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有価証券報告書の作成に備え管理部門がやるべきこと

公開日2021/05/27 更新日2021/05/28

金融商品取引法によって上場企業など条件を満たす企業に義務付けられている、有価証券報告書の情報開示と提出期限が近づいている企業もあるでしょう。期限直前になって慌てないように、予め準備しておきましょう。

金融商品取引法で提出・公開が義務付け

有価証券報告書とは、金融商品取引法で規定された決算後の企業の概況、事業の状況、財務諸表などをまとめた書類で、企業外部の投資家に対して、投資判断に有用な情報を開示するためのものです。

投資家は、事業の状況や経営状態によって、投資するかどうかの判断をしますが、企業内部の情報を外部からは容易に取得することはできません。そのため、有価証券報告書を開示することで投資判断が適切に行えるようにすることを目的とした制度です。

提出義務がある有価証券の発行者は、事業年度ごとに有価証券報告書を提出しなければなりません。有価証券報告書の提出期限は、通常は事業年度終了後の3か月以内です。

【提出義務がある有価証券発行者】

  1. 金融商品取引所(東証1部・2部、マザーズ、ジャスダックなど)の上場企業
  2. 店頭登録(国内法人で未上場だが店頭有価証券に関する規定で一定以上のディスクロージャーが求められるもの)のある有価証券の発行者
  3. 6月の通算50名以上の勧誘、1年の通算1億円以上の売り出しや募集を行う、有価証券届出書または有価証券通知書を提出する有価証券発行者
  4. 所有者数1,000人以上の株券や優先出資証券、総出資総額1億円以上で所有者数500人以上のみなし有価証券の発行者

有価証券報告書に記載する内容

では、有価証券報告書を作成するために、どのような企業情報を用意すべきなのかをみていきましょう。まず必要となるのが、企業の主要な情報を簡単にまとめた企業概況です。

さらに、売上高や当期純利益、資本金のほか、株式資本比率やキャッシュ・フロー状況の分析など、企業の数年間の推移がすぐにわかるように決算書等から抜粋された重要な指標のほか、関係会社や連結会社の詳細な情報が必要となります。

また、決算書だけではわからない事業の状況として、経営方針や経営環境、対処すべき課題、事業のリスク、経営者の財政状態、経営成績など、事業の現状や先行きを予想するための重要な情報開示も必要となります。

開示する情報に誤りがあれば、投資判断に有用な情報が開示されたことにはなりませんので、担当者は必要な情報を適切に開示できるように、準備しておかなければなりません。もちろん、正確を期すために、監査法人や公認会計士による監査も義務付けられています。

やむを得ない理由があれば提出期限延長も可能

有価証券報告書の作成には、相当な時間がかかります。また、企業の現状と将来の業績予測なども含まれますから、キャリアを積んだ経理担当者でなければ、難しい作業といえます。

有価証券報告書の提出期限は、通常は事業年度終了後の3か月以内です。やっと決算作業が終わったと思ったら、経理担当者には次々と複雑な業務が舞い込んできます。

ただし、今年は、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言発令に伴い、やむを得ない理由により、期限までに有価証券報告書の提出ができない場合は、財務(支)局長の承認を得れば、提出期限を延長することが認められていますので、所管の財務(支)局で、確認してください。

まとめ

有価証券報告書は、決算後の企業状況を記した、いわば成績表のようなものです。投資家は、その成績表を参考にして投資するかどうかの判断をするわけですが、上場企業など条件を満たす企業には、必要な情報を適切に開示することが、金融商品取引法で義務付けられています。

そもそも、投資家を保護することを目的にした開示制度ですが、有価証券報告書は、EDINET(金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)などを通して、誰でも閲覧できます。自社分析はもちろん、競合他社の状況を知るにも大いに役立つものです。経理担当者以外でも関心を持ってみてはいかがでしょうか。



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