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休業補償と新型コロナウイルス感染拡大による雇用調整助成金について

公開日2020/04/23 更新日2020/07/05

新型コロナウイルス感染拡大により、政府は、労働者の雇用を維持した事業者に休業手当や賃金の一部を助成する雇用調整助成金の支給要件を緩和する特別措置を設け日々条件も変更されています。改めてこれらの情報を確認しておきましょう。

休業補償と休業手当の違い

まずは休業補償と休業手当の違いについて見ていきたいと思います。同じような意味にとることができますが、実は両者には明確な違いがあり、法律にも規定されているのです。この二つの相違点を少しだけ確認しておきましょう。

休業手当は労働基準法第26条に規定されています。「休業」(所定の労働日に労働者が働ける状況であるにも関わらず会社側の都合で休ませること)に対する手当が休業手当になります。

休業補償は労働基準法第76条に規定されていますが、ここにおける「休業」と、休業手当における「休業」は意味が異なってきます。休業補償における「休業」は、「労働者が病気などで業務に従事できない状態」を指します。
例えば、うつ病になってしまったなど、「労働者が仕事をする能力を有していない」際に適用されるのが休業補償なのです(もちろん交通事故等による身体的なケガも同様。労災の場合は休業補償のほかにも労災保険が支払われます)。その場合は休業補償支給請求書などの各種様式を提出します。

まとめると、休業手当とは「会社都合で労働者を働かせることができない場合」に支払うもの。休業補償とは「労働者が働ける状態にない場合」の補償です。

雇用調整助成金とは

雇用調整助成金は、景気の後退などの経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされ、雇用調整を行わざるをえない事業主に対し、休業手当や賃金の一部を助成するものです。

助成を受けるためには、労働者に対して一時的に休業、あるいは教育訓練や出向など行うことで、労働者の雇用を維持することが条件ですが、今回は新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化する懸念があるため、通常よりも幅広く、労働者の雇用の維持を行った事業主が、この助成金を受給できるように特例措置が設けられています。

厚生労働省によれば、この特例措置は、令和2年4月8日以降の休業等に訴求して適用されます。中小企業が都道府県知事からの休業要請を受けて休業した場合、一定の要件を満たす場合に、助成率を特例的に100%としています。条件は以下の通りです。

・新型インフルエンザ等対策特別措置法等に基づき都道府県対策本部長が行う要請により、休業又は営業時間の短縮を求められた対象施設を運営する事業主であって、これに協力して休業等を行っていること

・以下のいずれかに該当する手当を支払っていること

①労働者の休業に対して100%の休業手当を支払っていること

②上限額(8,330円)以上の休業手当を支払っていること(支払率が60%以上の場合に限る)※教育訓練を行わせた場合も同様

(出典:/news/detail/2457/?url=https%3A%2F%2Fwww.mhlw.go.jp%2Fstf%2Fnewpage_11128.html

また要請を受けていない場合であっても、休業手当について60%を超えて支給していた場合は、その超過分の助成率を特例的に100%としています。

また、持続化給付金ではありませんが、そのほかにも下記のような助成金と給付金があります。

・特別定額給付金(総務省)

・新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金(総務省)

・持続化給付金に関するお知らせ(経済産業省)

・小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設しました(厚生労働省)

休業補償はフリーランスや派遣社員は対応する?

こうした手当や補償は果たしてどこまで適用されるのでしょうか。福利厚生に厚い正社員はともかく、非正規労働者やフリーランスはどうなるのか。このあたりを少しだけ見ていきたいと思います。

まずは休業手当についてです。休業手当は、正社員はもちろん、下請け企業の社員や派遣社員、パートタイム社員、有機契約労働者にも適用されます。

一日の一部を休業した場合、その日当たりの賃金が普段の60%以上であれば休業手当は不要です。60%を下回る場合は、その差額分を手当として支払う必要が生じます。

また新型コロナウイルスの影響で休校し、それによって休業を余儀なくされたフリーランスの保護者らへの補償も増額されました。当初の金額は日額4,100円でしたが、7,500円に引き上げられました。

コロナウイルス感染が疑われる労働者を休業させる場合 

厚生労働省によれば、コロナウイルス感染が疑われる労働者がいる場合、すみやかに外出を控えさせ、感染拡大の防止に努めるよう要請しています。

労働基準法第26条では、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならない」とされています。先ほど見てきたように、休業手当を考える時に重要になってくるのは、「その休業が会社都合か労働者都合か」という点です。

もし、労働者が新型コロナウイルスに感染している場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由」ではないため、休業手当を支払う必要はありません。

これは労働者自身がすでにコロナに感染しており、「労働者としての能力を有していないため」です。

感染が疑われる労働者を休ませる場合は、会社の都合で休業させているため、一般的には休業手当を支払う必要があります。労働者自身は働ける状態にあるのですが、事業者が自主判断で労働者を休業させているためです。

雇用調整助成金申請方法

次に見ていきたいのは雇用調整助成金の申請方法です。雇用調整助成金は、事業主が雇用を維持した場合に、休業手当や給料の助成をする制度です。厚生労働省の報道関係者向け資料によれば、申請に関していくつかのポイントがあります。

①以前は用紙を郵送するか窓口に持参しなければなりませんでしたが、5月20日よりオンライン上でも申請ができるようになりました(申請にはメールアドレスとショートメッセージを受け取れる携帯電話が必要)。

②小規模事業主に関しては手続きがより簡略化され、「実際に支払った休業手当額」から助成額を割り出せるようになっています。

③ 以前は休業等計画書の提出などが義務付けられていましたが、不要になりました。

    ④支給対象期間の初日が「令和2年1月24日から5月31日まで」の休業の申請期限を、令和2年8月31日までに変更。

    おおまかな流れとしては、まず休業の計画を立て、そして計画通りに休業をさせ、手当をしっかりと支払います。それから申請様式と作成マニュアルを準備し、必要事項を記入します。それらを労働局・ハローワークに申請することによって一連の手続きは終了です。方法は用紙の郵送、窓口は直接提出、オンライン申請があります。

    まとめ

    新型コロナウイルスは世界にも大きな打撃を与え、未だ混乱は終息しきっておりません。日本でもピークは越えたものの、新規の感染者が出続けている状態です。まだまだ油断ならない状況といえるでしょう。

    世の中に不安を抱える人も多いかもしれません。しかし私たちにできるのは、一人一人がしっかりと自覚を持って行動することだけです。除菌などの感染予防はもちろんのこと、こうした雇用調整助成金などの制度もしっかりと利用しながら、この難局を乗り切っていきましょう。


    ※本記事の内容について参考にする際は、念のため関連省庁等にご確認ください。

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