一般的な選考>
ステップ1 書類選考(場合によっては+適性検査)
ステップ2 面接数回
ステップ3 内定
<リファラル採用>
ステップ1 面談数回
ステップ2 内定
一般的な選考と大きく異なるのは、書類選考が無いことです。また、面接についても、選考の要素が強いいわゆる「面接」よりも、相互理解の要素が強い「面談」として実施されるケースが多いようです。社員の推薦によってスキル面や人柄、過去の経験についてはある程度担保されている為、少なくとも書類選考、案件によっては一次面接程度までは通過した状態で、面接に進むことが出来るようです。また、副次的な要素ですが、面接官も社員からの紹介なので、応募者に不快な印象を与えないように対応する傾向があるようです。
実際にリファラル採用を取り入れてみて、どのようなメリット・デメリットがあるのか、企業と求職者サイドの両面で比較をしてみたいと思います。
<企業サイド>
メリット
・転職潜在層にアプローチが出来る。
・人物像のミスマッチが少ない。
・採用コストが低い。
・定着率(離職率)が高い。
⇒コスト面やマッチング率を考えると、企業側にとってはメリットが沢山あることが見てとれます。また、本来であれば転職市場で動いていない人材を採用出来る点も特徴です。
デメリット
・計画的な採用が難しい。
・愛社精神の高い社員が必要になる。
・採用戦略を社員に浸透させる必要がある。
・リファラル採用に関するインセンティブ制度設計が必要になる。
⇒候補者が上がってくるタイミングや候補者の経歴・経験をコントロールし辛いので、年間採用計画や急な欠員募集などには向かない傾向があります。社員の協力を得るための、風土や制度作りが必要不可欠の為、コストを抑えられる代わりに手間暇がかかります。
<求職者サイド>
メリット
・風土・労働環境面でのミスマッチが少ない。
・面接までの選考ハードルが低く、まずは話を聞く機会を得ることが出来る。
⇒転職理由で多く聞かれる『入社後の条件相違』は、リファラル採用の場合ではあまり無いので、自分が気になる企業に友人がいる場合には、良いところも悪いところも話を聞いてからご応募される方が良いと思います。
デメリット
・採用内定を断りづらい、入社後に退職し辛い。
・年収やその他条件面での交渉がしにくい。
⇒仲介してくれた知人との関係性を悪くしないために、いざ断る時や退職する時に配慮が必要になります。また、仲介者が第三者ではないため、年収交渉はご自身で対応する必要があります。知人に紹介してもらった手前、年収交渉がしにくいといった話も聞くので、年収に重きを置いている場合は、前もって希望をお伝えしておくことをお勧めします。
海外ではGoogleやFacebookが、リファラル採用に成功しています。米国の採用コンサルティング会社CareerXroadsの調査では、米国企業の採用全体におけるリファラル採用比率は2012年時点で28%を占め、最も多い採用経路になっています。日本では、株式会社ディー・エヌ・エー、株式会社メルカリ、株式会社ビズリーチ、株式会社クラウドワークス、株式会社LIG等がリファラル採用に成功しています。
いくつか要素はありますが、その中でも『愛社精神の強い社員の協力』は必要不可欠です。社員の方を3つの属性に分けると下記のようなタイプに分かれます。
1. リファラル採用関係無しに、自社を積極的に紹介するタイプ
2. 上から要請されたら必要に応じて紹介するタイプ
3. いずれにしても紹介しないタイプ
この中ですと1、2に該当するメンバーから協力を得ること、そして1、2に該当するメンバーを増やすことが必要です。また、そこからどのようにアプローチをするのか、した結果どうだったのか進捗管理をする必要があり、企業側の本気度を社員にも伝えないといけません。
リファラル採用は採用コストを抑えられ、良いマッチングになる可能性が高いのですが、人事や配属先部門の決裁者だけが努力をしても成果は出ません。
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