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ハラスメントの中でも、もっとも加害者にも被害者にもなりやすいのがモラルハラスメント、いわゆるモラハラです。しかも、モラハラは当事者同士が気づいていないことも多く、日常生活に影を落とす深刻な問題に発展することもあります。
この記事では、マナーや道徳、倫理といった社会の規範が薄くなる現代社会において、モラハラとは何か、モラハラに遭ってしまったときにどのようにすればいいのかについて、まとめてご紹介します。
モラハラ(モラルハラスメント)とは、「モラル=道徳や倫理」に反する「ハラスメント=差別や嫌がらせ」を指します。相手に精神的な苦痛を与える行為がモラハラであり、家庭や職場など日常生活において、さまざまな人間関係で起こるハラスメントです。
モラハラは夫婦やカップル、家族はもちろん職場の従業員間でも起こり得ます。
・パワハラとの違いは力関係の有無
暴言や差別的な表現、態度などモラルに反する行為によって、相手の人格や尊厳を傷つけるモラハラ。よく似たものにパワハラがありますが、どのような違いがあるのでしょうか。
モラハラとパワハラの最大の違いは、当事者同士の立場に力関係があるかどうかです。
パワハラは、主に強い立場の職場の上司が権力を使って弱い立場の部下に精神的な苦痛を与えたり、身体的な攻撃を行ったりします。
一方、モラハラには立場の強い・弱いや権力をふるうかどうかは関係ありません。例えば職場ならば、たとえ部下から上司、あるいは同僚同士であっても、立場に関係なくモラハラを行うこともありえます。
しかも、パワハラは自分が強い立場で権力を笠に着て被害者に攻撃していることを自覚しているケースもありますが、道徳や倫理を基準であるモラハラでは、本人が自分の言動の善悪に気づいていない可能性があるといった特徴があります。
モラハラは家庭や職場などごくありふれたシーンで起きます。なぜなら、道徳観や倫理観は人によって幅が広く、本人に悪気がない場合や自覚せずにモラハラを行っていることがほとんどだからです。
実際のモラハラは大きく次のパターンに分けることができます。
・暴言や侮辱など精神的な攻撃
モラハラで一番多いのがこのパターンです。会う度にバカやアホ、といった人によっては冗談でも、人によっては暴言になるようなものや、仕事で想定される以上の注意や叱責がこれに当たります。
「今まで何年やってるんだよ!」
「給料分ぐらい働いてよ」
「そんなことしていると席がなくなっちゃうよ」
精神的に追い込まれた被害者は、大きなストレスを抱えて精神的な病気になったり、「自分が悪い」と思い込んだりして、退職や自殺に発展したりなど、深刻なケースにつながる場合も少なくありません。
・業務や人間関係への妨害
大量に仕事を押しつけられる、仕事をさせてくれない、業務上必要な情報が回ってこない、仕事に必要なパソコンや道具にイタズラするなど、円滑な業務に大きな支障が出る行為もモラハラです。
また、職場であいさつをしても無視される、自分だけ会社や職場全体の催し物に声をかけられないなど、職場の人間関係から切り離す行為も職場では起こりがちなモラハラです。
もし、モラハラを受けた場合、どのような方法で身を守ればいいのでしょうか。
大切なことは「証拠を集める」「相談する」の2つです。
・証拠を集める
今後、モラハラをさせないように加害者にアクションを取っていくためには、まずモラハラの証拠を一つ一つ集めることが大切です。第三者が客観的に見てモラハラだと判断できるだけの証拠をできるだけ残しておきましょう。
具体的に証拠になるものには、
・モラハラ行為中の加害者の言動や電話を録音する
・加害者から送りつけられたメールやLINEのデータを保存する
・モラハラ行為をされた現場の画像や動画を撮る
・被害の記録をメモや日記に残す
などがあります。
・相談する
証拠がまとまったら、職場のモラハラの相談先はまず社内相談窓口が考えられます。ただ、勤務先の社内では相談しづらい、うまく対処してもらえるか不安だ、といった場合には、管轄の労働局に相談しましょう。この他にも、モラハラやパワハラなど会社の労働問題に強い弁護士に相談するのもおすすめです。
客観的な証拠が揃っていれば、モラハラで加害者を訴えることは十分に可能です。
・告知や内容証明郵便
社内相談窓口に訴えた場合、上司を含めた職場全体において、モラハラが発生しないよう告知を行ってくれます。
また弁護士に依頼した場合には、内容証明郵便で相手にモラハラをしないよう通知してくれるケースもあります。
・訴訟
業務をさせてもらえなかった、不当に人間関係を壊す行為をされた、などのモラハラならば、精神的苦痛に対する慰謝料の請求が可能です。
あるいは身体的な攻撃のモラハラの場合は、刑事告訴ができる場合もあります。
モラハラは精神的な攻撃が執拗に続いてしまうだけに、被害者の中には精神疾患になったり、最悪の場合、自殺したりしてしまうほど追い込まれるケースも珍しくありません。
パワハラと違って、立場に関係なく起こるのがモラハラの厄介なところです。自分の身を守るためにも、モラハラ被害が続いたら社内相談窓口や労働局、弁護士をはじめ精神科や心療内科、カウンセラーなど、できるだけ早く相談することが解決への近道となります。
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