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有効求人倍率は横ばいの様子ですが、専門性の高い弁護士業界は転職動向としてどのような状況になるのでしょうか。 最新のデータなどを交えてご紹介します。
売り手市場で比較的高水準
厚生労働省が発表した有効求人倍率では、弁護士が分類される専門的・技術的職業の倍率が2.37倍と、全体の1.45倍に比べて比較的高水準だといえます。
2010年に2133人いた司法試験合格者は、2017年には1543人と減少傾向。 近年減少傾向を辿っている日本の総人口を鑑みると、今後も弁護士として登録される方が増加に転じることはあまり期待されず、弁護士にとってはチャンスをつかみやすい状況にあるといえます。
法律事務所と企業内弁護士
弁護士の職場として代表的なものは法律事務所がありますが、このところ企業内弁護士の採用も活発化しているようです。ベンチャー企業やIPO準備企業などでは法務体制を整える観点から、弁護士の転職希望者を積極的に採用している状況にあります。
法律事務所と企業では期待する人物像にも違いがあるため、それぞれを比較しながらご紹介していきましょう。
修習期
<法律事務所>
司法試験合格直後の新人弁護士から経験のある弁護士まで、積極的に採用している状況です。比較的浅い修習期生はOJTにより経験を積みながら成長し、経験のある弁護士は即戦力として活躍が期待されます。
<企業内弁護士>
2017年では、修習期が69期の新人弁護士から、30期代のベテラン弁護士まで存在します。比率の最も高い修習期が66期で、登録弁護士数に対して約10%が企業内弁護士として活躍しています。比較的経験の浅い弁護士から10~20年の経験を積んだ弁護士までが多く、これから経験を積んでいこうとする熱意を持ったフレッシュな弁護士や、これまでの経験を即戦力として活躍できる人材を企業は期待しているようです。
求められるスキル
<法律事務所>
中途採用の場合これまでの経験を活かし、すぐ案件に取り組めるフットワークの軽さが求められます。
幅広い知識も重要ですが、得意分野の高度な専門知識を求められます。知識に併せ、クライアントへのベストなアドバイスを行えるよう事務所内でディベートを行ったりスピーディな情報共有なども求められたりすることから、コミュニケーション能力も重要視される傾向にあります。
事務所によっては海外の案件を担当したり、実際に海外支社での勤務になったりすることから、英語力もあると有利だといえます。
<企業内弁護士>
法律事務所と大きく異なる点として、法律事務所はクライアントからのさまざまな案件に対応する必要があるのに対し、企業内弁護士は比較的対応内容が絞られるという点が挙げられます。
製造業:海外に製造プラントを持つ企業も多く、国際契約の作成や交渉などの能力が求められます。また、開発・製造したものに対する特許法を含め、知財関連法の知識も要求されます。
金融業:近年のIT技術の進歩により、金融界でも新商品の開発が以前より容易になってきているそうです。従来のリスクヘッジやトラブルシューティングが当てはまらないため、新たな問題に対応できるリーガルマインドが必要になります。
IT業:情報セキュリティや消費者保護法などの専門分野の知識に加え、労働、知財など企業法務全般の知識も要求されます。またIT業界は発展する分野の方向性が刻々と変化する特色を持っており、そのスピードに合わせた対応力、判断力が求められます。そして他の業界と大きく異なるのが、インターネットという近代の文明の利器に対する高い専門知識が業務に大きく影響を与えるということです。
企業内弁護士は、2001年当時採用企業数39社、採用人数66人だったのに対し、2017年現在採用企業数937社、採用人数1931人と右肩上がりの様子です。キャリアによっては年収が1000万を超えるケースもあり、中には数千万の年収を誇る企業内弁護士もいらっしゃいます。
企業側は弁護士としてだけではなく、基本的な仕事に対する考え方、取り組み方、コミュニケーション能力なども重要視し、組織人としての企業弁護士を求めているといえます。着実なキャリアアップを考え、専門知識を活かし活躍したい場合は、企業弁護士への転職を視野に入れてみてください。
転職市場でも活気のある弁護士業界ですが、この先どのようなキャリアプランを立て、どのような分野で活躍していきたいかを考え、どのフィールドへ転身するかを考えることが大切です。そして比較的経験が浅ければフレッシュさを、年数を重ねているようであれば経験豊富さをアピールし、希望するキャリアパスを勝ち取ってください。
<その他の転職動向>
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2018年度 管理部門の転職動向(人事・総務)
2018年度 管理部門の転職動向(法務)
2018年度 公認会計士の転職動向
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