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年末になると何かと話題に出てくるふるさと納税。
世の中の気になる疑問に関するアンケート調査を実施している「カジナビ」が「ふるさと納税」についてのアンケートを実施した結果、ふるさと納税をしていない人の58%が、「やり方が分からない」でした。今回の記事では、改めてふるさと納税とはどういうものかをまとめてみました。
ふるさと納税とは、自分が生まれ育った故郷や、応援したい自治体に寄付ができる制度で、現在の居住地以外なら、どこの自治体を選ぶかは、寄付する人の自由です。
また、納税者に寄付した金額に応じた返礼品を渡すことで集まる寄付金額が大きく変わることから、財政難で苦しむ各自治体は、寄付の返礼品として地域の特産品などを用意するなど、できるだけ多くの人に寄付をしてもらおうと返礼品競争が激化していきました。
ちなみに、お得な返礼品で断トツの人気となったのが大阪府の泉佐野市です。2018年の全自治体のふるさと納税受入額は、なんと約5000億円にのぼり、その1割が泉佐野市というほどの人気となりました。
しかし、加熱する返礼品競争に、総務省が「待った」をかけ、返礼品規制が法制化されました。その結果、お得な返礼品で断トツの人気を誇っていた泉佐野市が、制度の対象から外されることになり、不服とする泉佐野市は国を相手に訴訟を起こし、2020年6月、最高裁判決によって不指定が取り消されたことは、皆さんもご存じのことでしょう。
泉佐野市と国の法廷バトルが、ふるさと納税の知名度アップに貢献したともいえますが、返礼品規制により、お得感はやや薄れました。しかし、ふるさと納税をしている人の目的は、やはり返礼品にあることも、カジナビの調査で明らかになりました。
ふるさと納税のメリットは、寄付をした自治体からお礼としてもらえる返礼品です。寄付先を選ぶポイントでも「魅力的な返礼品」が1位となり、2位は「コスパの高い返礼品」となっています。
各自治体は、地元の特産品やゆかりの品を集めた、お得感満載の返礼品を用意していますが、人気の1位は「肉」で、2位が「お米・パン」、3位が「魚介類」、4位が「野菜・果物」、5位が「雑貨・日用品」で、食品に人気が集中していることがわかります。
ところで、ふるさと納税をする理由で、返礼品と二分するほど多かったのが「節税対策」というものでした。実に、ふるさと納税をしている人の47%が、節税対策を挙げていました。しかし、これは「寄付額から2,000円を引いた額が税金から控除」という点を、拡大解釈された結果と思われます。
ふるさと納税は、節税対策とは別物です。納めるはずの税金を、寄付というカタチで前払いしてお礼の品をもらっているだけで、支払う税金そのものが減るわけではありません。寄付額から2,000円を引いた額が、翌年の住民税から差し引かれるということです。(確定申告をするかワンストップ特例をするかで若干の差異があります)
メリットがあれば、デメリットがあるのが世の常。ふるさと納税のデメリットといえば、寄付額を控除してもらうためには、確定申告などの手続きが必要になるということです。給与所得者であれば、通常は自分で確定申告をする必要はありませんから、余分な作業が増えてしまいます。
さらに、控除額には上限が定められています。収入や家族構成によってその額が決まり、住宅ローンなど他にも控除を受けている場合は、控除上限額の計算も複雑になりますから、税理士など税務のプロに相談する必要も生じてくることもあるでしょう。
返礼品競争が激化したことで、ふるさと納税の認知度は高くなったものの、控除額の複雑な計算や確定申告が必要なことが一部の人にとってはネックになるでしょう。
ふるさと納税をしない理由の約6割が「制度そのものがよく分からない」というものです。
ふるさと納税の仕組みや、やり方は、総務省のHPをはじめ、「さとふる」「ふるなび」「ふるさとチョイス」などふるさと納税のサイトが多数ありますので、それで確認するといいでしょう。
また、税の控除を受けるためには、確定申告または個人住民税の申告を行う必要がありますが、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を使えば、確定申告をする必要はありません。
さらに、返礼品なしの寄付を選ぶこともできますし、寄付金の使い道を選ぶこともできるのがふるさと納税制度です。制度の仕組みや制度趣旨を、よく理解することが大切といえるでしょう。
返礼品にばかり目が行きがちなふるさと納税ですが、返礼品目的で始めたものの、「寄付先の自治体に愛着が湧いた」「実際に行ってみたいと感じるようになった」という人もいます。まだふるさと納税をしたことがない方は、制度の趣旨をよく理解し、今年からふるさと納税デビューしてみてはいかがでしょうか。
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