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給与明細には、会社名や社員の氏名などが明記されていますから、個人情報が含まれています。社員が、それを紛失してしまったようですが、問題は、そこに企業情報が含まれているかどうかです。企業情報が含まれていれば、会社としても何らかの対応が必要となるケースも考えられます。では、専門家の回答を見てみましょう。
社員から給与明細をなくしてしまった、と申告がありました。
社員の個人情報の紛失という意味でもないのですが、企業情報の一部が流出したという形ですので、万が一見つからなかった場合も含め、企業側としてはどういった対応をするべきでしょうか。
いつもお世話になっております。
従業員様が給与明細を紛失してしまったとのことですね。こちらのことにつきましては、2つの論点があるかと思います。
1.給与明細が個人情報か
2.給与明細が企業情報にあたるか
給与明細が個人情報にあたるかどうかは、氏名や会社名、所属名が記載されているかと思いますので、個人情報です。
給与明細が企業情報にあたるかどうかは、単に給与額が記載されているのであれば、企業情報にあたらないのではないかと思います。額以外に何か企業機密情報が記載されていれば、企業情報にあたります。
企業情報だとすると、奥様、旦那様にも明細を見せられないこととなってしまいますよね。
いずれにしても、個人情報の紛失ですので、ご本人様がお困りかと思います。悪用されたら大変です。「あそこの旦那、給与〇〇円なのよ~」も恥ずかしいですよね。念のため、ご本人様が警察に遺失届を出されてはいかがでしょうか。
なお、企業機密情報を紛失し、何か懲戒処分を行いたいとすれば、「企業情報を故意または重大な過失によって、企業機密情報を外部に漏らした場合」等「〇〇の懲戒とする」など就業規則に懲戒に関する記載が必要です。
この場合でも、口頭注意か、重くても顛末書または始末書の提出が妥当かと思いますが…。
また、この紛失により、企業様に損害が発生した場合は、その損害に対する賠償を従業員様に求めることができます。あくまで損害が実際に発生した場合のみです。
給与明細書が無事に見つかるといいですね。
個人情報保護法によって、担当者は、個人情報の扱いには相当神経質になっていることでしょう。
まず、個人情報についてですが、氏名、性別、生年月日、住所、財産、職種、肩書など、個人を識別する情報です。また、マイナンバーも個人情報に含まれます。
個人情報については、「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」が政府広報オンラインに掲載されているので、それを参考にされるといいでしょう。
次に、企業の機密情報ですが、資産状況や顧客情報、取引状況、技術情報、人事・財務情報など、企業にとっては大切な情報です。これが流出したとなれば、場合によっては企業の存続を脅かすことにもつながりかねません。
ただ、西方克巳先生も回答で触れているように、給与明細に、企業の機密情報が含まれているかといえば、含まれていないことが多いと思われます。
しかし、企業の機密情報が流出しないようにするための対策は必要です。経済産業省のサイトに「秘密保護情報のハンドブック」がありますので、それを参考にされてはいかがでしょうか。
会社や社員の大切な情報が、不用意に外部に流出することがないように、社内でルール化し、取り扱い方法を明確にしておくことが重要です。そして、そのルールを就業規則に記載しておくことが、何よりも重要なことといえそうです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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