公開日 /-create_datetime-/
障害者雇用促進法によって、一定規模以上の企業には「法定雇用率」で定めた障害者を雇う義務がありますが、障害者の雇用がなかなか進んでいないのが現状です。法定雇用率どおりに障害者を雇わなかった場合には、「障害者雇用納付金」を支払わなければならず、公共職業安定所長から勧告や特別指導、または企業名を公表される可能性もありますので、管理部門は障害者の雇用に向けた社内体制を整える必要があります。
目次【本記事の内容】
「障害者雇用促進法」は、障害者の職業の安定を図ることを目的とする法律で、現在、従業員43.5人以上の民間企業の法定雇用率は2.3%です。法定雇用率は今後も、段階的に引き上げられることになっています。
法定雇用率通りに障害者を雇わなかった場合には、「障害者雇用納付金」を支払わなければなりません。納付金は不足1人につき月額50,000円ですが、従業員数が100人を超え200人以下の企業には減額の特例があります。
また、公共職業安定所長から勧告や特別指導、または企業名を公表される可能性もありますが、法定雇用率を超える障害者を雇用している企業には、超過1人につき月額27,000円の「障害者雇用調整金」が支給されますので、制度の内容を把握して体制を整えましょう。
厚生労働省の「障害者雇用状況の集計結果」(令和元年)によると、雇用障害者数は56万608.5人、実雇用率が2.11%と、法定雇用率を達成しているのは48.0%で、半数に届いていません。
企業規模別にみていくと、従業員数「5.5~100人未満」の実雇用率は1.71%、「100~300人未満」では1.97%で、中小・小規模企業での障害者雇用が進んでいないことがわかります。
では、なぜ、中小・小規模企業での障害者雇用が進まないのでしょうか。障害者を雇用するためには、施設や設備の改善、特別な雇用管理など、障害者雇用に必要な環境を整える必要があります。
障害者雇用促進法には、障害者が職業生活で自立を実現するための職業リハビリテーション推進や、差別の禁止、合理的配慮の提供義務なども定められています。それが、中小・小規模企業にとっては、大きな負担になっていることも否めません。
障害者雇用のための施設や設備の改善に取り組む企業に対しては、さまざまな調整金や助成金もあります。
法定雇用率を達成している事業主には、一定の調整金が支給されますが、常用雇用従業員が100人を超える企業が対象となります。
常用労働者100人超の企業は「月額27,000円×超過人数分の調整金」、100人以下で障害者を常用労働者の4%、または6人のうち多い数を超えて雇用している企業には「月額21,000円×超過人数分の報奨金」となります。
また、助成金は「トライアル雇用に対する助成金」「継続雇用に対する助成金」「継続して雇用する障害のある方への配慮に対する助成金」の3つがありますので、それらを効果的に活用しましょう。
さて、管理部門はこれらのことを踏まえて障害者雇用の環境を整えていくためには、何よりも事業主の理解と協力が欠かせません。障害者雇用促進法の根底には「社会連帯」と「共生社会の実現」、つまり障害者も社会の一員としてさまざまな分野に参加して能力を発揮できるようにすることです。
まずは人事部や配属現場、そして経営層に対しも、研修や勉強会を通じて、障害者雇用の理念や意義、社会的責任と法的義務を説明し、理解を深めてもらいましょう。
障害者雇用を、法律で定められた義務ととらえるのではなく、障害者をどのように定着させ、どのように活躍してもらうかを、真剣に考える時代といえるのではないでしょうか。その先頭に立つのが管理部門の担当者です。
ところで、「しょうがいしゃ」の書き方は、「障害者」「障碍者」「障がい者」という3つの表記があります。常用漢字として登録されているのが「障害者」ですが、“害”を使うのはいかがなものか~という声もあります。また、「障碍」はもともと「しょうげ」と読まれ、「悪魔、怨霊などが邪魔する」ことで、悟りを開くための妨げとなるものを意味する仏教語です。
それぞれの捉え方の定義や意味に左右されない表記として「障がい」を使う人もいます。そして有識者による議論が行われていますが、大切なのは表記ではなく、その奥にある気持ちではないでしょうか。
新型コロナウィルス問題と見直しておきたい契約条項
50名未満の中小企業でも実現できる!従業員にも会社にもうれしい!福利厚生の新しいカタチ
OFFICE DE YASAI 総務様必見!お役立ち資料
日本の裁判手続きと電子署名
受発注業務事例のご紹介
ZOZOTOWNが「ゆっくり配送」を試験導入。背景にある「物流の2024年問題」とは?
管理部門・士業に聞いた「転職活動で使用するサービス」実態調査2024
【会計】ステップ4の貸付金関連の手数料の取扱い、検討─ASBJ、金融商品専門委 旬刊『経理情報』2024年5月1日号(通巻No.1709)情報ダイジェスト/会計
春の歓迎会・懇親会・お花見の開催率は29% 前年と同水準もコロナ前より22.7ポイント減少
企業による2025年卒採用の見通しは
取引トラブル契約事例と契約書AI審査ガイドブック
人事異動・新入社員のエリア配属をラクにする住居手配を効率化するヒント
効果的なメンタルヘルス対策とは?~離職・休職につながるメンタルヘルス不調と対策の実態~
マンガで分かる電子帳簿保存法&インボイス制度の対応ポイント
人事給与アウトソーシングサービス導入検討のポイント(中堅規模企業向け)
健康経営優良法人「ホワイト500」とは?メリットや取り組み事例を解説
“飲みニケーション”は時代遅れ? 年代問わず6割超が「いらない」と回答、「気を遣う」、「お金がかかる」などの声も
IT導入補助金2024申請ガイド ~申請するメリットと申請の流れを紹介~
「公認会計士」になるには?難易度・合格率や税理士との比較など
企業と求職者とのマッチング精度を高めるリファレンスチェックの進め方
公開日 /-create_datetime-/