公開日 /-create_datetime-/
司法書士の資格を生かして働くには、独立開業や司法書士事務所への就職だけでなく、官公庁や民間企業などに属して仕事をする方法もある。ただし、組織内で働く司法書士の登録要件は厳しく、実際に企業などで働いている登録者は少ないのが現状だ。
この状況を変えるために活動しているのが、企業などの組織に属する司法書士有資格者たちの団体「日本組織内司法書士協会」である。
協会はこのたび、組織内で働く会員たちがどのように働き、どう評価されているのかを周知すべくアンケートを実施した(調査時期:2019年11月、対象者:日本組織内司法書士協会会員)。
アンケートに回答した会員の内訳は、男性81.4%、女性18.6%。年齢は、40代が全体の52.5%を占め、次いで30代が33.9%となっている。
司法書士事務所在籍歴は、「あり」が44.8%で「なし」が55.2%と、大差がない結果に。ちなみに、他資格の取得状況(複数回答あり)は、回答者の68.8%が行政書士、また宅地建物取引士も同じく68.8%という結果だった。
現在の所属組織の業種は、最多が製造で29.8%、次にサービス26.3%、通信・ITの12.3%と続いた。
所属組織への勤続年数は、10年超が最も多く(43.1%)、以下は3年内(32.8%)、10年内(13.8%)となった。比較的、安定して長く勤めている人が多いことがわかる。
所属組織内の担当業務は、最多が法務専門部門(44.1%)、以下は法務を含む管理部門(23.7%)、その他間接部門(16.9%)という結果に。役職は、56.9%が管理職(役員含む)で、43.1%はスタッフだった。資格を生かした部署にて、責任ある立場で働く人が多いようだ。
気になる待遇面も見てみよう。年収は、750万円~1,000万円未満が32.8%を占め、次に500万円~750万円未満が27.6%、1,000万円~1,250万円未満が19%となった。やはり、一般的なポジションに比べると高収入の傾向がある。
それを裏付けるのが、現在の給与に対する満足度を聞いた結果だ。全体の50.8%が「やや満足」と答え、「大変満足」の8.5%と合わせると、計59.3%が“満足”と感じていることがわかった。ただし、2番目に多かったのが「やや不満」(27.1%)ということも興味深い。
司法書士の資格に関わる質問と回答結果も大変参考になる。「司法書士の知識を生かせているかと思うか」の問いには、62.7%の人が「生かせている」と答えた。「生かせていない」は18.6%のみなので、組織内でも資格を生かせる業務には携われると言えるだろう。
そして、「所属組織から司法書士資格の保有を評価されていると思うか」の問いには、「多少は評価されている」(35.6%)、「評価されている」(28.8%)が1~2位をとり、全体の64.4%が職場での評価を感じていることが判明した。
また、現在の業務内容に対する満足度では、「やや満足」(44.1%)と「大変満足」(18.6%)が合わせて62.7%に。前述の、資格を生かせているか、資格を評価されているかの合計回答と大差がないことからも、資格の有効度と職場評価を踏まえて満足している人が多いことが伺える。
本アンケートでは、キャリアと将来についても聞いている。転職への興味についての質問には、「興味がある」(74.6%)、「興味ない」(25.4%)という結果に。また、3~5年後のキャリアの希望に関しては、「定年までは会社員専業」と「会社員と司法書士の兼業」が同率でそれぞれ40.7%と、会員の大半が今後も組織で働くのを前向きに考えていることがわかった。
なお、協会では会員に「司法書士登録をしない理由」も尋ねている。回答は、1位が「登録するメリットがない」(48.8%)、2位が「登録できないと思った」(30.2%)となった。
司法書士界は近年、不動産登記件数や商業登記件数が大幅に減少しており、官公庁や企業の法務人材の需要が増えている。そのため、司法書士資格保有者はこれらの組織で働く機会が増えているという。
しかし、資格保有者が実際に企業で働いているパターンは、まだ多くはない。今回のアンケートをとった日本組織内司法書士協会は、その原因を2つあげている。1つ目は、企業側が司法書士を“登記を依頼する人”としか見ておらず、企業で活躍する“法務人材”として見る機会がないこと。2つ目は、前例が少ないため、司法書士資格保有者自身も企業などで資格を生かして働くイメージが湧いていないことだ。
時代の流れと働く環境の変化で、司法書士としてのあり方は変わりつつある。資格保有者はもちろん、資格取得を目指す人も、新しい働き方に目を向けてみてはいかがだろうか。
<参考>日本組織内司法書士協会HP
よくある残念な英語研修VS成果を出した英語研修の短期計画
電子契約における代理署名・代理押印
英文契約書のリーガルチェックについて
ラフールサーベイ導入事例集
株式会社I-ne導入事例~月間の受注データ件数は20万件以上!『 Victory-ONE【決済管理】』の導入で 業務効率化と属人化の解消を実現~
経営者が最も受けているがん検診は?~中小企業での「がん対策」実態調査より~
アウトソーシングできるバックオフィス業務とは?料金相場や活用事例をご紹介
2025年の崖とは? レガシーシステムのリプレイスと対策
法定休日と所定休日の違いを徹底解説!企業が知っておくべき休日管理のポイント
エアコンを設置する時に使える「省エネエアコン普及促進事業補助金」【新潟県・柏崎市】
中堅大企業のための人事給与アウトソーシング導入チェックポイント
株式譲渡契約書とは?記載事項や作成時の注意点について解説!
「チェックリスト付き」電子契約サービスの失敗しない選び方
Web請求書の導入にあたり費用対効果を高める方法、お伝えします!
他社との違いは?電子契約サービスの比較検討ガイドのご紹介
IPOにおけるゴーイングコンサーン(継続企業の前提)の重要性と労務の視点
FP2級は転職に有利?管理部門での活かし方を徹底解説!
ISMS認証で求められるアクセス管理、クラウドストレージにおけるポイントを解説
職場環境の改善は事業者の義務!職場環境改善のメリットや取り組み方法を解説!
多様な人材をいかす経営は企業の競争力向上につながる 経産省、「ダイバーシティレポート」を公表
公開日 /-create_datetime-/