詳細はこちら
サービスロゴ

学ぶ

Learn

サービスロゴ

もらえる!

Present!

ウイルス感染による豚とイノシシの家畜伝染病「豚熱」とは?

公開日2020/11/16 更新日2020/11/17


新型コロナウイルスのパンデミックによって、世界中がウイルスと戦っているなか、9月9日に福島県の会津若松市で豚熱(ぶたねつ)の感染が確認され、ウイルスの脅威を改めて痛感した人も多いのではないでしょうか。

ところで、豚熱(ぶたねつ)って、どういうものかご存じですか?

“豚コレラ”から“豚熱”に名称変更

豚熱(ぶたねつ)と聞いても、ピンと来ない人が多いかもしれません。でも、“豚コレラ”と聞けば、ウイルスの感染による豚とイノシシの家畜伝染病で、感染した養豚場で多くの豚が殺処分され、畜産業に多大な被害を与えたことを思い出すのではないでしょうか。

豚熱は、豚やいのししへの強い伝染力があり、排せつ物の飛沫や付着物から簡単に感染してしまいます。感染してしまうと、急性の場合は数日から2週間、慢性の場合でも数か月で死亡してしまいます。

ですから、感染してしまったら、それ以上ウイルスを拡散させないためには、殺処分するしか予防法はありません。ただし、強い感染力がありますが、豚熱に感染した豚肉や内臓を食べても、人に感染することがありません。

豚コレラという病名は、1800年代にアメリカで初めて確認された際に、コレラが流行していたためhog cholera (豚コレラ)と命名されたためです。

しかし、人が感染するコレラとは関係がないため、農林水産省は、名称を英語名の(Classical swine fever=CSF)に変更、2020年2月5日の「家畜伝染病予防法の一部を改正する法律(令和2年法律第2号)」の公布に合わせて、「豚熱」へ名称を変更しました。

野生イノシシへの感染も確認

ところで、日本での豚熱の感染状況ですが、平成4年(1992)に確認されてから、26年ぶりとなる平成30年(2018)に、岐阜県の養豚場で豚熱の発生が確認され、その後、愛知県、長野県、三重県、福井県、埼玉県、山梨県、沖縄県、群馬県でも、相次いで発生が確認されました。

農林水産省の報告によると、平成30年(2018)から令和2年(2020)3月までに日本の養豚農場で感染が確認されたのは8県58事例で、約17万頭の豚が殺処分されています。また、平成30年以降、東京を含む18都府県で、野生のイノシシから豚熱の陽性事例が確認されています。

そしてつい先日の2020年9月9日、東北で初めてとなる福島県の会津若松市でも感染が確認されるなど、感染拡大の範囲が広がっている印象です。

人体への影響はなく感染豚肉が出回ることもない

豚熱の感染が、広範囲にわたっているとなれば、いくら、“人には感染しない”といっても、やはり不安がつきまとうものです。

農林水産省では、HPで「CSFは、豚やいのししの病気であって、人に感染することはありません。仮にCSFにかかった豚の肉や内臓を食べても、人体に影響はありません。感染豚の肉が、市場に出回ることはありません」と、消費者へのメッセージを発しています。

市場に出回っている豚肉は、法律で定めた基準に合格した豚肉であり、と畜検査員(獣医師)の検査に合格した豚肉です。ですから、スーパーやお肉屋さんに、感染した豚肉が並べられる心配はありません。

必要以上に心配することはありませんが、ほかの感染症や寄生虫のリスクもあります。

コロナ禍ですっかり身に付いた手洗い、うがいを心がけ、新型コロナウイルス、インフルエンザ、そして未知のウイルスを拡散させないように注意することが、ニューノーマル時代の、最低限のマナーなのかもしれません。

まとめ

豚熱が野生のイノシシに広がったのは、人が捨てた肉製品などの生ゴミを、野生のイノシシが食べたことが原因とされています。各地の住宅街に野生のイノシシが徘徊しています。ゴミの出し方や、キャンプやハイキングでのゴミの持ち帰りなど、日常生活の基本的なマナーを守ることが、感染症対策には有効なのではないでしょうか。

ニュースを読んでポイントGET!(公開日の翌日13時前限定で取得可能)

おすすめコンテンツ

関連ニュース

人気記事ランキング

キャリア記事ランキング

新着動画

関連情報