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普通のビジネスパーソンは、通勤費は「自宅から会社までの交通費」と、漠然と認識していたのではないでしょうか。ところが、通勤ルートの決め方にもいろいろあるようです。今回の相談は、出勤時に幼稚園へ子どもを送り届けるルートが通勤ルートに入れるべきか、という疑問です。さて、専門家の回答は?
目次【本記事の内容】
社員が引っ越ししたことに伴い交通費変更届を再提出するよう指示したところ、自宅→幼稚園→自宅→勤務先で一部往復になる箇所がありました。
以前は自宅からの勤務経路途中に幼稚園があったためこのような往復は無かったのですが、引っ越しにより幼稚園と弊社の所在地がほぼ反対方向になったようです。この場合、幼稚園へルートも通勤経路と認めて交通費を支給しますか?
通勤費の決め方には、奥深いものがございます。一つのコラムが書けそうです。
まず通勤費は、給与項目である通勤「手当」です。通勤手当の額やその決め方は、会社様によって違います。通勤手当が一律同額であったり、支給自体が無かったり、1か月定期代を毎月、6か月定期代を半年ごと、1日分を出勤日数に応じて、また通勤手当に上限を設けている会社様もございます。
しかし、給与である以上、規則に則った支払い方をしなければなりません。多くの会社様は、就業規則に、「通勤経路は、最短かつ合理的な方法」で、「通勤手当は、住宅と会社の通勤経路の最も安価な額とする」のような条文を規定しています。
これは、社員様一人ひとりの事情を勘案するのは、実務上大変ですし、通勤費はあくまで「通勤手当」という給与ですので、その額を決めるための、基準とするためです。
つきましては、就業規則(若しくは「通勤手当支給基準」等)をご確認いただき、上記のような条文がございましたら、住宅と会社間の最短合理的かつ安価な通勤経路で算出した、交通費を通勤手当として支給すればよいこととなりますから、幼稚園にかかる交通費の支給はしなくてもよいこととなります。
しかしながら、少子高齢化社会の現在、会社としての社会貢献の一環、福利厚生として、保育園・幼稚園へ分の交通費や、扶養家族の病院に立ち寄った際の交通費、要介護家族の施設へ送り向かいを通勤の途中に行った場合など、これらにかかる交通費を、通勤手当として支給する会社様も存在します。
もし、福利厚生の一環でこれらを通勤手当としてお支払いする場合は、ルールを明確化し、規定に明記する必要がございます。
ちなみに、労災上の通勤災害の定義では、本年1月から、「要介護状態にある配偶者、⼦、⽗⺟、配偶者の⽗⺟並びに同居し、かつ、扶養している孫、祖⽗⺟および兄弟姉妹の介護(継続的に、または反復して⾏われるものに限ります)」が、逸脱復帰条件として加わりました。逸脱中は通勤ではございませんが、逸脱から通常のルートに戻った際は、通勤と認められるのです。
※通常は、逸脱後は通常のルートに戻っても、復帰にはなりません。
※他にも(1)日⽤品の購⼊や、これに準ずる⾏為、(2)職業訓練や学校教育、その他これらに準ずる教育訓練であって職業能⼒の開発向上に資するものを受ける⾏為、(3)選挙権の⾏使や、これに準ずる⾏為、(4)病院や診療所において、診察または治療を受ける⾏為や、これに準ずる⾏為が「日常生活上必要な行為」として、通勤経路上の中断、逸脱の復帰が認められます。
上記を鑑み、一度通勤手当の支給基準を明確化しておくことをおススメいたします。
交通費の支給に関してですが、基本的な考え方は、自宅から会社への最短距離です。ですので、幼稚園への送り迎えの交通費は考慮しない方がいいと思います。
御社の従業員が何人なのかは分かりませんが、一度例外をつくるとルールが意味をなさなくなりますので。
極端な話をすると、個人がどこに引っ越そうと自由です。それにその場所に引っ越しをすれば、今の位置関係になるのは分かっていたはずですから。結論としては、自宅から会社への最短距離で交通費を計算すべきと考えます。
通勤手当は、通勤にかかる費用を手当として支給するもので、通勤にかかる費用の全額、または一部が会社から社員に支給されるものです。
しかし、通勤手当の支給は、労働基準法に支給が義務付けられているものではなく、それぞれの企業の判断によります。ですから、そもそも通勤手当が無い企業もあります。
ただし、就業規則や給与規定の中に、通勤手当を支給することが盛り込まれている場合は、支払いの義務が生じます。ですから、担当者が真っ先にすべきことは、就業規則・給与規定に通勤手当支給の項目があるか、それがどういうものかを確認することではないでしょうか。
通勤手当は、福利厚生の観点からも、支給する企業が多いようです。しかし、支給する範囲やなどを就業規則で明確に規定していなければ、トラブルに発展する可能性もあります。社員への公平性を担保するうえでも、規定を明確にしておきましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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