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景気の後退局面に加え、新型コロナウイルスの影響で、雇用環境の悪化も伝えられるなか、新規学校卒業者の採用内定の取り消しが、大幅に増加していることが、厚生労働省の発表で明らかになりました。
厚生労働省が、全国のハローワークを通じて毎年行っている調査によると、2020年4月、つまり今春から就職するはずだった新規学卒者の内定取り消しが、全国で174人となり、前年度の35人から約5倍も増えていることが明らかになりました。
大学生や短大生、専門学校生は132人で前年度比116人増、高校生は42人で前年度比23人増の合計174人で、過去10年間では、東日本大震災の影響を受けた平成22年度の598人に次ぐ多さで、超売り手市場だった就職戦線が大きく変わることになりそうです。
内定取り消しが大幅に増加したのは、景気後退局面にあったことに加え、新型コロナウイルスが大きく影響しているようですが、新型コロナウイルスが理由で内定を取り消されたのは、大学生などが83人、高校生が21人で、合わせて104人となっています。
また、内定取り消しとはならなかったものの、一定期間、自宅待機を強いられたのが842人、内定状態のまま入社時期が延期となったのが366人となっています。
人手不足を背景に、売り手市場一色だった就職戦線ですが、新型コロナウイルスによる業績不振が、雇用環境の悪化という暗い影を落としていることが、この内定取り消し状況からうかがうことができます。
地域別でみると、東京と埼玉、千葉、神奈川の南関東が61人と最も多く、次いで10人前後で九州、東海、中国地方が続いています。
業種別では、新型コロナウイルスの影響を強く受けた「生活関連サービス・娯楽業」が「宿泊・飲食サービス業」で、内定取り消しが多く行われました。
新型コロナウイルスの影響で内定を取り消された104人のうち、新たな就職先が見つかったと確認できたのは、8月末時点で42人です。
入社目前で内定を取り消された学生にとっては影響が大きいため、厚生労働省は企業に対して「最大限の経営努力をして内定の取り消しを防ぐよう、引き続き呼びかけていきたい」としています。
厚生労働省では、事業主に向けて「新規学校卒業者の採用に関する指針」をまとめているので、そちらも参考にしましょう。
新型コロナウイルス感染が世界中に広がり、各国で都市封鎖や出入国の制限、日本でも緊急事態宣言発令などにより、経済活動に大きな打撃を与えました。そのため、従業員の解雇や雇い止め、そして新卒者の内定取り消しなど、雇用環境も急速に悪化しています。
でも、いくら業績が悪化したからといって、簡単に「内定」を取り消すことはできません。労働基準法や労働契約法で「内定」について規定されているわけではありませんが、企業が採用予定者に内定通知を出し、採用予定者が誓約書を提出した段階で、労働契約が成立したととみなされるからです。
ですから、新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化だけを理由に内定取り消しを行うことは、一方的な解雇に該当し、労働契約法16条の「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇」が適用となります。
もっとも、卒業ができなかった場合などに、内定を取り消すことがあると内定通知で示している場合には、「始期付解約権留保付の労働契約」が成立しているものとみなされ、内定を取り消すことも可能です。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化が内定取り消しの唯一の理由だとするならば、内定者には何も落ち度も責任があるわけではありませんから、内定を取り消す場合には、権利の乱用と判断されることも覚悟しておく必要があります。
政府は、慢性的な人出不足を解消するため、就職氷河期の世代を積極的に雇用するよう、企業に呼びかけましたが、それも、どうやら掛け声だけに終わりそうです。コロナ禍で一気に膨れ上がった内定取り消しは、この先、日本の産業界にどのような影響を及ぼすことになるのでしょうか。
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