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2005年、環境省によるウォームビズが提唱されたことにより、企業においても冬季の服装や暖房室内の温度などに対する意識改革が定着したといえるでしょう。
ウォームビズのスタートから10年以上経ったこともあり、企業内での統一認識や実施が曖昧になってはいないでしょうか。
特に、服装の乱れは企業イメージのダウンにもつながるため、今一度ウォームビズ対応における服装や、社会人として気を付けておくべきポイントを確認しておきましょう。
ウォームビズは、環境省が企業や自治体などと連携しながら推奨する、地球温暖化対策の一環です。目的は、冬季の暖房を適切に使うことにより、脱炭素社会づくりに貢献し、温室効果ガス(CO2)の排出量を減らすもの。 また、ウォームビズの推奨は企業などだけでなく一般家庭も対象となっており、暖房中の室温は19℃を目途に調整することを方針として定めています。
ほかにも、衣食住といった日本人のライフスタイル全般を見直すことで、無駄なエネルギーを節約しようと呼びかけています。 目標値としては、2030年度に向けてCO2排出量を2013年度比の26%削減することを掲げています。 企業にとっても、ウォームビズに対応することで電気代の節約につながります。 令和元年におけるウォームビズ実施期間は、11月1日から3月31日です。
環境省では暖房中の室温に関しては19℃を目途に調整することとしていますが、オフィス内におけるウォームビズ対応の服装はどのようなものがよいのかについては言及していません。 ですから、社風や業務内容などによって一定の基準を設ける必要があります。
総務担当者などが基準を設ける際は、次のような点を意識するとよいでしょう。
・オフィスへの来訪者が多いのか少ないのかにより、服装選びの幅に変化をもたせる
・業務に差しさわりがなく機能的か
・来訪者やともに働く人への不快感がないか
例えば、頻繁に来訪者がある部署であれば、不快感を与えないように見た目の印象が大切になってきます。反対に、ほとんど来客がない部署であれば、ある程度本人の意思を優先するなど、服装の自由度を高めることが可能です。 また、受付など頻繁に接客対応が求められる部署では、清潔感のある服装が求められるでしょう。 立ち座りが頻繁な部署であれば、動きやすさを考慮する必要があります。 社員に聞き取り調査を行い、室内温度の低さで業務に支障が出ていないかを確認し、問題があるようであれば温度設定の見直しも行いましょう。
ウォームビズ対応できる服装などの具体例を挙げますので、参考にしてください。
・ひざ掛けやストール
オフィス内のデスクワークでもっとも手軽に使用できるのが、ひざ掛けや肩に掛けるストールではないでしょうか。寒さを感じた際にサッと羽織ることができ、不要になれば小さくたたむことができます。 また、来訪者への対応時にも手早く外せるので便利です。 立ったり座ったりすることが多い人でも着脱が簡単な、ウエスト部にリングが入ったリングインブランケットなど、多くの商品が販売されています。 女性が使うことが多いひざ掛けですが、男性には無地や柄が少なめのスポーツ観戦用のひざ掛けもおすすめです。
・ジャケットの下にウール素材のカーディガンを羽織る
スーツやジャケットの上着の下に、ウール素材のカーディガンを羽織るだけでも暖かくなります。 ベストやセーターは脱ぐ際に髪型が乱れることがありますが、前ボタンのカーディガンなら着脱が容易で便利です。 ビジネスシーンでは、柄物や派手な色よりも、黒や紺、灰色のカーディガンが向いています。
・いつものズボンをあったか素材に変えてみる
スーツ類であればウール素材が温かいことで知られていますが、近年では綿やポリウレタンなどを配合した裏起毛付きのズボンも販売されています。上に羽織ることができない職場環境の人におすすめです。
・あったか素材の下着を活用する
ウォームビズへの服装による対応は、外側に羽織る服を活用するだけでなく、温かいインナーを着ることでも対応できます。 職場環境によってアウターで工夫できない場合は、裏起毛のタイツや吸湿発熱素材のヒートインナーを使用した長袖シャツがおすすめです。 Yシャツやブラウスから透けても違和感がないよう、同系色の下着を選びましょう。
・足首や手首、首元を温める服装も効果的
オフィスウェアに特段の規制がない場合は、太い血管が通る足首や手首、首元を覆うような服装を選びましょう。 また、カジュアルな服装が許されている職場であれば、ネックウォーマーやレッグウォーマーを着用することでより温かく過ごせます。
・ミニ家電を活用する
ワンフロアーで業務内容が異なる場合は、服装だけではコントロールできないことも考えられます。パソコンで同じ姿勢を取り続けていると、手や足が冷たくなることがないでしょうか。 ときどき手を休めてストレッチするのも効果的ですが、パソコンのUSBに接続するタイプの手袋や、カイロ機能が付いたマウスといった、定格電圧の低いミニ家電製品を活用してみましょう。 USB電源付きの足元を温めるフットウォーマーも、床からの冷え対策となります。
オフィス内の服装では、次のような点に気を付けましょう。
・カジュアル過ぎないこと
・派手過ぎないこと
・清潔感があること
・マフラーや手袋、コートなどの着用は基本的にNG
総務部など社内環境の担当者は、企業イメージや品位を低下させないような服装をイメージしておくとよいでしょう。 また、社員とのコミュニケーションを大切にし、一方的な判断を押し付けない態度も必要です。 社会人として身だしなみの節度を逸脱しないよう、服装の工夫などを掲載したパンフレットの作成も有益です。
環境省が推奨するウォームビズに企業が対応するには、暖房室内の温度管理と同時に温かい服装の提案などを行いましょう。オフィスでの服装はプライベートとは区別する必要があることや、社会人としての節度を守り、来訪者や周囲の人に不快感を与えないことが大切です。 保温性や機能性に優れている服や定格電圧の低いミニ家電なども取り入れ、効率的にウォームビズ対応を実施しましょう。
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