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上場企業の課長職といえば、チームのリーダーとして役割はもちろん、部下の育成など、会社からの期待も大きいポストだ。また、実績によっては、さらに上も狙えるポストだ。
一方、部下と上司との板挟みになることも多く、中間管理職ならではの苦労も多いポストでもある。しかし、世間からは紛れもなく羨ましがられる存在でもある現役の課長たちは、課長というポストをどのように受け止めているのだろうか。
学校法人産業能率大学総合研究所は、従業員数100人以上の上場企業で部下を1人以上持つ課長に、職場の状況や課長自身の意識などに関する「第5回上場企業の課長に関する実態調査」を行った。
さて、気になるその結果である。「マネジャーとして十分な権限を与えられていると思うか」の問いには、「思わない」と「どちらかと言えば思わない」の合計が37.4%で、約4割の現役課長は、「十分な権限を与えられていると思わない」という認識を抱いていることが明らかになった。
また、98.5%の課長がプレイヤーとマネジャー業務を兼務し、課長業務のほぼ半分がプレイヤーとしての仕事になっているという。
ここで押さえておきたいのは、プレイヤー業務がマネジメント業務に支障をきたしているかどうかである。「とても支障がある」は14.5%、「どちらかと言えば支障がある」が44.5%で、合わせると59.0%が課長としての仕事の難しさを実感していることもわかった。
では、課長の目には、部下の仕事ぶりはどう映っているのだろうか。部下の業務遂行での課題には、「報・連・相が不十分」がトップで、僅差で「仕事の優先順位をつけられない」「PDCAが回せていない」と続いている。
そして、課長の役割の部下の育成については、業務に直結する「業務の指導」や「成長を考えた仕事の割り振り」については“そこそこ、できている”ものの、業務に直接結びつかない「ジョブローテーション」や「能力開発機会の提供」などは、あまり“できていない” と受け止めているようだ。
課長といえば、労働時間の削減や休暇の取得促進など、「働き方改革」の中心を担うポストでもある。そのうえ、長期的なキャリアを見据えた部下の育成、そしてプレイヤーとしての成果も求められるのだから、決して楽なポストではなさそうだ。そんな課長を支えていくのが、管理部門の中核メンバーたちである。
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