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「平成29年度個別労働紛争解決制度の施行状況」公表

公開日2018/07/07 更新日2018/07/06

厚生労働省から、「平成29年度個別労働紛争解決制度の施行状況」が公表されました。
総合労働相談件数は10年連続で100万件を超え、相談内容は「いじめ・嫌がらせ」が6年連続でトップとなっています。

10年連続で100万件を超える労働相談

企業の組織再編や、複雑化する人事労務管理体制などに伴い、労働者と事業主との間の紛争が増加しています。厚生労働省は、こうした紛争の解決をスピーディーに図るため、都道府県労働局長の助言・指導制度、紛争調整委員会のあっせん制度の創設などによって、個別労働紛争解決システムの整備を図っています。

また、労使間のトラブルを未然に解決するために設置されたのが、「総合労働相談コーナー」で、都道府県労働局や各労働基準監督署内などに専門の相談員を配置して対応しています。平成21年度の1,141,006件をピークに、わずかながら減少傾向にありましたが、10年連続で100万件を突破しているというのが現実です。

個別労働紛争の原因トップはいじめ・嫌がらせ

総合労働相談、あっせんの申請件数は、前年と比べ、わずかながら減少していますが、助言・指導申出件数は増加しています。

総合労働相談件数 1,104,758件(前年度比2.3%減)
助言・指導申出件数 9,185件(前年度日2.3%増)
あっせんの申請件数 5,021件(同2.0%減)

さらに、総合労働相談件数の内容を詳しく見ていくと、1,104,758件のうち、法制度に関する問い合わせが698,650件で、そのうち、労働基準法等の違反の疑いがあるものが198,260件もありました。

また、相談の理由については、民事上の個別労働紛争相談、労働局長による指導・助言、紛争調整委員会によるあっせんでも、いじめ・嫌がらせが断トツとなっています。

◆民事上の個別労働紛争相談件数253,005件のうち、
 いじめ・嫌がらせ 72,067件
 自己都合退職 38,954件
 解雇 33,269件

◆労働局長による助言・指導~申出件数9,185件のうち、
 いじめ・嫌がらせ 2,249件
 解雇 990件
 自己都合退職 864件

◆紛争調整委員会によるあっせん~申請件数5,021件のうち、
 いじめ・嫌がらせ 1,529件
 解雇 1,181件
 雇止め 545件

次ページ いじめ・嫌がらせに対する助言・指導・あっせんの事例

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いじめ・嫌がらせに対する助言・指導・あっせんの事例

公表された資料には、実際の相談と指導の内容、さらに結果も記載してあります。その一部を抜粋します。

【事案の概要】
申出人は、派遣労働者として勤務しているが、派遣先の上司から「ふざけてんじゃねえぞ」や「お前はこの地域の恥だ」等の人格を否定するような暴言を日常的に受けた。派遣元は派遣先の仕事を多く請け負っているため、今後の契約のことを考えて嫌がらせをやめるよう派遣先に働きかけてくれない。
今後も働き続けたいと考えているため、職場環境の改善を求めたいとして、助言・指導を申し出たもの。

【助言・指導の内容】
派遣先の事業主に対し、上司の行為はパワーハラスメントの提言で示されている類型(精神的な攻撃)に該当する可能性があることから、パワーハラスメントの有無について調査し必要な対応を行うことについて助言した。

【助言・指導の結果】
助言に基づき、派遣先の事業主が調査を実施したところ、実際に上司による激しい言動があったことが判明したため指導が行われ、上司は今後、申出人の人格を否定するような言動は行わないと反省し、パワーハラスメントはなくなった。
また派遣先事業場において、再発防止に向けた取組を行うと回答があった。

労使間のトラブルは、労使双方にマイナスとなります。度々、トラブルを起こしていると、ブラック企業の烙印を押されてしまうことにもなりかねません。人手不足で人材確保がますます難しくなっていますから、未然に防ぐことが何より大切です。
職場環境、労働条件などを、もう一度見直してみてはいかがでしょうか。

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