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PDCAとはビジネスの世界で頻繁に用いられているマネジメントメソッドのことです。ビジネスパーソンであれば、社内研修等でPDCAについて教育を受けた経験を持つ方もいるでしょう。しかし言葉としては知っているものの、具体的に何をどうすることなのか、よく分からないという方は多いのではないでしょうか。
今回はPDCAとはそもそも何か、取り組むことで得られるメリットや実行する上で大切なことは何か、について解説していきます。
PDCAとは「Plan」(計画)、Do(実行)、「Check」(評価)、「Action」(改善)の頭文字を取った言葉であり、もともとは品質管理向上を目的に考案された手法です。
第二次世界大戦後、アメリカの統計学者・大学教授だったエドワーズ・デミングによって提唱され、P→D→C→Aの順に品質管理を進めていくことにより、目標達成に向けた優れたマネジメントを行えるとして注目を集めました。
PDCAのポイントは、このプロセスが単発のものではなく、サイクルとして繰り返されるという点にあります。品質管理の中でPDCAを「回していく」ことで管理システムの質が向上し、より優れた製品を生み出せるようになるわけです。
考案当初、PDCAは主に生産現場で用いられていましたが、現在ではサラリーマンの自己管理手法(セルフマネジメントメソッド)としても広く知られるようになりました。
では具体的に、PCDAにおける各プロセスの内容、実際に何を行うのかについて見ていきましょう。汎用性のある概念なので、ビジネスの場からプライベートな日常生活の場まで幅広く応用できます。
①「Plan」・・・マネジメント目標を設定し、計画の立案を行います。Planを構築する上では、なぜそのような計画を立てる必要があるのかを論理的に考えることが大事です。現状と計画内容にどのくらいギャップがあるのか、そのギャップはなぜ生じているのか、ギャップの解消のためにどのような取り組みが必要なのかを考察し、自分なりの解決策をPlanとして構築します。
②「Do」・・・Planを実行に移します。Plan通りに実行することが望ましいですが、100%その通りに行動できるとは限りません。もし達成できない部分が生じそうな場合は、優先順位をつけて重要なものから実行する等の工夫も必要です。
③「Check」・・・実行した内容を検証する段階です。計画の達成率を客観的に測定した上で、計画通りに行えなかった部分について、なぜ実行できなかったかの要因分析を念入りに行います。
④「Action」・・・Checkの結果を受けて、今後取るべき改善策を検討します。Actionを効果的に行うには、Checkの段階で検証、要因分析を適切に行うことが大事です。もしPlanに大きな問題が無く、成果が順調に出ているようであればDoをそのまま継続しても構いません。しかし思うように成果が出ていないのであれば、Planから練り直す必要があります。
PDCAを導入することのメリットは多いです。まず、PCDAによって組織、個人が目指す目標の達成に向けて、具体的な道筋を作ることができます。
「売り上げを10%アップさせる」、「資格を取得する」などの目標を達成することは、企業・ビジネスパーソンの成長において重要です。PDCAのモデルに従えば、目標達成に向けて立てた計画のどこに問題があったのかを客観的に評価し、改善策を考えることもできます。
計画に問題が無ければ、Doを繰り返し実行していけばよいわけです。目標に向かって漠然と場当たり的に行動するよりも、PDCAに沿って計画的に行動する方がはるかに合理的と言えます。
また、最初にPlanを提示できるので、行動においてやるべきこと(To Do)に集中できるのも大きな利点です。PCDAの導入により、組織であれば構成員が無駄なく行動できるようになり、個人であれば「自分が今すべきこと」を明確にできます。
さらにCheck、Actionを通して、組織・自分が直面している課題がはっきりする、という点も挙げられるでしょう。どこを改善すればより良い成果が生まれるのかを科学的に考えることができるので、問題解決も早まります。
PDCAを行う際、おろそかになりがちなのが「Check」と「Action」です。計画(Plan)を立案し、実行する(Do)という作業は、目標達成に向けた肯定的、前向きな作業なので、組織・個人において行われやすいです。しかし、CheckとActionは「どこがダメだったのか」という自己反省、自己批判を伴う作業なので、組織・個人において積極的に行われない場合があります。
例えば組織の場合、Check段階において「誰に責任があったのか」という責任追及に終始して、「計画のどこに問題があったのか」が客観的に評価されないケースが少なくありません。個人の場合でも、自分の計画、実行における問題点を十分に吟味しないまま、「次はもっと頑張ろう」と精神論に基づいて次の計画を立てようとするケースが生じがちです(思い当たる方も多いのではないでしょうか)。Checkが不十分だと、当然、Checkの内容を踏まえて行われるAction(改善)も十分に行われません。結果として、PCDAはうまく回らなくなります。
PCDAを導入すると、「無謀な計画を立ててしまった」、「計画通りに実行できなかった」等のPlan、Doレベルにおける問題は大なり小なり生じます。しかしそれらの問題を放置せず、Check段階で回収し、Actionとして次のPlanに生かすことがPCDAにおける要です。今後PCDAを実践しようとする場合、特にCheck、Actionがおろそかにならないよう気をつけましょう。
PCDAは組織、個人が合理的な行動を取る上で有効なフレームワークであることは間違いありません。自分の行動を明確化できるだけでなく、サイクルとして繰り返すことで、より優れた計画を立案できるようになっていきます。理論としてはかなり古いため、「時代遅れの考え方」と指摘されることも多いですが、シンプルで明快な原理そのものは、現在でも十分に活用、応用できます。
管理部門の業務でも生かせる部分が多いので、今いちど、組織でも個人でも活用できているか見直してみるとよいでしょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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