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給与デジタル支払いで更なるキャッシュレス社会へ

公開日2021/06/28 更新日2021/06/29


これまで、現金もしくは銀行振り込みしか認められていなかった給与の支払い方法ですが、「○○Pay」といったスマホ決済アプリへの振り込みが解禁される見込みです。このような給与デジタル支払いについて、基本的な知識やメリット・デメリットなどについて解説します。

給与デジタル支払いとは?

給与デジタル支払いとは、銀行口座などを介さずに、従業員が利用しているスマホの決済アプリや電子マネーなどを利用して直接給与を振り込むことです。「○○Pay」といった資金移動業者が提供するスマホアプリでデジタルマネーとして給与を受け取ることができれば、銀行からお金を引き出すことはもちろん、アプリにチャージする手間もなく、すぐにキャッシュレスでさまざまな購買活動に利用できるようになります。

実際には、資金移動業者が発行するプリペイド式の給与受け取りカード「ペイロールカード(Payroll Card)」に給与を振り込み、そのペイロールカードと連携させたスマホ決済サービスを使うことになります。ペイロールカードに残高があれば、銀行ATMから現金を引き出すサービスも提供される見込みですので、現金が利用できなくなるわけではありません。

給与支払いの法的ルール

そもそも給与の支払いについては労働基準法第24条で以下のように定められています。

  1. 通貨で
  2. 直接労働者に
  3. 全額を
  4. 毎月1回以上
  5. 一定の期日を定めて支払わなければならない

これが「賃金支払いの五原則」と呼ばれているものです。

このことから賃金は現金支払いが原則なのですが、労働協約に別段の定めがある場合は例外的に従業員が指定する銀行など金融機関の口座への振り込みが認められているのです。もし、給与デジタル支払いが認められれば、給与の受け取りに第三の方法が生まれることになります。

解禁される背景

QRコード支払いや電子マネーによるスマホ決済は、店舗側の環境整備が進んだことや、資金移動業者による還元キャンペーン、あるいはマイナポイントキャンペーンなどの施策もあり、利用者が急速に増加しています。
さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、非接触のキャッシュレス決済に拍車がかかっているという事実もあります。

給与デジタル支払いがスタートすれば、これを機にさらにキャッシュレス社会が進展するものと思われます。

給与デジタル支払いによるメリットは?

従業員側からすれば、自分のライフスタイルに合った給与の受け取り方法を選ぶことが可能になります。深夜・早朝などであっても銀行ATMを利用することなく、給与を受け取った決済アプリを使って現金を持たずに買い物ができるようになるメリットがあります。

企業側にとってのメリットは、これまで銀行口座への給与振り込みの際に必要だった振込手数料が軽減される可能性があるといわれており、コスト削減になると期待されています。振込手数料のコストがなくなれば、週払いや日払いといった多様な給与支払い方法にも対応しやすくなります。

また外国人労働者が銀行口座を開設するにはハードルが高く、そうした人たちへの給与支払いが簡便にもなることから、雇用の面でもパートやアルバイトなどの従業員満足度の向上に寄与することにつながります。

課題は?

一方デメリットとしては、資金移動業者が経営破綻などした場合やセキュリティなどの面から、資金の保全やリスクへの対応、補償についてなどが不透明であり、不安視されています。金融機関の場合は、破綻したとしても1,000万円以内の預金であれば全額保護されますので、その点は安心です。

企業側にとっては、給与の支払い方法が増えることによって、一時的にせよ給与関係担当者の業務が増えることが予想されます。

まとめ

政府は、給与デジタル支払いを解禁することによって、キャッシュレス社会をさらに推し進める狙いがあるようです。これによって、新たなビジネスモデルが登場するなど、企業側にとってもビジネスチャンスが生まれる可能性があります。

企業の管理部門においては、制度改正によって新たな作業負担が生じることも考えられますが、多様な働き方に対応した給与支払いが可能となることから、恩恵を受ける人の方が多いかもしれません。

資金の保全やセキュリティをどうするかといった議論が今後進められると思いますが、その動向に注目していく必要があるでしょう。

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