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資本金は会社の規模や信用度に関連する重要な財務指標です。大学で経営・会計学を専攻すれば初年次に習うことになる、企業会計における最も基本的な概念でもあります。今回は、2021年3月時点において、日本企業の中で資本金が最も多い企業はどこでいくらぐらいなのかについて、データを紹介しながら解説しましょう。
資本金とは一言でいえば、「その企業が事業を営む上での元手となるお金」のことです。企業が事業を展開する際、当然ながらお金がかかります。そのお金の資金源として計上されるのが資本金です。会社創業者の個人資産からの出資、投資家による出資などによって資本金は構成されています。
財務諸表では借方(左側)に流動資産と固定資産、貸方(右側)に流動負債と固定負債、純資産の項目がありますが、資本金は「純資産」に含まれる項目です。純資産には資本金のほかに資本剰余金や利益剰余金などが含まれますが、これらの項目は「返済の必要がない」という点で共通しています。
企業が資金調達を行う方法としては、株式発行や金融機関からの借り入れなどがありますが、金融機関の借り入れは返済の義務があるため「負債」に含まれる項目です。一方、新株発行等で増資される資本金は返済の義務がないため、「純資産」の項目に含まれます。
資本金が大きければ、返済義務のない資金をそれだけ多く持っていることを意味しますので、経営に余裕が生まれ、企業としての信用度も高まります。
日本企業で資本金の多い企業を1位から10位までランキング形式でご紹介しましょう。なお、参考にしているのは2021年4月15日時点における資本金の額で、単位は百万円です。
資本金の多い日本企業ランキング | ||
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1位 | 日本郵政(株) | 資本金3,500,000(百万円) |
1位 | (株)ゆうちょ銀行 | 資本金3,500,000(百万円) |
2位 | (株)三井住友フィナンシャルグループ | 資本金2,339,964(百万円) |
3位 | (株)みずほフィナンシャルグループ | 資本金2,256,767(百万円) |
4位 | (株)三菱UFJフィナンシャルグループ | 資本金2,141,513(百万円) |
5位 | 武田薬品工業(株) | 資本金1,668,123(百万円) |
6位 | 東京電力ホールディングス(株) | 資本金1,400,975(百万円) |
7位 | 日本電信電話(株) | 資本金937,950(百万円) |
8位 | ソニーグループ(株) | 資本金880,214(百万円) |
9位 | 日産自動車(株) | 資本金605,814(百万円) |
10位 | 野村ホールディングス(株) | 資本金594,493(百万円) |
1位の日本郵政株式会社と株式会社ゆうちょ銀行はいずれも資本金3.5兆円で、6位まで1兆円を超えています。
資本金の多さは、企業の安定性や信用度の高さにもつながります。1位から4位まで金融機関が名を連ねていますが、企業に融資を行うなど経済活動の心臓としての役割を果たしていることを踏まえると、当然の結果ともいえるでしょう。
金融機関は国際的な統一基準であるBIS規制により、一定水準以上の自己資本比率(自己資本÷総資産で計算)を維持する必要もあるため、資本金を多く保有する傾向があります。
資本金の額自体は企業の業績とは連動しません。資本金が多くても高い利益を上げているとは限らないので、企業の評価をする際は注意する必要があります。
また、資本金は単純に増やせばよいというわけではありません。新株発行による増資は発行済み株式数を増やし、1株当たりの利益を減少させるので、既存の株主に不利益を与える恐れがあります。新株発行の際は、その点を配慮することが必要です。
さらに過度な株式発行はそれまでの持ち株比率に変化を生じさせます。例えば、増資によって経営者の持ち株比率が低くなってしまうと、状況次第では第三者の意思によって代表取締役が解任されるという事態も起こり得るのです。株式による資金調達は、出資した株主が持ち株比率に応じて企業の意思決定に参画できる点が、借入金などとは大きく違うところです。
資本金とは企業が事業を営む上での元手となる資金のことです。日本企業の資本金のランキングをみると上位には金融機関が多く、さらに電力会社や通信会社などの社会インフラ企業なども多くみられます。
どれだけ資本金を有するかはその企業の規模や社会的な信用度にも関係しますが、企業の業績と連動しているわけではないので、資本金の大小だけで優良企業か否かは判断できないのが実情です。企業の評価を行う際は、その点注意する必要もあるでしょう。
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