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諸外国のキャッシュレス事情とは?

公開日2019/12/09 更新日2019/12/10 ブックマーク数
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諸外国のキャッシュレス事情とは?

日本では2018年~2019年にかけて、スマホ決済サービスが急増しました。しかしこれは日本だけで起こっている現象ではありません。現在、世界規模でキャッシュレス化の波が押し寄せており、日本社会はその動きに追従しているのが実情といえます。そこで今回は、諸外国におけるキャッシュレス事情はどうなっているのか、世界ではどのくらいキャッシュレス化が進んでいるのか、について解説しましょう。

日本のキャッシュレス比率は世界10位

東京オリンピック・パラリンピックを前にした現在、日本では急速にキャッシュレス化の取り組みが進められています。2019年10月からスタートした消費増税でキャッシュレス払いでのポイント還元事業が実施されたことから、国内でもスマホや電子マネー、クレジットカードを使った決済への関心が高まってきました。しかし、こうした日本社会におけるキャッシュレス化の動きは、世界的にみると決して早いわけではありません。

野村総合研究所「キャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識」(平成29年度産業経済研究委託事業)によると、諸外国の2016年時点のキャッシュレス比率をランキング形式でみた場合、日本は第10位です。

第1位韓国
キャッシュレス比率
96.4%
第2位イギリス68.7%
第3位オーストラリア59.1%
第4位シンガポール58.8%
第5位カナダ56.4%
第6位スウェーデン51.5%
第7位アメリカ46.0%
第8位フランス35.1%
第9位インド35.1%
第10位日本19.8%

ランキングをみると、日本は世界の中で率先してキャッシュレス化に取り組んできたとはいえないことが分かります。先進国の中で比較すると、普及はむしろ遅れているとさえいえるでしょう。

諸外国でキャッシュレス化が進んだ理由

では、なぜ外国では日本に先んじてキャッシュレス化が行われたのでしょうか。その理由の1つが、キャッシュレス決済における「安全性」というメリットを得るためです。一見すると、クレジットカードのスキミングやスマホ決済システムの不備、個人情報の流用問題など、キャッシュレス化には多様なリスクが伴っているようにも思われます。しかし、キャッシュレス決済は現金を持っている必要がないので、紙幣や硬貨を盗難される心配がありません。スリや窃盗、強盗といった犯罪が多い国においては、キャッシュレス決済の普及は庶民が犯罪に巻き込まれないようにする上で極めて有効なのです。クレジットカードは例え盗難されてもカード会社に連絡すれば即座に使用停止にできますし、スマートフォン決済もApple Payのような生体認証、PINコードを必要とするシステムを用いれば、本人以外の不正利用を防ぐことができます。財布やカバンを盗んでもお金は使えないと分かれば、窃盗を起こす犯罪者の動機を失わせることにもなるでしょう。

他にも、キャッシュレス化により現金の輸送と管理のコストを減らせる、小売店におけるお金の流れを管理者が把握しやすいなどのメリットもあります。こうしたメリットを社会としていち早く享受すべく、諸外国ではキャッシュレス化が進められたわけです。

なぜ日本は諸外国に比べてキャッシュレス化が遅れたのか?

では、日本がキャッシュレス比率第一位~第九位の国よりも普及が遅れた理由は何でしょうか。その最大の理由が、日本における治安の良さです。先ほど、海外ではスリや窃盗の犯罪が多いと述べましたが、日本では諸外国に比べて犯罪率が低く、高齢者や女性が安心して現金を持ち歩ける社会が作られています。そのため、キャッシュレス化により財布やカバンを盗もうとする犯罪者の動機を失わせる、という必要性が低かったわけです。

さらに、日本の紙幣における偽造のしにくさも要因として挙げられます。実は日本人には以外に思われるかもしれませんが、海外では偽札の横行が頻発しており、例えば2017年にはアメリカで100枚以上の偽のドル札が発見され大きな話題を呼びました。しかし日本の場合、いつの間にか偽札が出回っていたということはほとんどありません。日本では紙幣への信頼性が高いので、わざわざキャッシュレス化のためのシステムを導入しなくても、現金のままでも不安なく取引できるわけです。

世界で最もキャッシュレス化を進めている韓国の取り組み事例

先ほどの諸外国におけるキャッシュレス比率のランキングをみると、韓国が突出して高いことが分かります。これほど韓国が「キャッシュレス大国」となったのは、国を挙げてのキャッシュレス化に20年近くも取り組んできたからです。韓国では、1997年の通貨危機への対策としての個人消費の拡大、さらに当時横行していた小売店による脱税防止を目的として、1999年頃から政府主導によるクレジットカード決済の普及が進められてきました。今や韓国ではクレジットカードで買い物をするのは常識となっており、コンビニやタクシーはもちろん、小さな個人商店でも使えることが多く、数百円程度の買い物でも普通にカードが使われています。

まとめ

日本では既存の電子マネーじ加えて昨年来、PayPay、メルペイ、LINE Payなどスマホ決済サービスが次々と登場し、それに伴いキャッシュレス決済への認知度が急速に高まりつつあります。しかし、海外には日本よりもキャッシュレス決済が進んでいる国は多く、特に韓国は20年近く前から国を挙げて取り組みを進めてきました。キャッシュレスということに関しては、日本は後進国であるとさえいえるでしょう。ただ日本でキャッシュレス化が遅れたのは、治安の良さや紙幣への信頼度の高さなど、日本社会が極めて健全だったからです。日本人としては、むしろ誇りに思えることなのかもしれません。

関連記事:キャッシュレス推進への事業主と税理士・公認会計士の対応は?

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。

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