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“最強”といわれる任天堂法務部に見る法務部の役割

公開日2021/06/14 更新日2021/06/15

事業活動には契約をめぐるトラブルなどをはじめ、法的知識や法的手続きが必要な場面が多々あります。コンプライアンスの徹底が強く求められる時代となり、法務部の重要性が高まっていますが、“最強”とまでいわれているのが任天堂の法務部です。

なぜ法務部が必要なのか、法務部の役割とは何かを、任天堂法務部のケースで検証してみました。

法務部の役割

法務部の役割は、事業活動で発生する法律に関係する事案への対応です。会社設立時はもちろん、子会社設立、株式発行・分割、株主総会や取締役会の開催も会社法に規定されていますから、事業活動には法的知識は欠かせません。

これら事業活動に必要な法的手続きを行うだけでなく、取引先と交わす売買契約書や業務委託契約書などを確認することも法務部の重要な業務です。契約を結ぶということは、契約書に定められた条項を承諾することですから、後のトラブルを防ぐためにも事前に内容を入念に確認する必要があります。

さらに、就業規則や賃金規定、服務規定などの社内規定が、労働法などに抵触していないかどうか、また、従業員の正当な権利が守られているかどうかのチェックも、法務部の重要な役割です。パワハラやセクハラといった問題への対応や労働法に関する社内研修も法務部の業務です。

任天堂法務部が「最強」といわれる理由

法務部の役割は広範囲に及びます。とくに顧客からのクレームや取引先とのトラブル、特許や商標などの知的財産に関するトラブルにより企業が不利益を被ることがないよう対処することは重要でしょう。トラブルが訴訟に発展することもありますが、日本が誇るゲームメーカー任天堂の法務部が“最強”といわれるのは、任天堂が訴訟に対して万全の体制をとっているからです

世間の耳目を集めた、その勝訴の足跡をたどってみましょう。

任天堂の勝訴
ドンキーコング裁判
1982年にユニバーサルがロイヤリティを求めて訴訟、勝訴
ティアリングサーガ裁判
任天堂がエンターブレインや開発元に対して自社のファイアーエムブレムに酷似していると訴訟、和解
3DS裸眼立体視特許裁判
元ソニー社員が、2003年に裸眼立体視の仕組みを提供したところ、許可なくニンテンドー3DSに採用されたとして賠償金を請求、逆転勝訴
マリカー裁判
任天堂のキャラクターのコスチュームで走る公道カートのマリカーを、不正競争防止法違反および著作権法違反で訴訟、勝訴(控訴により裁判継続)
ユリ・ゲラー裁判
ポケットモンスターに登場する“ユンゲラー”は、無断で自分(ユリ・ゲラー)のイメージを使ったものと賠償請求、勝訴


さて、その任天堂法務部の役割ですが、任天堂公式サイトによると、「国内外の取引先との契約締結、製品やサービスの法規制の適合性調査、株主総会の運営、社内のコンプライアンス教育」とあり、徹底した法務戦略を取っていることがうかがえます。

ときには暴走する経営陣にブレーキをかけることも法務部の役割

任天堂の収益の柱はゲーム専用機の売上です。2020年3月期は全体売上の96%といいますから、これらの知的財産を守ることは任天堂の生命線ともいえるでしょう。

このように法的なトラブルの防止や知的財産を守ることが、法務部の重要な役割ですが、実はもう一つ大切なのが、利益追求に走る経営陣にブレーキをかけることです。

利益を追求するために法規制を守らなかったり、生産性を上げるために従業員に無理な働き方を強制したりと、企業の不祥事は後を絶ちません。しかし、それが発覚すると企業の信用は失墜してしまうことになります。

そんな時にブレーキをかけ、リスクヘッジの役割を果たすのが法務部です。法律の境界と企業の利益追求を踏まえた、高いバランス感覚が法務担当者には求められるのではないでしょうか。

まとめ

事業活動は、法律と切り離せない関係にあり、法務部が担う役割の重要性はますます増しています。

企業にとっては欠かすことのできない法律の専門部署ですが、中小の規模の企業では、顧問弁護士にその役割を担ってもらうことも検討すべきでしょう。

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