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各種調査によると、消費増税による個人消費の落ち込みや米中の貿易摩擦など、景気低迷のリスクが多いが、景気浮揚の起爆剤として期待がかかるのが、来年開催となる東京五輪だ。
企業は東京五輪を、どのようにとらえているのだろうか。帝国データバンクは、全国23,731社に、「東京五輪に関する企業の意識調査」を実施(有効回答11,113社、回答率42.6%)しているが、46.8%の企業が「五輪開催は日本経済の持続的な成長に有効」と回答していることが明らかになった。
そこで、調査結果をさらに詳しく見ていくと、自社の業績への影響については、プラス影響は15.0%、マイナス影響は10.5%。影響なしが56.1%である。
また、地域別では、五輪開催の主要な舞台となる南関東が19.9%で最も高く、近畿が17.5%、東海が12.7%と続いている。
では、五輪関連でどの程度の売上増を見込んでいるのだろうか。
「2013年~2019年」と「2020年~2024年」を比較して「0円」が5割強と、経済波及効果を期待する声が多い割には、実際は、それほどでもないと受け止めているのが本音なのかもしれない。
施設の建設や道路などの基盤整備などで、五輪特需に沸いている業界もあるが、むしろ、五輪終了後の落ち込みを懸念する声も多く、五輪開催が経済成長に「有効と思わない」という回答が27.0%あったことも、五輪リスクを裏付けるものといえそうだ。
しかも、リスクは五輪後だけではない。五輪開催中の交通混雑による輸送障害発生や、サイバーテロなどの増加など、企業活動へのマイナスとなる要素も指摘されている。
また、五輪にかかる経費も、当初の予想よりもどんどん膨らみ、五輪召致のときに掲げていたコンパクトな大会は、すっかりと影を潜めてしまったような印象である。一部の業界、一部の地域には、間違いなく経済波及効果はあるだろうが、それは限定的なものであり一過性のものだ。
景気全体の起爆剤になるかどうかとなれば、どうしても疑問符がついてしまうため、企業としては、むしろ五輪開催によるリスクに備えていた方が賢明ではないだろうか。
そのリスク対策を用意しておくのは、まさに管理部門の役割である。
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