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緊急事態宣言後に増加?「出勤再開うつ」

公開日2020/07/21 更新日2020/07/22

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、全国に出されていた緊急事態宣言が5月25日に解除されました。感染拡大の第2波への懸念もある中、生活や経済活動が完全に元に戻るまでは数年かかるとも、元の社会に戻ることはないともいわれていますが、各企業は手探りをしながら、徐々に元の経済活動を取り戻しつつあります。

そうした中、「出勤再開うつ」という言葉が注目を集めています。自粛期間中、自宅待機やテレワークで出勤せずにいた人たちが、久々に出勤しようとすると憂うつになったり、体調不良を覚えたりするというのです。

どうして、出勤を再開しようとすると気分が憂うつになるのか、気分の落ち込みや体調不良を感じたらどうすればいいのか、「出勤再開うつ」の要因と対策について紹介します。

アフターコロナの新たなうつ。その名は「出勤再開うつ」

「出勤再開うつ」という言葉を誰が最初に言い出したのかはわかりません。しかし、企業が通常態勢の勤務を始めた5月下旬頃から「リモート勤務に慣れて、元の働き方に戻れるか不安」「もう満員電車に乗りたくない」といったコメントが、SNSで発信されるようになり、「出勤再開うつ」というキーワードが一気に広まりました。

今年3月以降、私たちは新型コロナウイルスの感染拡大に対処するため、外出の自粛を余儀なくされ、学校や会社にも行けないというストレスを抱えることになりました。さらに、働けないために収入が減る人が増え、自営業者の中には廃業の危機にある人が大勢います。

社会全体がこうした不安に覆われている状態で、私たちは毎日、強いストレスにさらされてきました。しかも、会社員にとっては、ようやくテレワークやリモート会議など「出社しない働き方」に慣れてきたところでの、出社再開です。めまぐるしい環境の変化で心身ともにダメージを受けるのも当然でしょう。

さらに、リモート勤務によって支障なく仕事ができたことから、「リモート勤務を積極的に進めた方が効率的ではないのか」「満員電車に乗って無理に通勤する必要があるのか」などと、今の働き方に多くの人が疑問を感じ、「出勤再開うつ」に共感したという側面もあるようです。

また、心理学的には「長欠感情」と「対比効果」が「出勤再開うつ」の原因だとされています。

「長欠感情」とは、学校や会社を休めば休むほど、登校や出社がしにくくなる感情のことで、もともと、不登校の対策を考える中で使われるようになった言葉です。

テレワーク中は、自宅で働くことができたため、ある程度、上司や同僚などの目を気にせずに仕事ができたはずです。臨時休校で学校にいた子供の相手をしながら仕事をしていた人もいるでしょう。一度そうした環境に慣れてしまうと、なかなか出社しようという気分にはなれません。

特に周囲の目を気にしがちの人や上司や同僚とうまくいっていなかった人、子供のことを気にしながら仕事をしていた人などは、長欠感情を強く感じやすいと考えられます。

また、対比効果とは、同じ事柄であっても、前後の経験によって感じ方が変わってしまうことです。つまり、自粛前にはつらいと感じていなかった満員電車が、しばらく解放されたことによって、以前よりも窮屈で耐えがたく感じてしまうのです。

これは自宅にいた人だけでなく、乗客が減った電車で通勤し続けていた人も感じる可能性があり、注意が必要です。

「出勤再開うつ」にどう対処したらいい?

確かに自粛期間中は、テレワークやリモート会議でも仕事が進んだかもしれません。しかし、本格的な経済活動が再開すると、同じようにテレワークなどだけで対応できるとは限りません。

もちろん、会社側もテレワークの普及に応じて働き方を見直し、「出勤再開うつ」が「うつ病」へと悪化しないよう気を配る必要がありますが、働く側も「自粛モード」から早く気持ちを切り替えることが大切です。

気持ちを切り替えやすくするために、「長欠感情」と「対比効果」を乗り越える方法を紹介しましょう。

●気合いを入れ、とりあえず出勤してみる

子供の頃、夏休み明けの2学期初日や、ゴールデンウイーク明けの登校日は、なんとなく学校に行くのが億劫だという経験は誰にでもあると思います。

しかし、学校に行って友達と会い、遊んだり勉強したりすれば、そんな気分もいつのまにか和らいでいたのではないでしょうか。

長欠感情を克服するには、思い切って出社することも大事です。前の日から体調を整えるなどして気分良く朝を迎え、元気を出して家を出てみましょう。一週間もすれば、長欠感情も解消されるはずです。

しかし、本当に気分も体調も悪いときは気を付けてください。うつ病になってしまっていると元気を出そうと頑張ることは逆効果。症状を悪化させてしまうことがあります。

体が思うように動かない、焦燥感が強くやる気が起きないといった症状があるときは、メンタルクリニックや心療内科を受診しましょう。

●電車通勤の良いところを探してみる

満員電車は誰でもつらいものですが、出勤再開後にことさらつらく感じるのは、満員電車に乗らずにすんだ自粛期間中と比べてしまうからです。

ここは、ひとまず満員電車の嫌な部分は忘れ、電車通勤の良い点を探しましょう。

たとえば、電車通勤で家を離れ、会社に行くことで、気持ちの切り替えができます。テレワークで家にいると、なかなか仕事モードに気持ちを切り替えることができず、子供の相手でしばしば仕事を中断せざるを得なかったということはありませんでしたか。

また、通勤電車内で勉強や読書をしていた人は、通勤時間がなくなり、勉強や読書の時間が減ってしまったのではないでしょうか。

車窓から四季の移り変わりを楽しんでいた方もいるでしょうし、電車通勤の楽しみを見つければ、満員電車の苦痛も和らぐはずです。

まとめ

「出社再開うつ」が大きな話題となり多くの人の共感を呼んだのは、新型コロナウイルスの感染拡大と長期にわたる活動自粛で、社会全体が大きなストレスにさらされている証しでしょう。その意味では、「出社再開うつ」は人として当然の反応だといえます。

一部では「出社再開うつは甘えだ」という声もあるようですが、そんなことはありません。症状の軽い方は気分転換を図りながら、徐々に元の生活に戻っていきましょう。症状が重くどうしても会社に行けない人は、メンタルクリニックなどの受診をお勧めします。

そして、もし、あなたの周囲に「出社再開うつ」で苦しんでいる人がいれば、話を聞いて気持ちに寄り添い、配慮してあげてください。

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